17/05/24 13:20:19.88 REXSP3Fp.net
>>293
鬼籍に入られたが、小平先生も仲間に入れてやってくれ(^^
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小平邦彦『幾何のおもしろさ』岩波書店(数学入門シリーズ)、1985年 1999 Kiwada K.
(抜粋)
時代錯誤とも思えるこの本が刊行されたのは1985年だけど、著者のユークリッド幾何学への思い入れと、初等教育に抽象数学を導入することへの不信はかなり根深い。
まずは1968年にこんなことを書いている。
……ユークリッド幾何では明らかに自明な公理から出発して順次に自明でない複雑な定理が証明されていく。子供にも公理的構成の意義がよくわかると思う。
歴史的発展の順序から考えても、ユークリッド幾何はもっとも初等的な数学であって、子供にとってもっともわかり易い数学である。また、十八世紀およびそれ以前においては、ユークリッド幾何がただ一つの公理的に構成された理論体系であった。だから私は子供に公理的構成の考えを教える材料はユークリッド幾何に限ると思うのである。 [1]
1979年にはこう書いている。
近年ユークリッド平面幾何は数学の初等教育からほとんど追放されてしまったが、それによって失われたものは普通に考えられているよりもはるかに大きいのではないかと思う。 [2]
1981年にはこう言っている。
昔われわれは平面幾何で論理を学んだんですが、幾何でないと論理を教えてもだめなんじゃないかしら。代数なんか材料にして論理を教えようと思っても材料があんまり単純でしょう。 [3]
こうした強迫観念的執着から生まれたのがこの本。
ユークリッド幾何学の退場によって失われたものを復活させようとする試みだ。[4]
数学者とは、数学的存在を捉えるための感覚(「数覚」)が相対的に優れた人間のことなのである。この「数覚」という概念は小平の非常なお気に入りで、ユークリッド幾何学への嗜好もそれと無縁ではない。
殊に平面幾何には実際に紙の上に描かれた図形に見られる現象を説明する自然科学という面があった(「はじめに」、vii)。
感覚に訴