326:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 09:30:27.66 HDH1hG65.net
>>280 補足
ガロアが、アーベルの遺稿を読んでいたことをうかがわせる記述がある
『ガロアの時代 ガロアの数学』数学篇 彌永昌吉 P236 に
”この命題はアーベルの楕円関数に関する遺稿の中で、証明なしで引用されている”と書かれている
なので、おそらくアーベルの方程式論の遺稿も読んでいただろう・・
URLリンク(booklog.kinokuniya.co.jp)
『ガロアの時代 ガロアの数学』時代篇&数学篇 彌永昌吉 丸善出版
327:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 09:40:34.38 HDH1hG65.net
>>224-225 ご参考
こういう人いるんだ・・。
ベストアンサーなどを読んでみて
URLリンク(detail.chiebukuro.yahoo.co.jp)
pancy_poncyさん2012/11/620:21:26
五次以上の代数方程式に代数的な一般解は存在しないことの証明方法の“道筋”を分かり易く教えて下さい。
「証明方法を教えて下さい」ではなく、その道筋を教えてもらって自分で調べるなり本を探すなりして理解したいのですが・・・。
実はいきなりエムポストニコフの「ガロアの理論」を読んでも1ページ目で挫けてしまいました(^_^;)
かといって矢ヶ部巌の「数Ⅲ方式のガロアの理論」を読んでも初めの方で止まってしまいました。
また小針?宏の「対話・現代数学入門」もさわりだけで結局分かりませんでした。
328:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 10:46:29.98 HDH1hG65.net
>>282 補足 なんども引用しているが
URLリンク(d.hatena.ne.jp)
2011-08-05 ガロア理論 青空学園だより 抜粋
雑誌『現代思想』4月号が「ガロアの思考」を特集している.そのなかで吉田輝義氏の「ガロア理論の基本定理」にいたく感動した.
ガロア理論については思い出がある.エム・ポストニコフの『ガロアの理論』(1964年4月25日,東京図書出版発行)を高校3年生のときに買った.大学に入ったらこの本を読もうと,それを励みに受験勉強した.
この本を本棚に飾って,それを読む日が来ることを励みに苦手な科目も勉強した.群論は高校3年の時,『群論入門』(稲葉榮次著,倍風館)を輪読,8割方読んでいた.
大学1年前期で線型代数もやった.準備は出来た.それで1回生の夏にようやくの思いで『ガロアの理論』を読んだのだ.
ところが,これが読めてしまうのだ.何も難しいことはない.第1部「ガロア理論の基礎」も読めた.代数的生成拡大が代数的単純拡大であることの証明に感心した他はすらすら読める.
第2部「根号による方程式の解法」も読めるのだ.あれだけ憧れていたガロア理論が読めてしまうのだ.基本定理も当たり前のように記述されている.P47~P48にはガロア対応の意義が書かれてはいるが,それを深くつかむことが出来ていなかった.
そして思った.一体ガロアの理論とは何なんだ.何がそれまでの数学からの飛躍であり,何が新しいのだ.それがわからなかった.ガロア理論は理解出来た.しかし納得は出来なかった.
今回,吉田輝義氏の「ガロア理論の基本定理」を読んで,若いころの自分の思いを整理することが出来た.また論考の中の基本定理の証明にも,あのときこのようなことを自分でするべきだったという悔恨とともに,心を動かされた.内容は各自読んでもらいたい.
今から思えば,あのとき,19歳の夏にガロア理論を読んであのように思ったのなら,
ガロア理論がどのような公理的前提のもとに示されるのかとか,5次方程式の根の公式の不存在の証明に何が用いられるのかとか,その根幹の定理は何かとか,自分でガロア理論を再構成しなければならなかったのだ.
つまりガロア理論の構造認識である.それをしなかった,あるいはそのような問題意識は持ちえなかった.これらのことをいろいろ思い起こし考える機会となった若い吉田氏の論考に感謝する.
329:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 10:47:29.32 HDH1hG65.net
>>283
個人的には、エムポストニコフの「ガロアの理論」は分かり易かった
アルティンよりはるかに
330:132人目の素数さん
15/07/20 12:07:03.58 0zBtAGEv.net
やっぱ土日ほどの元気はないね
331:132人目の素数さん
15/07/20 12:11:06.62 mBLJmW9G.net
インポか
332:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 12:53:26.60 HDH1hG65.net
>>274 参考
URLリンク(ja.wikipedia.org)
無限級数の収束に関するアーベルの定理も著名だが、他にも無限級数の一様収束を初めて注意したことで知られる。
URLリンク(reuler.blog108.fc2.com)
日々のつれづれ 高瀬正仁
抜粋
2012-10-31-Wed 近代数学史の成立26 複素対数と解析接続
格段にむずかしいのは複素変数の対数関数、すなわち複素対数ですが、これには無限多価性という、オイラーの発見が伴っていますから、その現象の根源を明らかにすることが課題になります。
複素関数論は解析接続のアイデアをもってこの課題に応えようとするのですが、問題はその応え方です。
今日の複素関数論のテキストを参照すると、ひとつの例外もなくいきなり「複素変数の対数関数を考えることができる」と宣言し、実解析関数を複素平面上に解析接続する道筋が叙述されていきます。
解析接続という考え方そのものにも理解するうえでの困難がひそんでいるのですが、それはひとまず措くとして、示される道筋それ自体は別にむずかしいことはなく、説明に追随していけばおのずと対数関数の無限多価性の認識に到達します。
ではありますが、それで諒解されるのは「複素対数を考えることにするとこのようになる」という状況のみで、そもそも「なぜ複素対数を考えるのか」という根本の説明がありません。「わかってもわからない」という不思議な心情に襲われるのはそのためです。
URLリンク(nalab.mind.meiji.ac.jp)
複素関数 桂田祐史 2014
0.2 歴史
0.2.7 Weierstrass, Riemann
(準備中: 例えば高瀬[4] のIV「リーマンとヴァイエルシュトラスの時代」. Abel について
も何か書くべきなのかしらん…)
ワイエルシュトラス(Karl Theodor Wilhelm Weierstrass, 1815{1897)楕円関数論、冪級数
による解析接続、代数関数の理論など
333:。 リーマン(Georg Friedrich Bernhard Riemann, 1826 年9 月17 日- 1866 年7 月20 日) Cauchy- Riemann の関係式を元にした関数論の幾何学的理論、Riemann 面.
334:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 12:54:35.84 HDH1hG65.net
>>285-286
どうも。スレ主です。
ご期待に添えませんが、あしからず
335:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 12:58:18.75 HDH1hG65.net
>>287 補足
個人的所感だが、Riemann 面.には発想の飛躍というか、天才のひらめきを感じる。Riemann が出なければ、あの発想はもっと時間が掛かったろう
が、冪級数による解析接続は、後からみれば、極めて自然というか、1変数複素関数の自然な性質そのものだから、ワイエルシュトラスがいなくとも、そのうちだれかが気付いたように思う
336:132人目の素数さん
15/07/20 15:00:28.35 mtpwFLai.net
>>273
ポアソンでなくフーリエな。
ワイエルシュトラスやカントールは、クロネッカーからフルボッコにされてた。
ワイエルシュトラスはそのクロネッカーのフルボッコに耐えたんだよ。
リーマンとか他の解析やってた同時代の連中も、クロネッカーに遭遇してたら、フルボッコにされてたぞ。
クロネッカーはな、その位に解析学痛烈に批判していたんだよ。有名だと思うのだが、そういう話を知らんか。
337:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 19:35:40.12 HDH1hG65.net
>>290
どうも。スレ主です。
その声は、おっちゃんやね
おっちゃん、博識やね
>ワイエルシュトラスやカントールは、クロネッカーからフルボッコにされてた。
>ワイエルシュトラスはそのクロネッカーのフルボッコに耐えたんだよ。
>リーマンとか他の解析やってた同時代の連中も、クロネッカーに遭遇してたら、フルボッコにされてたぞ。
>クロネッカーはな、その位に解析学痛烈に批判していたんだよ。有名だと思うのだが、そういう話を知らんか。
1.メンタル的に打たれ強い性格じゃないのかね、ワイエルシュトラス
2.クロネッカーのフルボッコも、ワイエルシュトラスにしてみれば、かえるのつらにしょうべん程度じゃないの
3.対して、カントールは、解析というより数学基礎論で独創的な分野だったから、性格プラス余計堪えたと思うんだよね
4.まあ、時代がね・・・、例えばガウスは複素数の扱いや、非ユークリッド幾何については、世間の批判を気にして公表には慎重だったというから
338:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 19:52:41.99 HDH1hG65.net
ワイエルシュトラスの背後には、解析という確固たる基盤がある
クロネッカーが、いくらフルボッコしようが、素手で岩盤を叩くようなものだ
対して、カントールの背後の数学基礎論の基盤は脆弱だ
フルボッコは、もろにカントールを直撃したように思うのだ
339:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/20 20:09:22.49 HDH1hG65.net
これ検索ヒットしたので、メモしておく
URLリンク(www.math.sci.hokudai.ac.jp)
物理学から幾何学へ 中村郁 北大 数理科学 2005
これ面白いわ
340:132人目の素数さん
15/07/24 15:01:50.51 lNRybf1J.net
>>292
ワイエルシュトラスは、クロネッカーのフルボッコをくらって
晩年立つのが苦しい状態になった位だから、決して
>ワイエルシュトラスにしてみれば、かえるのつらにしょうべん程度
とはいえない。カントールの集合論は、広い意味では解析だよ。
元がフーリエ級数に端を発している。
341:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/24 21:59:57.90 XlCc/Kza.net
>>294
おっちゃん、どうも。スレ主です。
おっちゃん、博識やね~
晩年立つのが苦しい状態になった位?
