15/09/05 12:56:21.37 LkHxIayp.net
>>232 つづき
イデアルとコホモロジーの計算の具体例がある。まだ理解していないが
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常微分作用素環におけるイデアルの共通部分 : グレブナ基底を用いた計算法とその利用例 (D-加群のアルゴリズム) 田島, 慎一 数理解析研究所講究録 (2000)
さて、ここで多変数多項式環のイデアルの共通部分の計算法に関する結果を思いだそう.
いま, $I_{1},$ $l_{2}$ を多変数多項式環$K[x_{1}, x_{2}, \ldots, X_{n}]$ のイデアルとする. 不定元$t$ を新たに導入
し, 多項式環$K[x_{1}, x_{2}, \ldots, X_{n}, t]$ のイデアル$t\text{右}+(1-t)l_{2}$ を考える. この時, 次が成立する.
定理(cf. Cox. Little and $0$ ‘Shea [4], $\mathrm{C}\mathrm{h}\mathrm{a}_{\mathrm{P}^{4}}$ , Th. 11)
$I_{1}\cap I_{2}=(tI_{1}+(1-t)I_{2})\cap K[x_{1}, x_{2}, \ldots, X_{n}]$.
この定理の証明をみれば, 偏微分作用素心でもまったく同じ主張が成り立つことが容易
に分かる. その事から偏微分作用素環の場合にも、イデアルの共通部分を計算するアルゴリ
ズムを導くことができる(私自身は数年前にはじめてこの事に気がついたが, 専門家には常
識に属することらしい).
3. 計算例
この節では具体例をふたつ取り上げ、それぞれの場合にイデアルの共通部分のグレブナ
基底を求めてみる. 最初の例(例3) では$\text{「}2$ つの有理関数の満たす微分方程式系」の計算
を行い, 次の例(例4) では「それらの有理関数の極における主要部が定める代数的局所コホモロジー類の満たす微分方程式系」
の計算を行う. さらに, これら2 つの計算結果を比較
し検討を加える.