現代数学の系譜11 ガロア理論を読む22at MATH
現代数学の系譜11 ガロア理論を読む22 - 暇つぶし2ch145:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
16/08/20 15:16:55.96 o5QeTUwB.net
>>134 補足
Abstract
ホワイトノイズは、直観的には「ブラウン運動の時間微分」として
捉えられる。ホワイトノイズ理論(飛田カルキュラス) においては、こ
の量に数学的な定義を与え、そこから種々のランダム量を組み上げるこ
とを通じて、無限自由度のゆらぎが扱われる。枠組みとして「超関数空
間の上の超汎関数空間」が用いられ、その構造から「パラメータ空間の
各点に付随した生成消滅作用素」が自然に現れてくる。
本稿は、長谷部・小嶋との共著論文[7] の解説であり、ホワイトノイ
ズ理論における「ウィック積(正規順序積)」の概念と役割を説明し、ホ
ワイトノイズ超汎関数の空間がウィック積に関して整域をなす(零因子
を持たない) ことを示す。この際有限自由度との類似や複素解析的構造
の役割を明示しながら、無限自由度のカルキュラスをより豊かなものに
する展望を述べたい。
5 総括と展望
上記の証明は、特徴づけ定理の条件(i) における「整関数の性質」に拠って
いる。このため、実は$(S)^{*}$ 以外の超関数空間に関しても同様な論法が使える。
一方、定理の結果から超汎関数空間のウィック積に関する商体を考えるこ
とができる。この商体は、$S$ 変換を通じて「有理型関数の性質」を反映し、(単
に形式的な解を与えるだけではなく) 具体的な計算や増大度による特徴づけ
とも関係付けられるだろう。これにより、「ウィック積が超関数的な特異性を
除去する余り、意味のある特異性までが理論から消えてしまう」といった問
題意識に対して、「商体のなかで(有理型関数的な) 特異性を取り込む」可能
性が開かれることになる。
もう一点指摘しておきたいことがある。それは上記の定理と「ティッチマー
シュの定理」との類似である。すなわち
この商体の中に含まれる、1 の(畳み込みに関する) 逆
元が微分作用素として同定され、$f\backslash \text{ウ^{}\backslash }$ ィサイドの演算子法の代数的な正当化
を成し遂げた[8]。これも「商体により特異性を取り込む」一例といえる。
本稿の作成に当たり、数々の有益な助言を頂いた原田僚君、安藤浩志君、
西村恵君に感謝します。


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