そうなんか! 知らなかったね~
>カントールの集合論は、広い意味では解析だよ。
それも初耳だね
342:132人目の素数さん
15/07/24 22:00:46.40 qVmPVR72.net
コピペが始まれば、土日が始まったと思う
343:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/24 22:26:24.06 XlCc/Kza.net
>>295
まず、ワイエルシュトラスについて、検索するまえに
記憶を辿ると
1.大器晩成というか、40歳くらいで高校教師(当時高校があった?)をしていて楕円関数だったか超楕円関数だったかの論文が認められて大学教授へ
2.p(ぺー)関数による楕円関数論
3.複素関数論の級数展開と解析接続
4.δ-ε論法
なんだよね
クロネッカーのフルボッコをくらっても、ワイエルシュトラスに賛同する人も沢山いたろうに
そこが、カントールと違うように思うんだよね
344:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/24 22:37:59.74 XlCc/Kza.net
>>297
カントールは、当時微積の基礎というか、無限大・無限小の数学的�
345:ネ位置付けが確立していなかったと思うんだよね だから、カントールの意識としては、「解析やっている」だったかも しかし、カントールのあとをついだゲーデルは、基礎論だろう(ゲーデルを解析に位置付ける人はいない) ゲーデルの位置から、振り返ると、「カントールは基礎論」という視点もありかと で、カントールの理論は空前だったと 理解してくれる人も、ワイエルシュトラス比で少数だった・・、というかクロネッカーにつく人も多かったんじゃ無いかね?
346:132人目の素数さん
15/07/24 22:57:36.59 paOlVUx1.net
犯罪者 中野隆一「なかのりゅういち」
美容室 ブルーム コスタ 赤羽 デコラ 池袋 カレン 川口 社長
上記人物はお客様の事を偽証申告して逮捕状をとる
共犯 遠藤孝輔「えんどうこうすけ」
意識の革命家 ザーマスターキーIII
美容師 美容院 中野隆一の店 フジテレビ 荒川区在住
散髪 ヘアメイク ホットペッパービューティー とらばーゆ
タウンワーク アシスタント レセプション
347:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/24 22:58:27.75 XlCc/Kza.net
検索でこれヒットした。おもしろいわ
URLリンク(pauli.isc.chubu.ac.jp)
[PDF]数学の基礎としての集合論 vs. 数学としての集合論 -
渕野 昌 (Saka ?e Fuchino) 中部大学 工学部
2003年の日本数学会秋季総合分科会での私の企画特別講演
URLリンク(kurt.scitec.kobe-u.ac.jp) (いま神戸大学システム情報学研究科?)
348:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/24 23:17:19.27 XlCc/Kza.net
これほんの一部の引用だが、どうよ
URLリンク(homepage3.nifty.com)
天才数学者のエピソードで綴るデンジャラス・ストーリー(2)
抜粋
この章は「数学者列伝II」ジェイムス著、蟹江幸博訳、シュプリンガー・ジャパン、と『「無限」に魅入られた天才数学者たち』アミール・D・アクゼル著、青木薫訳、早川書房を骨子としている。
カントール
ワイエルシュトラス(1815~1897.解析学の父とも言われる)の影響のもとに解析学の研究を精力的に進めていった。
カントールとワイエルシュトラスは互いに相手を高く評価し合い、その関係は生涯続いた。
クロネッカーとは犬猿の仲であった、ワイエルシュトラスの路線に沿った仕事が、旧師であるクロネッカーとカントールの生涯にわたる確執の原因となったことは、間違いないと思われる。
カントールは数学の中心地の一つであるベルリン大学に戻れることはなく、教授職を引退するまでハレ大学にいることになる。
彼は有理数のように番号が付けられる無限集合(可算集合と言う。
有理数の集合は可算集合であることは、カントールが証明した)と実数(有理数と無理数を合わせた集合)のように今で言う連続体濃度(無限集合なので個数と言う代わりに濃度と言う)の集合について深く思索するようになった。
1873年にはデデキントに、実数の集合は可算でないことを手紙で書き送っている。おなじみのカントールの対角線論法による証明は1874年に初めて行っているが、彼自身はその段階では理解が不十分であり、1891年になって改良を加えた強力なものにしている。
1879~84年にかけて、今日では超限集合論と呼ばれている一連のこの理論の基礎的論文を発表している。
349:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/24 23:25:04.67 XlCc/Kza.net
クロネッカー vs ワイエルシュトラス どうよ
URLリンク(femingway.com)
第9話 いじめで名を残す | FEMINGWAY: 2001年8月記
抜粋
さて、クロネッカーのいじめは連続概念での“切断論”で有名なデデキント(Dedekind;独1831-1916)にも向けられ、さらには彼の先輩格でもあるワイエルシュトラス(Weierstrass;独1815-1897)にも向けられたといいます。
ワイエルシュトラスといえば数学史を飾るドイツの大数学者です。なんとも恐れ入る行動力ですね。
後世の人はクロネッカーを懐疑派の数学者と呼びます。数学にとって懐疑することは非常に重要なことであります。
彼の死後、その懐疑によって彼がそのいじめのより所としていた自己の数学もまた、根底から揺るがせられることになります。
そのことを知らないでこの世を去ったクロネッカーは幸せであり自信満々の一生を送ったものです。
350:132人目の素数さん
15/07/24 23:37:15.88 qVmPVR72.net
集合なき時代の数学
351:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 05:45:01.15 tAJoLOyr.net
>>137
>可換環論や代数幾何で現れる Spec(R)
ここをちょっと補足
URLリンク(ja.wikipedia.org)
数学、特に抽象代数学の一分野である環論における可換環(かかんかん、英: commutative ring)は、その乗法が可換であるような環をいう。可換環の研究は可換環論あるいは可換代数学と呼ばれる。
いくつか特定の種類の可換環は以下のようなクラスの包含関係にある。
可換環 ⊃ 整域 ⊃ 整閉整域 ⊃ 一意分解環 ⊃ 主イデアル整域 ⊃ ユークリッド環 ⊃ 体
目次
1 導入
1.1 定義
1.2 簡単な例
2 諸概念
2.1 イデアルと剰余環
2.2 局所化環
2.3 素イデアルと素スペクトル
3 環の準同型
4 加群
5 ネーター環
6 環の次元
7 可換環の構成
7.1 完備化
8 性質
9 関連項目
10 注釈
10.1 出典
11 参考文献
352:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 05:54:38.57 tAJoLOyr.net
>>304 つづき
> 2.3 素イデアルと素スペクトル
素イデアルと素スペクトル
詳細は「素イデアル」および「環のスペクトル」を参照
特に重要な種類のイデアルとして、素イデアルがある(しばしば p あるいは p(ヒゲ文字)などで表す)。
この概念が生じたのは、19世紀の代数学者が('Z と異なり)素因数分解の一意性の成り立たない環をたくさん発見したことによる(素因数分解が一意な環は一意分解環と呼ばれる)。
定義により、素イデアルは真のイデアルであって、環の二元 a, b の積 ab が p に属するならば必ず a か b のうちの少なくとも一方が p に属するという性質を持つものである(逆はイデアルの定義から任意のイデアルにおいて成り立つ)。
このことは、剰余環 R/p が整域となることといっても同じである。
また、p の補集合 R ? p が積閉集合になることと言い換えることもできる。このとき、局所化 (R ? p)?1R は独自の記法 Rp を持つ程に重要なもので、この環はただ一つの極大イデアル pRp を持つ。
このように極大イデアルが唯一であるような環は局所環と呼ばれる。
体は整域ゆえ、すでに述べたように極大イデアルは素イデアルである。
イデアルが素であること、あるいは剰余環を考えれば同じことだが環が零因子を持たないことを示すことは、一般に非常に難しい問題である。
つづく
353:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 06:01:36.74 tAJoLOyr.net
>>305 つづき
素イデアルは、環 R の素イデアル全体の成す集合である環のスペクトル Spec?R を通じて、環を「幾何学的」に解釈するための鍵
354:となる概念である。 既に述べたように任意の環は少なくとも一つの素イデアルを持つから、スペクトルは常に空でない。 R が体ならば唯一の素イデアルが零イデアルであるから、そのスペクトルも一点からなる。 一方、、有理整数環 Z のスペクトルは零イデアルに対応する一点のほかに、(素イデアル pZ を生成する)各素数 p に対応する点も持つ。 スペクトルにはザリスキー位相と呼ばれる位相が入っている。これは環の各元 f に対して部分集合 D(f) = {p ∈ Spec R : f ? p} が開となるものとして定義される位相である。 この位相は解析学や微分幾何学に見るような位相とは異なり、例えば一点集合が一般には閉にならなかったりする。また例えば、零イデアル 0 ⊂ Z に対応する点の閉包は Z のスペクトル全体に一致する。 スペクトルの概念は可換環論と代数幾何学に共通する基盤である。代数幾何学は Spec?R に層 ο(実体は、局所的に、つまりさまざまな開集合上で、定義された函数の集合)を付随させることに始まる。 この空間と層からなるデータをアフィンスキームと呼ぶ。アフィンスキームが与えられたとき、基礎となる環 R は層 ο の大域切断全体の成す環として回復される。 さらに言えば、こうして得られる環とアフィンスキームとの間の一対一対応は環準同型と可換になる。 即ち任意の環準同型 f: R → S に対して矢印の向きを逆にする連続写像 Spec?S → Spec?R; q → f?1(q) が生じる。これはつまり、S の任意の素イデアルは f による原像として R の素イデアルに移されることを言うものである。 スペクトルは局所化と剰余環の直観的な相補性を明確な形で述べるのにも役に立つ。 即ち自然な写像 R → Rf および R → R/fR は(考えている環のスペクトルにザリスキー位相を入れれば)相補的な関係にあるスペクトルの開はめ込みおよび閉はめ込みに対応する。 詰まるところ、これら二つの圏の同値性は幾何学的な仕方での環の代数的性質を非女王によく反映するものである。 つづく
355:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 06:09:31.42 tAJoLOyr.net
>>306 つづき
>非女王に
非常にの誤変換だろう
本題つづき
アフィンスキームは(多様体がRn の開集合上で局所的に定義されるのとまったく同じようにして)スキームの局所モデルになっている(スキームは代数幾何学の主な研究対象である)。
それ故に、幾何学的直観に由来する多くの概念を環とその準同型に対して持ち込むことができる。
(可換環引用おわり)
URLリンク(ja.wikipedia.org)
抽象代数学における局所環(きょくしょかん、local ring)は、1938年にヴォルフガンク・クルルによって導入された概念で、
比較的簡単な構造を持つ環であり、代数多様体や可微分多様体上で定義される関数の、あるいは代数体を座や素点上の関数として見るときの「局所的な振る舞い」を記述すると考えられるものである。
局所環およびその上の加群について研究する可換環論の一分野を局所環論と呼ぶ。
定義
環 R が局所環であるとは、以下に挙げる同値な条件を一つ(したがって全て)満たすもののことである:
R は極大左イデアルを唯一つだけ持つ。
R は極大右イデアルを唯一つだけ持つ。
R において 1 と 0 が等しくなく、また R のどの二つの非可逆元の和も再び非可逆となる。
R において 1 と 0 が等しくなく、また x が R の元であるならば、x または 1 ? x のいずれかは必ず可逆である。
R の元の適当な有限和が単元となるならば、和の項となる元の中に単元が必ずある(特にもし、何も加えないという和を考えるなら、それは 0 を意味するのであって、いま 1 と異なるのであるから単元でない)。
これらの性質が成り立つとき、唯一の極大左イデアルは唯一の極大右イデアルに一致し、またジャコブソン根基 (Jacobson radical) にも
356:一致する。 つづく
357:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 06:30:55.21 tAJoLOyr.net
>>307 つづき
上記 3 番目の性質は局所環の非可逆元全体が真のイデアルをなし、したがってジャコブソン根基に含まれることを言っている。
4 番目の性質は次のように言い換えることができる: R が局所環となる必要十分条件は、R に互いに素な二つの真の左イデアルが存在しないことである。
ここで R の二つのイデアル I1, I2 が「互いに素」とは R = I1 + I2 が成立することである。
可換環の場合には、イデアルの左右・両側の区別をしないので、可換環が局所環である必要十分条件はその環が極大イデアルを唯一つ持つことである。
文脈によっては、局所環の定義に(左および右)ネーター性を仮定するものもある。その場合には、ネーター性を持たないものを擬局所環、準局所環 (quasi-local ring) と呼ぶ(本項ではこれを区別しない)。
例
可換な例
可換(および非可換な)体は {0} を唯一の極大イデアルとする局所環である。
局所環に「局所」の名を冠する理由は次のようなものである。
まず、実数直線上で 0 を含むある開区間において定義される実数値連続函数を考え、函数の 0 付近という局所での挙動のみに注目して、0 を含むある開区間(これはいくらでも小さく取って構わない)で一致するような函数を全て同一視する。
この同一視というのは同値関係を成し、この同値類を 0 における実数値連続函数の芽(め、germ)または実数値連続函数芽(が)という。実数値連続函数の芽は通常の函数の値ごとの加法と乗法によって可換環をなす。
この連続函数芽全体の成す環が局所環であることを知るためには、函数芽の可逆性を定義する必要がある。函数芽 f が可逆であるとは f(0) が 0 でないこととする。
これはつまり、f(0) が 0 でなければ、連続函数の性質から、0 を含む適当な開区間上で f が 0 にならず、したがってその区間上で g(x) = 1/f(x) という連続函数の芽を考えることができるという理由による。このとき fg は 1 に等しい。
この特徴づけで明らかなことは、非可逆な函数芽の和がやはり非可逆となるということであり、これによって函数芽の環が可換局所環であることを知ることができる。特にこの局所環の極大イデアルは f(0) = 0 を満たすような函数芽全体に一致する。
つづく
358:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 06:38:55.61 tAJoLOyr.net
>>308 つづき
これと同じようなことは、位相空間とその上の一点と実数値連続函数から芽の環を考えることでもできるし、可微分多様体上に一点をとって、可微分写像芽の環を考えても、あるいは点つきの代数多様体上の有理函数芽の環でもよいが、
結果として、これらの芽の環は局所環となる。
またこれらの例は、代数多様体の一般化であるスキームが、どうしてのか特殊な局所環付き空間として定義されるのかということの説明の一助となる。
もう少し算術的な例として、分母が奇数となるような有理数全体の成す環は局所環である。その極大イデアルは、分子が偶数で分母が奇数であるような分数全体である。
もっと一般に、可換環 R とその素イデアル P が与えられたとき、R の P における局所化は、P の生成する唯一の極大イデアルを持つ局所環である。
体上の(一変数あるいは多変数の)形式冪級数環も局所環の例である。極大イデアルは定数項を持たない冪級数全体である。
体上の二元数の成す多元環も局所環である。もう少し一般に、F が体で n が正整数であるならば、商環 F[X]/(Xn) は、定数項を持たない多項式の類全体の成す極大イデアルを持つ局所環となる。
実際に等比級数を使えば、定数項を持つ任意の多項式が Xn を法として可逆であることが示せる。 これらの例では、その元はどれも冪零であるか可逆であるかのいずれかである。
局所環は賦値論では重要な役割を果たす。体 K(これは函数体かもしれないしそうでないかもしれない)が与えられたとき、そこから局所環を見つけることができる。
定義により、K の部分環 R が K の付値環であるならば、K のどの非零元についても、x か x?1 のうちのいずれかが R に属す、という性質を持つ。そのような性質を持つ部分環はどれも局所環である。
K が実際に代数多様体 V 上の函数体であるならば、V の各点 P に対して、「P において定義された」函数の成す賦値環を考えることができるだろう。
V の次元が 2 以上である場合なら、以下のような状況を見て取るのは困難である:
つづく
359:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 06:44:11.38
360:tAJoLOyr.net
361:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 06:56:23.94 tAJoLOyr.net
少し休憩
>>309-310
"K が実際に代数多様体 V 上の函数体であるならば、V の各点 P に対して、「P において定義された」函数の成す賦値環を考えることができるだろう。
V の次元が 2 以上である場合なら、以下のような状況を見て取るのは困難である:
F および G が V 上の有理函数で F(P) = G(P) = 0 を満たすとする。このとき、函数 F/G の P における値というのは不定形である。
例えば簡単なところで Y/X において、極限を直線 Y = tX にそって近づけるようなことを考えると、「P における値」という概念には単純な定義というものが無いように思われるだろう。
けれども賦値を使えばこのようなことは取り除かれる。"
ここ、なんか日本語がおかしい
V の次元が 2 以上である場合なら、以下のような状況を見て取るのは困難である:
↓
特に、V の次元が 2 以上である場合なら、以下のような状況を見て取ることができる:
くらいの方が意味が通るように思う
これも、だれかの文を他の人が編集したときに、部分だけ手直しして、全体的流れを見ていないからかと想像します
362:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 07:30:06.58 tAJoLOyr.net
>>307
文字化け修正
R において 1 と 0 が等しくなく、また x が R の元であるならば、x または 1 ? x のいずれかは必ず可逆である。
↓
R において 1 と 0 が等しくなく、また x が R の元であるならば、x または 1 - x のいずれかは必ず可逆である。
補足
・あと、可逆→可逆元かな
・逆元の存在( 0 以外の)が、言える環ってことなんかね・・
・「幾何学的直観に由来する多くの概念」というのが、いまいちイメージ湧きませんが
363:132人目の素数さん
15/07/25 07:47:24.65 VYNPHl5W.net
スレ主さんってオナニーするの?
364:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 08:16:38.27 tAJoLOyr.net
>>310 局所環つづき
諸事実と諸定義
可換の場合
(R, m) で極大イデアル m をもつ可換局所環をあらわすことにする。可換局所環 (R, m) は m の冪全体を 0 近傍系の基とする位相(これを m-進位相と呼ぶ)により自然な方法で位相環となる。
二つの局所環 (R, m), (S, n) に対して、R から S への局所環準同型とは、環準同型 f : R → S であって、f(m) ⊆ n を満たすもののことを言う。(R, m), (S, n) を m-進位相, n-進位相でそれぞれ位相環と見れば、この位相に関して連続な環準同型が、局所環の準同型である。
位相環として見た場合に、 (R, m) は完備であるかという問いを与えることができるが、これは一般には正しくない。しかしその完備化はやはり局所環となる。
もし、 (R, m) が可換ネーター的局所環であるならば、
∩_{i=1}^∞ m^i = {0}
が成り立つ(クルルの交叉定理)。したがって、R は m-進位相に関してハウスドルフ空間になる。
一般の場合
局所環 R のジャコブソン根基 m(これは R の唯一の極大左イデアルであり、また唯一の極大右イデアルである)は、ちょうど環 R の非可逆元の全体のなす R の唯一の極大両側イデアルである
(非可換環の場合、環が極大両側イデアルを唯一つしかもたないとしても、それはその環が局所環であるという意味にはならないということには注意が必要である)。
局所環 R の元 x について、以下のことはみな同値である:
x が左逆元を持つこと。
x が右逆元を持つこと。
x が単元であること。
x が R の唯一の極大イデアル m に属さないこと。
(R, m) を局所環とすると、商環 R/m は体である。 J が R に一致しない両側イデアルであるなら、商環 R/J は再び局所環で、その唯一の極大イデアルは m/J で与えられる。
アーヴィング・カプランスキー(英語版) の深度定理 (deep theorem) によれば、局所環上の射影加群は自由加群である。
365:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 09:32:07.62 tAJoLOyr.net
>>306-307 可換環補足
(和)
スペクトルは局所化と剰余環の直観的な相補性を明確な形で述べるのにも役に立つ。
即ち自然な写像 R → Rf および R → R/fR は(考えている環のスペクトルにザリスキー位相を入れれば)相補的な関係にあるスペクトルの開はめ込みおよび閉はめ込みに対応する。
詰まるところ、これら二つの圏の同値性は幾何学的な仕方での環の代数的性質を非常によく反映するものである。
アフィンスキームは(多様体がRn の開集合上で局所的に定義されるのとまったく同じようにして)スキームの局所モデルになっている(スキームは代数幾何学の主な研究対象である)。
それ故に、幾何学的直観に由来する多くの概念を環とその準同型に対して持ち込むことができる。
(英)URLリンク(en.wikipedia.org)
366:ring より The spectrum also makes precise the intuition that localisation and factor rings are complementary: the natural maps R → Rf and R → R / fR correspond, after endowing the spectra of the rings in question with their Zariski topology, to complementary open and closed immersions respectively. Altogether the equivalence of the two said categories is very apt to reflect algebraic properties of rings in a geometrical manner. Affine schemes are?much the same way as manifolds are locally given by open subsets of Rn?local models for schemes, which are the object of study in algebraic geometry. Therefore, many notions that apply to rings and homomorphisms stem from geometric intuition. 英文の方が分かりやすいね "「幾何学的直観に由来する多くの概念」というのが、いまいちイメージ湧きませんが">>312 と書いた 英文読むと、”the same way as manifolds”ということで、manifoldsの幾何学で成り立つことが、”the object of study in algebraic geometry”でも成り立つという意味だと 「manifoldsの幾何学で成り立つこと」というのが、まだイメージ湧きません。リーマン・ロッホ(下記)などがその例でしょうか https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%9B%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86
367:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 10:00:11.77 tAJoLOyr.net
代数幾何の点
URLリンク(en.wikipedia.org)
Glossary of algebraic geometry
point
A scheme S is a locally ringed space, so a fortiori a topological space, but the meanings of point of S are threefold:
a point P of the underlying topological space;
a T -valued point of S is a morphism from T to S , for any scheme T ;
a geometric point, where S is defined over (is equipped with a morphism to) Spec(K) , where K is a field, is a morphism from Spec ({ ̄K}) to S where { ̄K} is an algebraic closure of K.
Geometric points are what in the most classical cases, for example algebraic varieties that are complex manifolds, would be the ordinary-sense points.
The points P of the underlying space include analogues of the generic points (in the sense of Zariski, not that of Andre Weil), which specialise to ordinary-sense points.
The T -valued points are thought of, via Yoneda's lemma, as a way of identifying S with the representable functor h_{S} it sets up.
Historically there was a process by which projective geometry added more points (e.g. complex points, line at infinity) to simplify the geometry by refining the basic objects.
The T -valued points were a massive further step. As part of the predominating Grothendieck approach, there are three corresponding notions of fiber of a morphism: the first being the simple inverse image of a point.
The other two are formed by creating fiber products of two morphisms. For example, a geometric fiber of a morphism S^’ → S is thought of as
S^’ ×_{S} Spec({ ̄K}) .
This makes the extension from affine schemes, where it is just the tensor product of R-algebras, to all schemes of the fiber product operation a significant (if technically anodyne) result.
368:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 20:38:27.87 tAJoLOyr.net
こんなのがありました
URLリンク(note.chiebukuro.yahoo.co.jp)
代数幾何学入門講座~スキーム理論入門~ ライター:sedrft1さん(最終更新日時:2015/1/7)投稿日:2012/6/28
難しい代数幾何が、私のような平凡な頭の者にも少しでも身近なものにならないだろうかと何度も思ったことです。
代数方程式は素朴な対象であるがゆえに、昔から多くの数学者たちの研究の的になってきました。
そもそも一般に幾何学をやるといっても、どこ上で幾何をやるのかというのは問題になります。(C上かR上か。Qやp進体Qpか、はたまたZか。体Fpか。体上か環上か。などなど。)
たとえば代数閉体であるC上なら点もいっぱいつまっているし、どんな代数方程式をもってきても解が中に詰まってるし十分に安心して幾何学の議論として扱えそうです。
しかしZなどの(不毛な)世界に降りてくると、もはや点がただポツポツ並んでるだけといった世界になり、十分満足できるような幾何学と呼べるものにするのが難くなってきます。
しかし数論においても面白いのは何と言ってもZの世界であり、何とか扱えるようにしたいというのがみんなの願いではあります。
つづく
369:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 20:41:27.17 tAJoLOyr.net
>>317 つづき
そこでちゃんとした幾何学として扱うには(例えばですが)ある程度位相を拡張したり、絶対値や距離をつけたり点を詰めたりするなど今後いろんなアイディアが必要になってきそうです。(○)
GrothendieckはZや体ばかりでなく、一般の環に対しても幾何学を構築することを考えました。それをスキームという視点で書き直そうとしたのです。
スキームは可換環を幾何学的にとらえようという考え方です。そしてそれら異世界を自由に横断できる仕組みがあれば、それをまさに枠組み(スキーム)と呼ぶことにします。
まず代数方程式があれば、局所的にはアフィン空間、大域的には射影空間(アフィン空間を包むような空間)に置くのが普通です。
射影空間の中でコンパクト化が可能で、代数方程式を局所的には可換環論、大域的には後でいうようにコホモロジーに帰着させます。
代数方程式があればそれに伴う座標環が定義できます。これは可換環であって、代数方程式の情報を含んでいます。
それではこの座標環を調べよう。いやそればかりでなく、一般に可換環を調べることができれば、このような代数方程式ばかりではなく、いろんな環を一括して扱うことができます。
可換環を見るという視点によって統一的に見ることが可能ではないか。
