16/06/19 08:28:50.16 suG/dCz5.net
>>28 つづき
例えば、開集合族 Un = (-r-1/n, r+1/n) (開区間)(rは正の数)を考えると、これはn→∞の極限で(-r, r) つまり半径r>0の開球に集束する
この場合、先のr=0の場合と異なり、n→∞の極限で、突然閉集合に化けたりしないわけだ
だから、開集合族 Un = (-r-1/n, r+1/n) (開区間)(rは正の数)には、命題10.5 の(3) の数学的帰納法を適用してかつn→∞の極限でも問題ないことがお分かりだろう
つまり、この二つ対比から、n→∞の極限でなぜ数学的帰納法が適用できたり出来なかったりするのかが明白になる
開集合族 Un = (-r-1/n, r+1/n) の場合は、n→∞の極限でも命題10.5 の(3) の範囲内なのだ
対して、開集合族 Un = (-1/n, 1/n) の場合、n→∞の極限で、1 点集合 {0}に収束する。1 点集合は閉集合だから、命題10.5 の(3) の範囲外。従って、n→∞の極限のみ数学的帰納法は適用できない
まとめると、n→∞の極限でなぜ数学的帰納法が適用できたり出来なかったりするのか
それは、n→∞の極限で、それまでと数学的な特性なり性質のなにかが変わってしまって、命題10.5 の(3) のようにそれまで適用できていた定理が適用できなくなるからだ
逆に、そういうことが生じなければ、数学的帰納法は、n→∞の極限でも適用できる