17/01/02 09:19:56.39 MUXssChK.net
つづき
マクスウエル分布は,マクスウエルがボルツマン方程式に先立ち1859
年に統計的考察により導いたものである.明らかにQ(M) = 0が成り立つ
ので、ρ, u, T がt, xによらない定数ならばMはボルツマン方程式の定常
解である。すなわち
? 平衡状態はマクスウエル分布以外にあり得ない.
? マクスウエル分布はボルツマン方程式に埋め込まれている.
これよりボルツマンは熱力学のニュートン力学的基礎を築いたと主張
した。しかしこれに対して多くの反論が提起され、ボルツマンとの間で
激しい論争が繰り広げられたことは科学史上の有名な挿話である.
W.トンプソン,J. ロシュミット,E. ツェルメロ,…
? H定理は時間に関して非可逆.
? ニュートン力学は時間に関して可逆.
最終的にボルツマンに軍配が上ったのは1970年代に入ってからである.
? ランフォードによるボルツマン-グラッド極限の存在証明。
ボルツマン方程式の統計力学的依存性.
? 多くの研究者によるボルツマン方程式の解の存在理論の整備.
ボルツマン方程式の数学解析
先駆的研究:
? ヒルベルト展開(1912).(数学の問題,第6)
? チャップマンーエンスコグ展開(1916-17)
つづく