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Inter-universal geometry と ABC予想11の受け売りだが、メモしておく
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Brian Conrad によるオックスフォードでの IUT ワークショップのノート(試訳) Dec 31, 2015
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”望月の戦略は、Szpiro 予想を完全に群論的で「離散的」なものに再定式化することだ(つまり、特定の代数的・幾何学的対象から離れ、群論的・圏論的な対象が組み合わさった構造に関心を移すことだ)。
これによって、直接は幾何学的な解釈が存在しない操作を加えることが可能となる。またこの結果として、結論はもとの幾何学的状況設定では解釈できなくなる。
大雑把なアナロジーとしては、Wiles の Fermat の最終定理 (FLT) の証明においては、Fermat の方程式を直接取り扱うことはしないし、Frey が仮想的な反例を埋め込んだ楕円曲線すら直接取り扱わない。
その代わりに、Wiles は Galois 表現を変形する、より広い枠組みに再定式化し、楕円曲線そのものでは表現できない(可換環論と Galois コホモロジーに由来する)別のテクニックや操作を可能とした。
より望月自身の研究に即したアナロジーとしては、p 進体の絶対 Galois 群は(代数体のそれとは異なり)体論的な自己同型にはない(トポロジカル)自己同型を持ち、
従ってある代数体をその絶対 Galois 群で置き換えたときには新しいことが起こり(「エギゾティックな」自己同型が現れる)、もとの代数体ではこれは表現できない。
より具体的には、望月が導入した枠組み、Frobenioid 理論は、群論的データと層論的データの組み合せによって、標数ゼロの数論幾何構造に対する「Frobenius 写像」という古くからの夢を部分的に実現するものである。
これを如何に実現するかという着想は、望月の p 進 Teichmuller 理論に関する過去の研究から来ているようである(従って「IUT」の「Teichmuller」になっている)。
様々な幾何的対象について望月は「Frobenioid」を対応させ、然る後に幾何的対象を捨て去って完全に Frobenioid たちのみを用いた議論に移行する。
FLT とのアナロジーで言うならば、Wiles は Galois 表現を得るや否や、楕円曲線を投げ捨てて、Galois 表現に関するもとの楕円曲線においては何ら意味を持たない議論を進めている。”