現代数学の系譜11 ガロア理論を読む21at MATH
現代数学の系譜11 ガロア理論を読む21 - 暇つぶし2ch538:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
16/08/06 23:05:03.09 dpu/lj82.net
>>499 つづき

同一正則関数の異なる方向からの境界値は,異なる物理現象を表す.電子電子散乱(Mller 散乱),電
子陽電子散乱(Bhabha 散乱)に現れる散乱行列要素などは全て同一正則関数の異なる方向か
らの境界値である.いろいろな方向からの正則関数の境界値を数学的に統制するために,佐
藤超関数論では,相対コホモロジーの理論が使用される.正則関数の双対空間の元を解析汎
関数と呼ぶ.フランスのアンドレ・マルチノー(Andre Martineau)は,“実領域に有界な台
を持つ解析汎関数は,有界な台を持つ佐藤超関数と同じである” という事実を利用し,佐藤
理論の基礎づけを行った.実軸方向に指数減少する正則関数の双対空間の元をフーリエウル
トラ超関数と呼ぶ.

熱伝導法方程式の解の初期値として超関数を捉えるという超関数に対する熱核の方法は,
名城大学の松澤忠人により佐藤超関数の理論を簡易化することを主な目的として1980 年代
に導入された.松澤理論は,韓国,セルビアで詳しく研究され,発展した.熱核の方法は,
現在,シュワルツ超関数,ゲルファント・シロフ(Gelfand-Shilov)の一般化関数,佐藤超関
数,更にフーリエウルトラ超関数に迄適用されている.例えば,フーリエ解析で重要なぺー
リーウイナーの定理の証明の簡易化に役立っている.
超関数の理論の最も厄介な問題は,超関数の積の問題である.場の量子論では発散の困難
という問題に関係する.

この困難を乗り越えるために開発されたのが,コロンボ(Colombeau)超関数である.オー
ストリアのウイーン大学のグループなどで研究されている.
【本章の構成】
本章では,シュワルツ超関数(7-2 節),佐藤超関数(7-3 節),



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