そして可換環は幾何学的に見ることでより深く知ることができるのです。このことが代数幾何と可換環論が両足となって一歩一歩進化してきた歴史でもあります。
たとえば代数体の整数環・代数曲線・コンパクトリーマン面はどれも1次元正則スキームというものの例になります。(ここで「次元」は幾何学から来た単語。)
これは幾何学的に見た例です。スキームという見方によって、これら違うものが一つに統一されたのです。歴史的には代数体と関数体との類似をたどって生まれてきたので、必ず代数体を見ながらそれが関数体側ではどう対応しているかを念頭に置いて学んでいくとよいと思います。
(『数論Ⅰ』Fermatの夢と類体論・「局所と大域」。 たとえばイデアル類群とヤコビ多様体。)
以下省略。(本文を読んでください)
370:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 20:
371:52:42.05 ID:tAJoLOyr.net
372:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 21:45:01.30 tAJoLOyr.net
ライター:sedrft1さん、こんなのもある。いいね
URLリンク(note.chiebukuro.yahoo.co.jp)
ホモロジー? コホモロジー? (空間と関数との関連性)
ライター:sedrft1さん(最終更新日時:2014/9/24)投稿日:2012/1/21
URLリンク(note.chiebukuro.yahoo.co.jp)
いろんなガロア理論☆ガロア圏☆
ライター:sedrft1さん(最終更新日時:2013/7/20)投稿日:2012/1/17
373:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 21:48:50.24 tAJoLOyr.net
さわりをご紹介
URLリンク(note.chiebukuro.yahoo.co.jp)
ホモロジー? コホモロジー? (空間と関数との関連性)
ライター:sedrft1さん(最終更新日時:2014/9/24)投稿日:2012/1/21
私が大学の数学科に入って面食らったのが、このホモロジー、コホモロジーというものです。
なにしろ抽象的で難しい…。何を言っているのかさっぱり分からない…。
とにかく、平凡な頭の私にはさっぱりの内容でした。
私は代数的位相幾何を専門的に勉強してきたわけではないし、もちろん今でもよく分からないのですが、とりあえず出来る範囲で説明したいと思います。
(参考文献:『コホモロジー』安藤・他(著)、日本評論社)
よくホモロジーの習い始めで最初に出てくるのは単体分割のホモロジーです。
直観的にはこれがもっとも分かりやすい、教育的なものではないかと思います。
すなわち、与えられた空間を単体分割(線分や三角形など)という、もっともわかりやすい基本的な要素に分解し、そこに加群をうまく入れて代数的に計算できるようにして、ホモロジーという空間の位相的性質をもつ群を定義するというものです。
特異ホモロジーでは特異単体というものを使って、CW複体においては開球体を使ってホモロジーを構成します。
大雑把にいえばホモロジーとは、空間の中にあるサイクルという各次元の「穴」たちの数を代数的に調べようということです。(森田茂之・著『微分形式の幾何学』岩波書店 p. 101)
つづく
374:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 21:50:10.33 tAJoLOyr.net
>>321 つづき
では次にコホモロジーとは何か。
線形代数でもやりましたが、ベクトル空間があれば双対空間というのがあります。
双対空間というのはベクトル空間上の線形写像からなる空間で、ちょうどベクトル空間の関数たちの集まりのような形になっています。
さて、幾何学においては与えられた空間に対し関数を考えることでその空間について調べようという考え方があります。
もし関数を調べることで空間の全体の情報を読み取ることができるなら双対性と呼ばれ(*)、空間を「鏡」に映して関数という形にすれば、空間についてわかるということになります。
逆にいうと空間が姿を変えたものが関数であり、あるいは空間の各点に数を与えて空間を「数化」したものが関数とも言えます(◇)。実際今の幾何学の多くは与えられた空間の上に適切な関数を作ってそれを調べることに力を注いでいます(◆)。
(どのような関数が適当といえるかについて 『シンプレクティック幾何』 深谷、p .15。空間の情報を反映するような関数が、適切な関数であると考えます。)
このように、空間や何らかの数学的な対象があれば、必ずその関数をセットで考えることで数学は発展してきたのです。
そして適当な関数全体(層)で可換化され代数となり、空間が代数によって計算可能となるのです。(多様体の線形化・可換化。これが後にモチーフという思想の原点になる。 『コホモロジー』p.140)
以下省略。(本文を読んでください)
375:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 21:58:38.45 tAJoLOyr.net
さわりをご紹介
URLリンク(note.chiebukuro.yahoo.co.jp)
いろんなガロア理論☆ガロア圏☆
抜粋
ガロア拡大(正規・分離拡大)である体の拡大L⊃Kが与えられると、ガロア群と呼ばれる群Gal(L/K)が決まるというのがガロア理論です。
「方程式の解の背後にある群を調べよ」という思想は、単純に代数方程式論や代数学といった枠を超え、幾何学など多くの分野に強い影響を与えることになります。
ガロア理論の位相空間版が被覆空間論です。
のときやはり被覆変換群という「被覆空間のガロア群」が定義されます。位相空間によい連結性があれば、これは基本群と同型になります。
つまりここでは「ガロア群=基本群」。
このように体の拡大に対し群ができるように、空間の「拡大」に対し群を作ることを意識します。
ではこれらを参考にして体上のスキームを考えてみましょう。ちょうど上の2つをミックスさせたような形になっています。
体k’をkの有限次分離拡大とすると、Spec k’→Spec kはエタールとよばれる、上での局所同相に当たるものになります。
体の拡大k’/kを被覆空間的に見るとこういった感じになります。ここでも同じように基本群にあたるものが定義できます。
ガロアが考えた代数の理論をGrothendieckが幾何学的に見直したんですね。
体ばかりではなく、一般のスキームにおいては局所同型性はエタール(不分岐性と平坦性)をもって定義します。
体ばかりでなく、こういった様々な数学の圏にガロア理論が構成できます。それらをまとめてガロア圏と言います。
また、基本群と同様にコホモロジーも重要です。ガロア群に対して定義される体k のガロアコホモロジーと、Spec k 上(エタールな位相に対し定義される)エタールコホモロジーは一致します。
これもガロア理論とエタール(局所同相)位相のつながりを示すものになっていて、ガロアコホモロジーという代数的なコホモロジーをGrothendieckが幾何学的に見直したとも言えるかもしれません。
Zariski位相をエタールという局所同相にまで引き延ばし拡大して位相を拡張すると、(上でも言ったように)ガロア群が付随するような情報をもった空間となります。
いずれにしろ、こうしてガロア理論はスキーム理論を裏方で支えているのです。
376:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 22:05:14.63 tAJoLOyr.net
>>322 追加
(*)不分岐についてちょっと説明してみたいと思います。
O_KというDedekind環があって、その分数体がK 、Kの有限次分離拡大をL、
O_Kの整閉包がO_Lとなっているとします。(このときO_LもDedekind環になる)
O_Kの素イデアルpが上のO_Lに行ったとき、素イデアル分解されるわけですが、pが不分岐であるとは各イデアルの指数が全部1であることです。
これをもしスキーム論的に見るなら、pが不分岐かどうかということは、O_Kをスキーム
Spec O_Kとみれば、O_K→O_Lに対する射Spec O_L→Spec O_Kがあって、p?Spec O_KはO_Lの中でどうなるかを観察する必要があるということです。
(スキームにおいては素イデアル p が点。このように数論も代数幾何も素数や素イデアルが常に中心的役割を担い大事なわけですが、代数幾何のスキーム理論は素イデアルを空間とした幾何学を直接作ろうというものです。)
pを分解して、全部指数1ならpは不分岐です。
これも代数的整数論を幾何学的・スキーム論的に見直した形になっています。
より一般の場合も同じです。リーマン面や被覆空間の不分岐性も並べて考えてみると幾何学的イメージがつくかもしれません。不分岐であるところでは普通の被覆になっています。
Dedekind環�
377:フスペクトルは滑らかな曲線としてイメージでき、直感的なイメージが可能です。(ノイキルヒ著、『代数的整数論』シュプリンガー p.96) このとき分岐とはちょうど枝分かれする点になっているわけです。 (あるいは点が重なっているとか、つぶれちゃってると言ってもいいかも知れないけど。) これがそもそも本来の分岐の定義です。スキームにおいて分岐する点を調べることは比較的最近始まったことですが、重要なテーマとなっています。 (分岐・不分岐性はそのままガロア表現にも応用されるが、フェルマーの最終定理の証明に現れる保型性持ち上げの証明においても、ガロア表現がある素数pで分岐するかどうかはいつも非常にデリケートにチェックされている。)
378:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 22:24:39.88 tAJoLOyr.net
スキーム
URLリンク(ja.wikipedia.org)
概型
数学における概型あるいはスキーム (英: scheme) とは、可換環に対して双対的に構成される局所環付き空間である。
二十世紀半ばにアレクサンドル・グロタンディークによって導入され、以降の代数幾何学において任意標数の代数多様体を包摂し、係数の拡大や図形の「連続的」な変形を統一的に取り扱えるような図形の概念として取り扱われている。
さらに、今まで純代数的な対象として研究されてきた環についてもそのアフィンスキームを考えることである種の幾何的対象として、多様体との類推にもとづく研究手法を持ち込むことが可能になる。このため特に数論の分野ではスキームが強力な枠組みとして定着している。
スキームを通じて圏論的に定義される様々な概念は大きな威力を発揮するが、その一方で、古典的な代数幾何においては点とみなされなかった既約部分多様体のようなものまでがスペクトルの「点」になってしまう。
このためヴェイユ・ザリスキ流の代数幾何学(これ自体大幅な形式化によって前の世代の牧歌的なイタリア流代数幾何に引導を渡すものだったのだが)を習得して研究していた同時代の学者たちからは戸惑いのこもった反発を受けた。
目次
1 定義
1.1 環のスペクトル
1.2 アフィンスキーム
1.3 スキーム
2 スキームについての諸概念
3 古典的な代数幾何学との対応
4 歴史と動機
5 代数幾何学の対象の現代的定義
6 スキームのカテゴリ
7 OX 加群
8 一般化
9 関連項目
10 参考文献
379:132人目の素数さん
15/07/25 22:34:43.96 eepLoFKB.net
エタールとの用語が指し示す意味内容・対象・事物・概念に対して、
他の用語ではなくて特にエタールの用語と指定・対応・選択された
理由・経緯は存在しますか、仮に、その理由・経緯が存在する場合、
その理由・経緯をわたしに教えてください。
エタールとの用語について既に書いた質問を例えばスキーム、トポス
及びモチーフの各用語についても質問した場合、その質問には一定の
解答があるのでしょうか。
380:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 23:27:16.85 tAJoLOyr.net
>>326
どうも。スレ主です。
質問の意味が正確に取れない。というか、日本語が奇妙に見える。なにか、翻訳調というか。そもそも、自分で調べろよと。自分で調べて、ここまで分かったがさらにここが疑問とか。でないと、君のレベルがわからん
が、そう切ってしまうのは簡単だ
知っている範囲で堪えてみよう
1.エタール:
URLリンク(ja.wikipedia.org)
