17/04/28 10:45:35.26 zelHqvo4.net
>>317 つづき
「数学は雲の上の仙人のやる学問だ,というのがこれまでの常識だった.
ところが仙人ならぬ生きた人間が雲をつきぬけて月までも,金星までも行けるよ
うになった今日では,数学も仙人の学問ではなくなって,生きた人間にとって欠く
ことのできない知識となってきた.
実生活のほうが数学に近づいてきたのか,それとも数学のほうが実生活に近づい
てきたのか,おそらく両方だと思うが,数学と実生活の接触点はこれまでになく大
きくなってきた.(中略)
この雑誌は数学と現代文化や現代生活との接触から生ずる多種多様な問題を積極
的にとりあげて行くようにしたい.(中略)
この雑誌はそうした (=遅ればせながら数学を学びなおしたい) 人々の役にも立つよう
にしたい.(中略)
この種の雑誌はこれまで日本になかった.
したがって他人の真似で編集していくことはできないので,むつかしい点は多々
あるだろうが,その反面,型にとらわれない思い切った編集方針がとれる.そうい
う有利な点を生かして現代の要求に応ずる清新はつらつたる雑誌にしていきたいと
念願している.」
(『数学セミナー』1962 年 4 月号 1 ページ「数学と現代文化??創刊のことば」より)
現在も,この創刊のことばに大幅に逸脱しない程度の自由な発想で雑誌を企画・制作しています.
『数学セミナー』の初代編集長は女性で,創刊時より 13 年間雑誌の編集に携わってこ
られました.また,この 45 年のうち,女性の編集部員がまったくいないという時期も少
なく,仕事をするときも性差を特に意識させられたことはありません.
編集部は現在,編集長 1 人+編集部員 2 人=計 3 人で企画・依頼・編集・制作を行って
います.
(引用終り)