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- 暇つぶし2ch388:現代数学の系譜 物理工学雑談 古典ガロア理論も読む
17/08/29 15:39:22.81 eKi6ocvq.net
>>351 つづき
清水氏の専門は数学における偏微分方程式論です.特に流体力学に現れる基礎方程式の数学的理論でこれまで顕著な業績を挙げてこられまし た.
Bessel 賞受賞理由は,「Navier-Stokes方程式の自由境界問題,R-有界性,作用素Fourier-multiplierの定理,最大正則性理論に対する貢献」です.
ちなみに,Navier-Stokes方程式とは流体の運動方程式であり,量子力学におけるSchroedinger 方程式とは異なる解の重ね合わせの原理が通用しない非線形偏微分方程式です.
その解法は困難を極め,解の一般的な存在定理は,2000年にアメリカの Clay 研究所から「次の千年に人類が挑戦すべき数学のミレニアム7問題のひとつ」として100万ドルの懸賞金付きで提唱されました.
URLリンク(www.claymath.org)
清水氏はこの難攻不落なNavier-Stokes方程式に対して,数学の抽象論である最大正則性定理を駆使してこれまで多くの研究成果を得 られました.
最大正則性定理は,日本のお家芸ともいえる函数解析学の分野で80年代後半から今日まで盛んに研究されている数学の理論であり, この4半世紀に数学解析に与えた影響は計り知れません.
受賞理由の「R-有界性」は最大正則性を検証する重要な概念で,清水氏はこの分野の研 究では我が国の第一人者として知られています.
実際,2012年には日本数学会・函数方程式論分科会より「放物型方程式の最大正則性原理と流体の自由境界値問題」を業績題目として,第4回福原賞を受賞されました.
URLリンク(www.math.kobe-u.ac.jp)
今回のBessel 賞受賞はその後に研究を更に発展させた業績が,世界,特にドイツの数学界に評価されたためと思われます.
2014年7月
早稲田大学理工学術院・教授
日本数学会理事 小薗英雄
注:
Friedrich Wilhelm Bessel, 1784年7月22日 ? 1846年3月17日)
ドイツの数学者,天文学者.恒星の年周視差を発見し,Bessel関数を分類したことで知られる.同じく数学者で天文学者でもあったカール・ フリードリヒ・ガウスと同時代を生きた人物である.URLリンク(ja.wikipedia.org) からの引用
(引用終わり)
以上


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