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>>433 つづき
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背理法と対偶 - 背理法被害者の会 東京理科大学理学部第一部数学科 教授 安部直人 2012/11/16
(抜粋)
「背理法」と「対偶法(対偶を利用する証明)」は共に間接証明とよばれますが、
証明法としては完全に異なるものです。
対偶法に直しても証明の中間部分は変わらないことが多いが、背理法の場合には、A の仮定を付けたままであると、その中間結果も正しくない主張で理解納得できなくなる。対偶法の場合、仮定の下中間結果はすべて正しい主張で理解納得できます。
大量の背理法証明にに慣れて、中間結果の数学的意味を (考えても無駄と無意識に悟り)考えない習慣がついている人(研究者に多い)の中には、背理法と対偶法の区別がつかなくなっている場合があります。
背理法は、正しくない中間結果(他へ使えず、理解納得できない)も覚えることになり、丸暗記すると大変危険です。また、背理法に慣れてしまうと、中間結果の数学的意味を (考えても無駄と無意識に悟り)考えない習慣がついて、誤った数学的主張に対して鈍感になります。
例えば、外国の紙幣で偽札を見分ける訓練をするのに、
「真札を百枚、偽札1を百枚、偽札2を百枚、・・・、偽札9を百枚計千枚みせる」
という訓練をしても、偽札の種類(真札でないものすべて)は無数にあるので、
「真札のみを千枚みせる」
という訓練の方が実践には有効でしょう。
実際、私は背理法を使わなくなってから、数学専門書・啓蒙書等で今まで気付かなかったいろいろな習慣的誤り(特に意味論的な)が見えてきました。特に、線形代数と微積分に関係するものについて別ページで挙げていきたいと思います。
(引用終り)
つづく