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村上信吾の「多様体」
本書は,初版刊行以来二十年近くの年月を経たが,
多様体論への入門書として多くの人々に読まれ,
またこの間にわが国で著されたいくつかの数学書に
読者への参考文献として引用して頂いている。
こうして本書がいまなお些かでも世の役に立っているかと思うと,
著者としてこれ以上の幸せは無い。そこで,今後の読者のため参考文献を補うべきと思い,これを動機に旧版の改訂増補を行うこととなった。
改訂事項としては,旧版の本文についてはこれを改めず,
その脚注に挙げた文献について多少の追加と変更をするに止めた。また,巻末に旧版刊行以後に現れた国内外の多様体論に関する主な著作を参考文献に追加し,簡単な紹介を付して読者の便宜を図った。
数学的内容をもって加筆したのは次の二点である。いくつかの演習問題を補充したが,この形で旧版で触れていないシンプレクティック多様体と古典力学の基礎的事項を解説した。演習問題1.8,2.6,2.7,3.6,4.5,4.6が
この意図のもとに加えられたもので,その多くには略解が付けてある。
数理物理学が画期的に発展しつつある現代にあって,
古典力学の多様体論的基礎が入門書にあってもよいであろう。
これら一連の演習問題を解けば,専門書による
古典力学の数学的理解に役立つことと思う。
なお,本書の演習問題の多くは読者への研究課題であり,学生諸君