17/06/17 18:54:43.07 rPqgeVc87
(まあ、時枝記事が書いていることが分からないと、スレの住人も困るだろうから)
スレリンク(math板:2-7番)
過去スレ20 再録
1.時枝問題(数学セミナー201611月号の記事)の最初の設定はこうだった。
「箱がたくさん,可算無限個ある.箱それぞれに,私が実数を入れる.
どんな実数を入れるかはまったく自由,例えばn番目の箱にe^πを入れてもよいし,すべての箱にπを入れてもよい.
もちろんでたらめだって構わない.そして箱をみな閉じる.
今度はあなたの番である.片端から箱を開けてゆき中の実数を覗いてよいが,一つの箱は開けずに閉じたまま残さねばならぬとしよう.
どの箱を閉じたまま残すかはあなたが決めうる.
勝負のルールはこうだ. もし閉じた箱の中の実数をピタリと言い当てたら,あなたの勝ち. さもなくば負け.
勝つ戦略はあるでしょうか?」
2.続けて時枝はいう
私たちのやろうとすることはQのコーシー列の集合を同値関係で類別してRを構成するやりかた(の冒頭)に似ている.
但しもっときびしい同値関係を使う.
実数列の集合 R^Nを考える.
s = (s1,s2,s3 ,・・・),s'=(s'1, s'2, s'3,・・・ )∈R^Nは,ある番号から先のしっぽが一致する∃n0:n >= n0 → sn= s'n とき同値s ~ s'と定義しよう(いわばコーシーのべったり版).
念のため推移律をチェックすると,sとs'が1962番目から先一致し,s'とs"が2015番目から先一致するなら,sとs"は2015番目から先一致する.
~は R^N を類別するが,各類から代表を選び,代表系を袋に蓄えておく.
幾何的には商射影 R^N→ R^N/~の切断を選んだことになる.
任意の実数列S に対し,袋をごそごそさぐってそいつと同値な(同じファイパーの)代表r= r(s)をちょうど一つ取り出せる訳だ.
sとrとがそこから先ずっと一致する番号をsの決定番号と呼び,d = d(s)と記す.
つまりsd,sd+1,sd+2,・・・を知ればsの類の代表r は決められる.
更に,何らかの事情によりdが知らされていなくても,あるD>=d についてsD+1, sD+2,sD+3,・・・
が知らされたとするならば,それだけの情報で既に r = r(s)は取り出せ, したがってd= d(s)も決まり,
結局sd(実はsd,sd+1,・・・,sD ごっそり)が決められることに注意しよう.
(補足)
sD+1, sD+2,sD+3,・・・:ここでD+1などは下付添え字
つづく
11:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
17/06/17 18:55:14.92 rPqgeVc87
>>10
3.つづき
問題に戻り,閉じた箱を100列に並べる.
箱の中身は私たちに知らされていないが, とにかく第l列の箱たち,第2列の箱たち第100 列の箱たちは100本の実数列S^1,S^2,・・・,S^lOOを成す(肩に乗せたのは指数ではなく添字).
これらの列はおのおの決定番号をもつ.
さて, 1~100 のいずれかをランダムに選ぶ.
例えばkが選ばれたとせよ.
s^kの決定番号が他の列の決定番号どれよりも大きい確率は1/100に過ぎない.
第1列~第(k-1) 列,第(k+1)列~第100列の箱を全部開ける.
第k列の箱たちはまだ閉じたままにしておく.
開けた箱に入った実数を見て,代表の袋をさぐり, S^1~S^(k-l),S^(k+l)~SlOOの決定番号のうちの最大値Dを書き下す.
いよいよ第k列 の(D+1) 番目から先の箱だけを開ける:S^k(D+l), S^k(D+2),S^k(D+3),・・・.いま
D >= d(S^k)
を仮定しよう.この仮定が正しい確率は99/100,そして仮定が正しいばあい,上の注意によってS^k(d)が決められるのであった.
おさらいすると,仮定のもと, s^k(D+1),s^k(D+2),s^k(D+3),・・・を見て代表r=r(s~k) が取り出せるので
列r のD番目の実数r(D)を見て, 「第k列のD番目の箱に入った実数はS^k(D)=r(D)と賭ければ,めでたく確率99/100で勝てる.
確率1-ε で勝てることも明らかであろう.
(補足)
S^k(D+l), S^k(D+2),S^k(D+3),・・・:ここで^kは上付き添え字、(D+l)などは下付添え字
つづく
12:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
17/06/17 18:55:42.50 rPqgeVc87
>>11 つづき
数学セミナー201511月号P37 時枝記事に、次の一文がある
「R^N/~ の代表系を選んだ箇所で選択公理を使っている.
その結果R^N →R^N/~ の切断は非可測になる.
ここは有名なヴィタリのルベーグ非可測集合の例(Q/Zを「差が有理数」で類別した代表系, 1905年)にそっくりである.」
さらに、過去スレでは引用しなかったが、続いて下記も引用する
「逆に非可測な集合をこさえるには選択公理が要る(ソロヴェイ, 1970年)から,この戦略はふしぎどころか標準的とさえいえるかもしれない.