エタール・コホモロジー(etale cohomology)
etaleは、仏語だからエタールだ。広げるという意味がある URLリンク(ja.glosbe.com)
グロタン先生が、「広げる」ということを意識して名付けたと思う
2.スキーム:これは>>325にあるように日本語で概型と訳されている通りの意味。英語ではschemeで、仏語とほぼ同じだろう(Schema (geometrie algebrique))
3.トポス:元来は,場所を意味するギリシア語。
単に物理学的な空間を意味するだけでなく,アリストテレス以来,修辞論上の場所,すなわち何かを論じる際の基本的論述形式,あるいは論題を蓄えている場所をもいう。 URLリンク(kotobank.jp)
wikipedia もほぼ同じ URLリンク(ja.wikipedia.org)
トポス (数学)
URLリンク(ja.wikipedia.org)
数学におけるトポス(topos)とは、位相空間上の層のなす圏を一般化した概念である。
アレクサンドル・グロタンディークによるヴェイユ予想解決に向けた代数幾何学の変革の中で、数論的な図形(スキーム)の上で有意義なホモトピー・コホモロジー的量が定義できる細かい「位相」を考えるために導入された。
その後数理論理学者たちによる更なる公理化を経て、集合論のモデルを与える枠組みとしても認識されるようになった。
つづく
381:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 23:36:46.70 tAJoLOyr.net
>>327 つづき 訂正 堪えてみよう→答えてみよう
4.モチーフ:これも日本語化している外国語だろう
芸術用語。芸術作品を構成するうえでの基本的な単位ないし作因をさす。
主題 subject,テーマとあまり区別なく用いられることもあるが,
主題が作品全体を貫き,統一する多かれ少なかれ文学的,物語的性格をもち,またテーマがこうした主題をどのように扱い,表現するかという作者の態度,方法とかかわり合っているのに対し,
モチーフは作品を形成する個々の単位をさすことが多い。ブリタニカ国際大百科事典 URLリンク(kotobank.jp)
wikipedia URLリンク(ja.wikipedia.org) motif - 動機、理由、主題という意味のフランス語の単語。
URLリンク(ja.wikipedia.org)
代数幾何学では、モチーフ(motive、ときにはフランス語の使いかたに従い motif とすることもある)は、「代数多様体の本質的な部分を表す。今日まで、ピュアモチーフは定義されているが、一方、予想されている混合モチーフは定義されていない。
ピュアモチーフは、三つ組 (X, p, m) で、この X は滑らかな射影多様体、p : X ? X はべき等な(idempotent)対応、m は整数である。(X, p, m) から (Y, q, n) への射(morphism)は、次数 n - m の対応により与えられる。
アレクサンドル・グロタンディークに従い、混合モチーフに限っては、数学者たちが「普遍的」なコホモロジー論をもたらす適切な定義を求めている。
圏論の言葉では、普遍的なコホモロジーは代数的代数的対応の圏でべき等分解(英語版)(splitting idempotents)を通した定義を意図していた。しかし、数十年間、標準予想を証明することに失敗して、これを定義することができなかった。
現在示されているように、このことは「充分な」多くの射を持つことができない。
一方、モチーフの圏は、1960年代から1970年代にかけて、多く議論された普遍ヴェイユコホモロジーであることが想定されたが、この期待は完全に証明されてはいない。
他方、現在は、全く異なる方法より、モチーフコホモロジー(英語版)(motivic cohomology)が、現在、テクニカルな定義が数多くある。
以上
382:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 23:43:51.20 tAJoLOyr.net
>>328
>圏論の言葉では、普遍的なコホモロジーは代数的代数的対応の圏で
「代数的代数的」はおかしいね
383:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/25 23:50:02.38 tAJoLOyr.net
>>329
>他方、現在は、全く異なる方法より、モチーフコホモロジー(英語版)(motivic cohomology)が、現在、テクニカルな定義が数多くある。
ここは、訳がこなれていないね
原文
On the other ha
384:nd, by a quite different route, motivic cohomology now has a technically adequate definition. https://en.wikipedia.org/wiki/Motive_%28algebraic_geometry%29 a technically adequate definition を誤訳しているね
385:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 00:01:39.54 yHhmJJ+L.net
>>325 ここに戻る
URLリンク(ja.wikipedia.org)
歴史と動機 抜粋
1920年代のエミー・ネーターは最初にこの概念を評価する方法を示唆した。
多様体の座標環から始めて(多様体上に定義された全ての多項式函数の環)、座標環の極大イデアルが、(適当な条件下で)多様体の点の座標に対応することとなり、非極大な素イデアルは様々な部分多様体の生成点に対応することとなることになる。
従って、全ての素イデアルを取ることにより、通常の点と生成点の全体を得る。ネターはこのアプローチをこれ以上追及しなかった。
1930年代、ヴォルフガング・クルルは見方を変えるような根底的な考え方を提出した。
任意の可換環から始め、素イデアルの集合を考え、ザリスキー位相導入することで素イデアルの集合を位相空間とし、これらの一般的な対象の代数幾何学を研究した。この一般性を持つ点が見いせないとして、クルルは研究を打ち切ってしまった。
アンドレ・ヴェイユは、有限体上やそのほかの環上の代数幾何学に特に興味を持った。1940年代に彼は素イデアルによるアプローチへ戻り、基礎的な理由により彼の必要としたものは(射影空間以外の)抽象多様体であり、特にヤコビ多様体の代数的設定での存在であった。
ヴェイユの主要な基本的な書籍(1946)では、生成点は普遍領域(universal domain)と呼ばれる非常に大きな代数的閉体の中に点を取ることで構成された。
1944年、オスカー・ザリスキーは、双有理幾何学の必要のために、抽象的ザリスキー・リーマン空間(英語版)(Zariski?Riemann space)を代数多様体の函数体から定義した。
この定義は、(ブローアップの下での)通常の多様体の帰納極限のように、構成はロケール理論(英語版)(locale theory)の類似で、点としては付値環を使った。
1950年代に、ジャン=ピエール・セール、クロード・シュヴァレーや永田雅宜は、数論と代数幾何学に関連するヴェイユ予想に大きく動機付けられ、同じように点としての素イデアルをいうアプローチを追及した。
ピエール・カルティエに従うと、用語であるスキーム(scheme)は、シュヴァレーの1958年のセミナーで最初に使われ、そこでシュヴァレーはザリスキーのアイデアを追及し、アンドレ・マルチヌー(英語版)がセールに当時の環のスペクトルへ移行しようと示唆した。
386:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 00:06:18.55 yHhmJJ+L.net
>>331 つづき
代数幾何学の対象の現代的定義
「環のスペクトル」も参照
アレクサンドル・グロタンディーク(Alexander Grothendieck)は、決定的な定義を提唱し、実験的示唆と部分的な発展の出発点をもたらした。
彼は可換環のスペクトルをザキルキー位相での素イデアルの空間として定義したが、スペクトルを環の層とともに議論している。全てのザリスキー開集合へ可換環を対応させ、その集合の上に定義された「多項式函数」の環を考えた。
これらの対象は「アフィンスキーム」であり、次に一般的なスキームはいくつかのアフィンスキームを互いに「はり合わせる」ことにより得られる。一般的な多様体はアフィン多様体を貼り合わせることにより得られるという事実の類似である。
スキームの概念の一般性は、最初は批判された。幾何学的な解釈を直接持たないので除かれたスキームもあり、これらがスキームの概念の把握を困難にしていた。
しかしながら、任意のスキームを持つことはスキームの圏全体をより良い振る舞いをもつようになる。さらに、例えばモジュライ空間のように、自然な見方、考え方が「非古典的」なスキームへと導いていった。
多様体ではないこれらスキーム(単純に多様体から構成することができないスキーム)の出現は、古典的なことばで提出可能であった問題に対しても、この問題の新しい基礎付けが緩やかに受け入れられていった。
�
387:sエール・ドリーニュ(Pierre Deligne)やデヴィッド・マンフォード(David Mumford)やミハイル・アルティン(英語版)(Michael Artin)による、 本来はモジュライ問題である代数的空間(英語版)(algebraic space)や代数的スタック(英語版)(algebraic stack)でのその後の仕事により、 さらに現代代数幾何学の幾何学的柔軟性を拡大していった。 グロタンディークは、スキームの一般化として、環付きトポスのあるタイプを提唱し、環付きトポスの次に彼が提唱した相対スキーム(英語版)(relative scheme)は、M.ハキム(M. Hakim)により開発された。 最近の高次代数スタック(英語版)(higher algebraic stack)やホモトピックな導来代数幾何学(英語版)(derived algebraic geometry)は、さらに幾何学的直感の到達範囲を拡大する必要があり、 ホモトピー理論に近い精神を代数幾何学へもたらす。
388:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 07:17:18.26 yHhmJJ+L.net
>>322 補足
>双対空間というのはベクトル空間上の線形写像からなる空間で、ちょうどベクトル空間の関数たちの集まりのような形になっています。
下記が分かり易い。(双対については、>>110微分 >>117-120 >>123テンソル などにもある)
URLリンク(www.f-denshi.com)
ときわ台学/線形代数/双対空間(双対ベクトル空間): 2 線形写像と双対空間 f-denshi.com 最終更新日: 07/10/09 (少しだけ説明を追加しました。)
抜粋
ベクトル空間V上の線形写像全体の集合はベクトル空間であり,これをVの双対ベクトル空間(または双対空間)V*といいます。
やや抽象的な概念ですが基礎物理学(量子力学,素粒子論)から工学的な応用(散乱現象,線形応答)まで線形代数の関わるあらゆる分野に登場する重要な概念です。
[5] これまででてきたことを一覧表にして比べます。(一覧表略。本文を見て下さい)
[6] この表からは注目に値する対称性が見てとれますね。この表を基にしてもう一度,写像:
φ(x )={χ1e^1+χ2e^2+・・・+χne^n }( x^1e1+x^2e2+・・・+x^nen )
= x^1χ1+x^2χ2+・・・+x^nχn
を, ”左側の{ }は関数,右側( )は変数” に由来するという先入観を捨て去って見てみると,
φ(x ) という関数記号の”読み方”として,
(A) χj を固定して,x^k を変数と見れば,
⇒ 写像φ,変数 x [φ: V→R]
(B) x^k を固定して,χj を変数と見れば,
⇒ 写像 x ,変数 φ [x : V*→R]
の2とおりに同等の権利を持たせてもかまわないように見えるでしょう。特に,(B)の見方をすれば,演算+,・のもとで,
「”写像 x ” は V*上の線形関数」
とみなすと主張することも可能です。
このような対称性を視覚的に強調するために,ベクトルの成分の添え字を x^n と上に書いたり,関数を展開するときの基底を e^j と書くような工夫が凝らされているのです。
なぜ,ベクトルやベクトル成分の添数字を上付きにするような記法が存在するのか分かっていただけたでしょうか?
