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『ガロアの時代 ガロアの数学』時代篇&数学篇 彌永昌吉 丸善出版 2013年12月28日
ガロアの時代 ガロアの数学〈2〉数学篇
百歳の天壽をまっとうした日本を代表する数学者が93歳と96歳の時に上梓した本である。
原資料や最新の研究にあたって書かれた本格的な著作である。文章はきびきびしていて無用のくりかえしはない。90代半ばにしてこれだけの文章が書けるとは。かくありたいものだ。
「数学篇」は3章にわかれる。
第1章「19世紀遺稿の数学の発展から」は「歴史篇」の数学史の章のつづきであるが、いきなり偏微分が出てきてまったく歯が立たなかった。
第2章「ガロアの理論」は純粋数学の基礎として発展した現代の群論の視点から再構成したガロア理論だが、これもまったく歯が立たない。
結城浩『数学ガール ガロア理論』の1~9章までと展開が似ているような気がするので、『数学ガール』を読み終えてからもう一度チャレンジしたが、やはりわからない。
『数学ガール』の群の解説は非常に明快でわかったようなつもりになったが、ラスボスのガロア理論となるとやはりわかっていなかった。
第3章「ガロアの主著」は科学アカデミーに提出した三度目の論文の全訳をもとに、ガロアがどのように証明したかを再検証している。
最初はまったく歯が立たなかったが、
金重明『13歳の娘に語るガロアの数学』と、ガロアの論文を逐条的に解説している『数学ガール ガロア理論』の10章を読んだ後にながめたら、何をやっているかがうっすらとわかるような気がした(気がしただけで理解できたわけではない)。
考える材料をたくさん提供してくれる本だ。数学に自信のない人は「数学篇」は飾っておくだけになってしまうかもしれないが、「歴史篇」の方は十分有益だろう。