しかし,選択公理や非可測集合を経由したからお手つき, と片付けるのは,面白くないように思う.
現代数学の形式内では確率は測度論によって解釈されるゆえ,測度論は確率の基礎, と数学者は信じがちだ.
だが,測度論的解釈がカノニカル, という証拠はないのだし,そもそも形式すなわち基礎, というのも早計だろう.
確率は数学を越えて広がる生き物なのである(数学に飼いならされた部分が最も御しやすいけれど).」
つづく
13:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
17/06/17 18:56:03.16 rPqgeVc87
>>12 つづき
数学セミナー201511月号P37 時枝記事より
「もうちょっと面白いのは,独立性に関する反省だと思う.
確率の中心的対象は,独立な確率変数の無限族
X1,X2,X3,…である.
いったい無限を扱うには,
(1)無限を直接扱う,
(2)有限の極限として間接に扱う,
二つの方針が可能である.
確率変数の無限族は,任意の有限部分族が独立のとき,独立,と定義されるから,(2)の扱いだ.
(独立とは限らない状況におけるコルモゴロフの拡張定理なども有限性を介する.)
しかし,素朴に,無限族を直接扱えないのか?
扱えるとすると私たちの戦略は頓挫してしまう.
n番目の箱にXnのランダムな値を入れられて,ある箱の中身を当てようとしたって,
その箱のX と他のX1,X2,X3,・・・がまるまる無限族として独立なら,
当てられっこないではないか--他の箱から情報は一切もらえないのだから.
勝つ戦略なんかある筈ない,と感じた私たちの直観は,無意識に(1)に根ざしていた,といえる.
ふしぎな戦略は,確率変数の無限族の独立性の微妙さをものがたる, といってもよい.」
つづく
14:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
17/06/17 18:56:27.89 rPqgeVc87
>>13 つづき
まず、数学セミナー201611月号の記事で、引用していなかった部分を、以下に引用する(^^;
”ばかばかしい,当てられる筈があるものか,と感じられるだろう.
何か条件が抜け落ちているのではないか,と疑う読者もあろう.問題を読み直していただきたい.
条件はほんとうに上記のとおり.無限個の実数が与えられ,一個を除いてそれらを見た上で,除いた一個を当てよ,というのだ.
ところがところが--本記事の目的は,確率99%で勝てそうな戦略を供することにある.
この問題はPeter Winkler氏との茶のみ話がてら耳にした.氏は原型をルーマニアあたりから仕入れたらしい.”
この部分を掘り下げておくと
1.時枝氏は、この記事を、数学の定理の紹介とはしていないことに気付く
2.”Peter Winkler氏との茶のみ話がてら耳にした.氏は原型をルーマニアあたりから仕入れたらしい.”と
3.まあ、お気楽な、おとぎ話とまでは言ってないとしても、その類いの話として紹介しているのだった
ついでに”コルモゴロフの拡張定理”について、時枝記事は>>6に引用の通りだが
1.”確率変数の無限族は,任意の有限部分族が独立のとき,独立,と定義されるから,(2)の扱いだ.(独立とは限らない状況におけるコルモゴロフの拡張定理なども有限性を介する.)”と
そして、”しかし,素朴に,無限族を直接扱えないのか? 扱えるとすると私たちの戦略は頓挫してしまう.”とも
記事の結論として、”勝つ戦略なんかある筈ない,と感じた私たちの直観は,無意識に(1)に根ざしていた,といえる.
ふしぎな戦略は,確率変数の無限族の独立性の微妙さをものがたる, といってもよい”と締めくくっているのだった
2.言いたいことは、”コルモゴロフの拡張定理”を使えば、この時枝解法が成り立つという主張にはなってないってこと
3.そして、”コルモゴロフの拡張定理”を使ってブラウン運動を記述できるなら、ブラウン運動こそ、”他から情報は一切もらえない”を実現しているように思えるのだが?
つづく
15:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
17/06/17 18:57:04.64 rPqgeVc87
>>14 つづき
スレリンク(math板:12番)
さて、時枝記事についての過去スレの議論をまとめておこう
私スレ主は、時枝解法は成り立たないと思っている。その理由は次の通り
1.時枝自身が「n番目の箱にXnのランダムな値を入れられて,ある箱の中身を当てようとしたって,・・・当てられっこないではないか--他の箱から情報は一切もらえないのだから.」と
つまり、時枝自身が認めているような、”ランダムな値”が可能なら、時枝解法の反例成立
2.さて数学から離れて、自然界には”乱数”というものがある。 例えば右のサイト 「乱数列」URLリンク(ja.wikipedia.org)
そういうものから、ランダムな値を発生させることが可能だと
3.数学界でも、ブラウン運動の数理がある。>>xxの引用とか、過去スレ URLリンク(www.math.u-ryukyu.ac.jp) 数理解析学特別講義Ⅰ確率微分方程式 杉浦誠 琉球大 2010
で、「コルモゴロフの拡張定理→ブラウン運動という流れ」が説かれている。強調したいことは、>>6の「コルモゴロフの拡張定理を使って、完全にランダムな」状況を構成したと
つづく
16:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
17/06/18 18:12:46.98 3VWO+v7iS
>>15 つづき
スレリンク(math板:15-17番)
4.ところで、>>6の”いったい無限を扱うには,(1)無限を直接扱う,(2)有限の極限として間接に扱う,二つの方針が可能である.”という話から、数学的帰納法の話が過去スレで盛んになった
数学的帰納法の話は、まだ決着しておらず、進行中だ
5.過去スレで、Tさんは、”独立性の定義から「互いに情報を得られない箱は常に有限個の組」でしかなく”過去スレ>>242という予想を立てて、時枝解法は成り立つと主張した
対して、私スレ主は、過去スレ>>290に示すように、Tさんの予想が成り立たないことについて、証明らしいことを書いた。これのフォローは過去スレ>>291>>293に書いた
(証明の骨子は、”時枝の定義:「確率変数の無限族は,任意の有限部分族が独立のとき,独立,と定義される」”から、”互いに情報を得られない”=”互いに独立”=”独立”、と3つの用語が同義であるとして、矛盾を導くもの)
6.残念ながら、過去スレ>>290の証明に突っ込みが無いけど(^^;
つづく
17:132人目の素数さん
20/11/10 02:06:13.38
続けろ
18:132人目の素数さん
21/01/31 21:36:01.74 gS9/zPm/M
結局、ラグランジュ・リゾルベントだ。
位数60の巡回群は可解でなくて5交代群にしかならんから、
解が係数の四則演算とべき乗根で表せないわけだ。
ガロア理論の内で方程式の一般解に関するところは、そんなところだ。
その後のガロア理論の応用範囲が広い。
19:132人目の素数さん
21/03/28 16:33:14.56 PGQXd0aj8
スレリンク(math板)
■588 哀れな素人
>>数自体が集合。
>などとまったく意味不明のこと
■590 ID:33apLnca
>公理的集合論では{}は存在します。
>0を{}と定義すれば0は存在します。
■591 SET A
>正確には、ちょっと違う
■592 ID:33apLnca
>相変わらずアホですねえ
■600 SET A
>代替集合論 「アトムがある集合論」で、
>数をアトム(元)とすれば、
>「数は集合ではない」とできる
SET Aとかいう「哀れな中二病患者」が
毎度恒例の知ったか仏陀発言してるな
■610 SET A
>(590は)数学的には訳分からん主張だぜ(^^
>”0”は、公理的集合論とは独立に、
>数学的に存在するよ。アホやな
相変わらずダラズやな
(600の)「数をアトム(元)とすれば」こそ訳分からん主張
0が{}でなくアトムでなければならない理由がある?
ないよ、そんなもんw
20:132人目の素数さん
21/03/28 16:34:37.35 PGQXd0aj8
スレリンク(math板)
■600 SET A
>素朴集合論のパラドックスを避けるためにZFCが作られた
>だが、ゲーデルの不完全性定理で夢破れ、
>ZFCだけでは現代数学を網羅できないことが明白になったのです
典型的な中二病患者の発言
そもそもゲーデルの不完全性定理は自然数論の定理だが知らんのか?ダラズ
大抵の数学の定理は逆数学でいうところのACA_0(算術的内包公理)から導ける
ACA_0:∃X∀n∈N(n∈X⇔φ(n))
φ(n)は算術式で、Xを自由変数として持たないものとする
つまり、そんなに強力な公理は必要ない
以下は同値
1) ACA_0
2) Bolzano-Weierstrassの定理:有界な実数列は収束部分列をもつ
3) Cauchy列は収束する
4) 有界な実数列は上限をもつ
5) 単調収束定理;有界な増加列は収束する
2)~5)は大学1年の微分積分学で学ぶ基本的な定理
SET Aは、まずここからやり直せ
21:132人目の素数さん
21/03/28 16:47:31.55 PGQXd0aj8
>>8-16
箱入り無数目については、以下のスレへ
スレリンク(math板)
22:132人目の素数さん
21/03/28 16:56:23.60 PGQXd0aj8
以下は同値
1) WKL_0
2) 連続関数f:[0,1]→Rは一様連続
3) 連続関数f:[0,1]→Rは有界
4) 有界な連続関数f:[0,1]→Rが上限を持つ
5) 上限をもつ連続関数f:[0,1]→Rが最大値を持つ
23:132人目の素数さん
21/03/28 16:58:55.98 PGQXd0aj8
以下はRCA_0で証明可能
1) 区間縮小法の原理
2) 中間値の原理
3) 代数学の基本定理
24:132人目の素数さん
21/03/28 17:04:43.38 PGQXd0aj8
SET A君にはガロア理論は無理だろう
25:132人目の素数さん
21/03/28 17:05:33.60 PGQXd0aj8
ということで、ここでは今後、代数学の基本定理について語る
26:132人目の素数さん
21/03/28 17:10:00.72 PGQXd0aj8
ついでにいうと、「代数学の基本定理」は
その名前にもかかわらず、代数学の定理ではない