おわり
389:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 07:30:27.32 yHhmJJ+L.net
>>333 補足
URLリンク(www.f-denshi.com)
ときわ台学/線形代数/双対空間(双対ベクトル空間): 2 線形写像と双対空間 f-denshi.com 最終更新日: 07/10/09 (少しだけ説明を追加しました。)
抜粋
(3) φj(x )=φj(x^1e1+x^2e2+・・・+x^ nen )
= x^1φj(e1 )+・・・+x^nφj(en )
= x ^j
等のように変更されます。特に,3番目の射影 φj の定義式はデルタ関数[#]を用いて,
φj(ek )=x ^jδj k
すなわち,
e ^j(ek )=δj k
とスマートに表現することができます。
(抜粋引用おわり)
δj k は、デルタ関数とは言わない。クロネッカーのδです。リンクの[#]にはきちんと書いてある。ときわ台学さんも分かっているんだが。初心者が恥じかかないようご注意まで
390:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 07:40:52.99 yHhmJJ+L.net
>>333
ときわ台学さん、いいね。感動ものです
391:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:01:26.20 yHhmJJ+L.net
>>332 モジュライ空間
URLリンク(ja.wikipedia.org)
代数幾何学では、モジュライ空間(moduli space)とは(普通、スキーム、もしくは代数的スタック(英語版)(algebraic stack))空間の点が、決められた種類の代数幾何学的な対象を表す点となっている、
もしくは、そのような対象と同型類(英語版)(isomorphism class)を表現している点からなる幾何学的な空間のことを言う。
そのような空間はしばしば分類問題の解として現れる。注目している対象の集まり(例えば、決められた種数を持つ滑らかな代数曲線のような)へ幾何学的空間の構造を与えることができると、出来上がる空間に座標を導入することで対象をパラメータ化することができる。
この脈絡では、「モジュラス」という用語は「パラメータ」と同じような意味に使われる。モジュライ空間は、初期には、対象の空間というよりはパラメータの空間として理解されていた。
目次
1 動機
2 基本的な例
2.1 射影空間とグラスマン多様体
2.2 周多様体
2.3 ヒルベルトスキーム
3 定義
3.1 詳細モジュライ空間
3.2 荒いモジュライ空間
3.3 モジュライスタック
4 さらなる例
4.1 曲線のモジュライ
4.2 多様体のモジュライ
4.3 ベクトルバンドルのモジュライ
5 モジュライ空間を構成する方法
6 物理学では
7 脚注
8 参考文献
9 外部リンク
つづく
392:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:03:55.29 yHhmJJ+L.net
>>336 つづき
動機
モジュライ空間は、幾何学的分類の結果を対象とする。つまり、モジュライ空間の点は、幾何学問題の解に対応する。
ここで別な解もあった場合は、この解が同型であるならば(幾何学的に同一ならば)、モジュライ空間の点としては同一の点となる。
モジュライ空間は問題のパラメータの普遍空間を与えるものと考えられる。
たとえば、合同を同一視してユークリッド平面のすべての円を求める問題を考えると、任意の円は一意に 3つの点を与えると一意に決定することができるので、対応は、3 対 1 である。
しかし、円は中心と半径で一意にパラメトライズできるので、2つの実パラメータと1つの正の実数のパラメータである。
ここでは「合同での同一視」にのみ注目しているので、同じ半径を持つ異なる中心をもつ円は同一視するので、半径だけで興味の対象をパラメトライズするに充分である。
従って、モジュライ空間は、正の実数の集合である。
モジュライ空間は、自然な幾何学的トポロジー的性質を持つ場合が多い。
円の例では、モジュライ空間は抽象的な集合ではないが、異なる半径の絶対値が、2つの円が「近さ」を決める計量となる。
モジュライ空間の幾何学的構造は、2つの幾何学的分類問題の解が近いか否かという局所的な構造を持っている一方で、込み入った大域的な構造も持っている。
(動機以下略)
つづく
393:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:06:11.70 yHhmJJ+L.net
>>337 つづき
物理学では
詳細は「モジュライ (物理学)(英語版)」を参照
モジュライ空間という用語は、時々物理学でも使われ、スカラー場の真空期待値のモジュライ空間を特別に意味したり、可能な弦の背景(英語版)(string background)のモジュライ空間を意味したりする。
モジュライ空間は、物理ではコホモロジカルな場の理論の中にも現れ、そこではファインマン経路積分を使い様々な代数的なモジュライ空間の交点数を計算する。
引用おわり
394:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:10:33.39 yHhmJJ+L.net
>>338
モジュライ (物理学)(英語版)
URLリンク(en.wikipedia.org)
395:%29 Moduli (physics) From Wikipedia, the free encyclopedia In quantum field theory, the term moduli (or more properly moduli fields) is sometimes used to refer to scalar fields whose potential energy function has continuous families of global minima. Such potential functions frequently occur in supersymmetric systems. The term "modulus" is borrowed from mathematics, where it is used synonymously with "parameter". The word moduli (moduln in German) first appeared in 1857 in Bernhard Riemann's celebrated paper "Theorie der Abel'schen Functionen"[1] Contents 1 Moduli spaces in quantum field theories 2 Moduli spaces of supersymmetric gauge theories 2.1 Allowed moduli spaces of 4-dimensional theories 3 References
396:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:14:34.72 yHhmJJ+L.net
>>339 補足
The term "modulus" is borrowed from mathematics, where it is used synonymously with "parameter".
意訳
用語"modulus"は、数学から借りたもので、「パラメータ」と同義的に使用される。
リーマンの論文が初出とありますね
397:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:23:14.90 yHhmJJ+L.net
>>339 補足
minimaは、minimumの複数形だね
この形で良く知られているのが、、data datumの複数形だね
なお、maxima maximum の複数形
398:132人目の素数さん
15/07/26 08:28:29.69 zK+eOO2b.net
どうしてもイデアルとか余剰環とかがわからないです
わかりやすく教えてください
399:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:31:42.12 yHhmJJ+L.net
>>336 戻る
モジュライ空間を構成する方法URLリンク(ja.wikipedia.org)
モジュライ函手(あるいは、もっと一般的にはグルーポイド(英語版)(groupoid)の中のファイバー化されたカテゴリ(英語版)(fibred category))のことばで、
モジュライ問題の現代的な定式化とモジュライ空間の定義を行うことは、グロタンディェック(Grothendieck)(1960/61)にまで遡る。
その中で彼は、例として複素解析幾何学の中でタイヒミューラー空間(英語版)(Teichmuller space)を使い、一般的なフレームワークやアプローチや主要な問題を記述した。
特に、話の中では、まず第一にモジュライ問題を剛性化することで、モジュライ空間を構成する一般的方法を述べた。
さらに詳しくは、モジュライ空間を分類する非自明な対象の自己同型の存在が、詳細モジュライ空間を持つことを不可能とする。
しかし、もともとのデータに情報を付加し、付加した情報を髪して自己同型のみで同一視する方法をとって分類するという変形されたモジュライ問題を考えることがよくある。
剛性化された情報をうまく選択すると、変形したモジュライ問題は、(詳細)モジュライ空間 T をもつことがあり、適当なヒルベルトスキーム(Hilbert scheme)やクオットスキーム(英語版)(Quot scheme)の部分スキームとして記述されることがよくある。
剛性化している情報をさらに選ぶと、代数的構造群 G を持つ主バンドルと対応する。
このように、剛性化された問題から元来の問題へ、G の作用による商をとることにより戻ることができ、モジュライ空間を構成する問題が (ある強い条件を課した上で)G の作用での T の商 T/G であるようなスキーム(もしくはより一般的には空間)を見つける問題となる。
一般に最後の問題は解をもたないが、しかし、1965年にダヴィッド・マンフォード(David Mumford)により1965年に開発された画期的な幾何学的不変式論で指摘され、適当な条件の下で、実際、そのような商が存在することが示された。
続く
400:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:34:07.51 yHhmJJ+L.net
>>342
どうも。スレ主です。
良い質問ですね
実は、私も分かっていない
なので、どこまで分かったのか、今の理解状況を書いてくれ。
401:一緒に勉強しよう!(^^
402:132人目の素数さん
15/07/26 08:39:13.03 zK+eOO2b.net
>>344
いや、煽りじゃなくて本気でわからないんです
403:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:41:51.03 yHhmJJ+L.net
>>343
>しかし、もともとのデータに情報を付加し、付加した情報を髪して
ここは誤変換だ。神だな(^^
つづき
これがどのようにして達成されたかを見るため、種数が g > 2 の滑らかな曲線をパラメトライズする問題を考える。
次数 d > 2g である完備一次系(英語版)(complete linear system)[1]は、射影空間 Pd?g の 1次元部分スキームに同値である。
結局、(ある条件を満たす)滑らかな曲線と一次系は、十分に高い次元の射影空間のヒルベルトスキームに埋め込めるであろうから、このヒルベルトスキームの中の軌跡 H は一次系の要素を変換する PGL(n) の作用をもつ。
滑らかな曲線のモジュライ空間は、従って、射影空間の一次系の群による H の商として再現される。
つづく
404:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:43:44.13 yHhmJJ+L.net
>>345
だから、どこまで分かったのかと
たしか、イデアルは環の概念だったはず。環論はどこまでやった?
405:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 08:46:18.42 yHhmJJ+L.net
>>343 つづき
別の一般的なアプローチとしては、最初に、ミカエル・アルティン(英語版)(Michael Artin)によるものがある。彼のアイデアは、分類された種類の対象から始め、それの変形理論(英語版)(deformation theory)を研究する。
このことは、最初無限小(infinitesimal)を構成し、それから予備表現可能定理(prorepresentability theorem)を示し、これらを形式スキーム(英語版)(formal scheme)の基底の上の対象へ写像する。
次にアレクサンドル・グロタンディーク(Alexandre Grothendieck)のグロタンディークの存在定理(英語版)が完備局所環である基底の上の求めていた対象をもたらす。
この対象は、アルティンの近似定理(英語版)(Artin's approximation theorem)を通し、有限生成環上の対象により近似できる。この後者の環のスペクトルは、求めているモジュライ空間のある種の座標チャートとみなすことができる。
これらのチャートを互いに貼り合わせて、空間を覆うことができるが、スペクトルの合併からモジュライ空間への写像は、一般には、多 対 1 の写像となる。従って、前者の上に同値関係を定義する。本質的にはもし両者が互いに同型な対象であれば 2点は同値である。
これがスキームと同値関係をもたらし、いつもスキームとなるとは限らないが、代数的空間(英語版)(実際は、注意深くすると、代数的スタック(英語版))を与える。
モジュライ空間を構成する方法おわり
406:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 10:02:39.98 yHhmJJ+L.net
>>347 環論をやってないんじゃ、イデアルの抽象的な定義を読んでもわからんぞ
407:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 10:10:09.16 yHhmJJ+L.net
忙しいので、書くよ
イデアルは、重要な概念らしい。抽象代数学(古いね言い方が・・)の代表格だ
数学で、わからんときの定石
1.具体例を考えてみる(これができる人はレベルが高い。おそらくすぐ分かる場合が多い)
2.ネット検索してみる(概念的な説明をさがす。あるいは、自分のレベルにあった説明をさがす)
3.歴史を知る。なぜそういう概念が必要になったのかなどを知る(これは結構「納得性」に有効。記憶にも残る)
408:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 10:16:12.37 yHhmJJ+L.net
ID:zK+eOO2b くんは、おそらく書く気が無いか、書けないか
1は無理なんだろう。で2へ
URLリンク(detail.chiebukuro.yahoo.co.jp)
2010/4/417:43:43 イデアルとはなんですか?
wikiがややこしすぎるので感覚だけつかめるような説明をお願いします。
ベストアンサーに選ばれた回答 sedrft1さん 2010/4/418:21:43
URLリンク(detail.chiebukuro.yahoo.co.jp)
URLリンク(detail.chiebukuro.yahoo.co.jp)
群で正規部分群って習いませんでした?
正規部分群があれば、もとの群をその正規部分群で割ることができ、剰余群を作ることができました。
これと同じように、環にイデアルが存在すれば、それで割って剰余環を作ることができます。環の割り算ですね。
ベストアンサー以外の回答 javac_a_javaさん 2010/4/418:12:59
いろいろな見方があります。
たとえば環を体の一般化と捉えたときがもっとも簡単でしょう。
体上のベクトル空間を考えるとき、その部分空間はとても大切な概念でした。
環上のベクトル空間のことを加群といいますが、環自信を加群と見ることができます。
このときの部分加群のことをイデアルというわけです。
(引用おわり)
409:132人目の素数さん
15/07/26 10:20:59.56 sT4rNuo9.net
__ i`:. __ ウィエッホッホッホッホwwwwww
(__.`ー-::... ,rt': : :\ ,::-'",...) ッホッホッホッホッホホーホwwww
,..::ア - ::::::)-:'':':'(|i(゚):(゚)テ):-:-:-::、イ::: `┬-っ オホーホwww
(,.::'",::' / ,....: : : : r'" ・・' く/i!: : : : :!、,:::::,<` `ニつ オーホホホホホーwwwww
`-(_λ_/: : : : : ( トェェェイ )/: : : : : : : : : ;,.,`::`つ イェッホーwwwww
`-;;;;;;;:/i\二二_/" : /\;,;,;,;,;/ `'" ウッホホwwww
\:.:.:.:/ `i , :く. アオーwwwwwww
`i: :i : : !": : : ) ウッヒャッホーオwwwwwww
r: :i DK:!-┬" ウッホッホッホッホwww
r--`:、 /000 ウッホッホwww
000O" ウーホホホホホーwwwwww
410:132人目の素数さん
15/07/26 11:17:54.30 tiFlv/En.net
>>327-328
わたしの質問に対して丁寧な返答をわたしに与えたあなたにわたしの感謝をわたしはここに示します。
411:132人目の素数さん
15/07/26 11:20:15.42 bS1DnfWo.net
どこかで見たような芸風
412:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 11:50:55.01 yHhmJJ+L.net
>>353
どうも。スレ主です。
ID:zK+eOO2b くんじゃないね? あるいはIDが変わったが同一人物? どうも前者だと
まだ、回答は終わっていない
というか、これで分かるレベルじゃないと思ったが・・
>>351 つづき
ひどい回答だね。まあ、2件しかないから、どちらかをベストアンサーにしのかね?
まあ、2を続けよう
URLリンク(d.hatena.ne.jp)
hiroyukikojimaの日記 2013-02-17 整数からイデアルへ
今年関わる予定の純粋数学の本(単著も共著もある)の何冊かでは、基本的に「数学をその思想面から見る」というテーマがある。
19世紀頃を境に数学は大きく変容したと考えられる。それは単純に「抽象化」と呼んでもいいけど、もっと真相を込めていうなら「その数学的素材に内在している本性をより引き出しやすい表現形式が掘り出されるようになった」ということなんだと思う。
数学的素材、例えば、数とか図形とかは、当初は人間の生活面から表出してくる。数は、モノを分けたり記録したりすることから、図形は土地や建物の計量から生じたと考えられる。
でも、それらを純粋に研究の対象としてみると、それらの出自とは遠く離れ、出自とは似ても似つかないある種の「本性」を備えていることが見えてくる。それは「何かが宿っている」と言っていいような本性なのである。
数学者たちは、そのような数学的素材に「宿る」本性を素直に引き出し、その本性が「こう操作してほしい」とささやく形式を生み出すようになった、と考えられるのだ。
「イデアル」が、そのような「本性」の1つだと言っていい。
つづく
413:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 12:16:15.36 yHhmJJ+L.net
>>355 訂正 どちらかをベストアンサーにしのかね?→どちらかをベストアンサーにしたのかね? つづき イデアルは、19世紀の数学者クンマーがフェルマーの最終定理を証明しようとする試みの中で考え出した素材だが、最初は形式的でわけのわからない存在だったようだ。それに具体的な(とは言っても抽象的ではあるが)目鼻を与えたのが、やはり19世紀のデデキントだった。 イデアルは、簡単にいうと「倍数」という概念を抽象化した素材のことだ。例えば、整数の集合Zにおいて、「Zの部分集合Iがイデアルであること」は次のように定義される。 (イデアルの定義):(i)xとyがIに属するなら、x+yもx-yもIに属する。(ii)xがIに属するなら、Zに属する任意のmに対してmxはIに属する。 要するに、「和と差と倍数に閉じている集合」がイデアル、ということである。 整数の集合Zにおいては、イデアルというのは、単に「何かの倍数の全体」と一致してしまう。つまり、任意の整数mに対して「mの倍数の集合」がイデアルとなり、他にはないのだ。このとき「mの倍数の集合」は(m)とカッコをつけた記号で記されるのが一般的である。 2の倍数から成るイデアルは(2)、3の倍数から成るイデアルは(3)、4の倍数から成るイデアルは(4)、と言った具合である。特に、イデアル(0)は0だけから成る集合{0}で、イデアル(1)は整数全体Zで、これらは特別なイデアルである。 なぜ、(n)というタイプのイデアルしかないか、というと理由は簡単。例えば、(0)でないイデアルIがあったとして、それが含んでいる最小の正の整数をnとすると、(ii)からIはnの倍数をすべて含んでいる。nの倍数以外の整数xを含むなら矛盾が起きることを説明しよう。 いま、xを越えない最大のnの倍数yもIに含まれ、(i)からx-yもIに含まれなければならない。しかし、x-yはnより小さい正の整数(具体的にはxをnで割った余り)となってしまうのでnの最小性に反してしまうのである。 イデアルの中で、とりわけ重要になるのは、「素数の倍数から成るイデアル」だ。素数をpとし、その倍数から成るイデアルI=(p)は、次の性質を備えている。 (性質1) 整数の積xyがイデアルIに含まれるなら、xかyの少なくとも一方はIに含まれる。 (性質2)イデアルIを包含するI以外のイデアルJ(I⊆JかつI≠Jということ)は整数全体Z(=(1))のみである。 つづく
415:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 12:19:49.20 yHhmJJ+L.net
>>350 つづき
(性質1)は素因数分解が一通りしかないから、xyが素数pの倍数ならxかyはpの倍数であることからわかる。(性質2)は、素数pの約数が±1か±pしかないことから、Iを包含するJはpを何かの倍数として含んでいるはずなので、(p)か(1)(=Z)しかないことからわかる。
(性質1)を持つイデアルは、「素イデアル」と呼ばれる。他方、(性質2)を持つイデアルは「極大イデアル」と呼ばれる。
整数の集合においてイデアルを考える場合は、素イデアルも極大イデアルも違いがない((0)という特別な素イデアルを除くなら、どちらも素数の倍数の集合)。
しかし、イデアルは、「足し算、引き算、掛け算という演算を持つ一般的な集合」、これは「環」と呼ばれるのだけれど、環一般で定義できるもので、他の環でイデアルを考えると「素イデアル」と「極大イデアル」には違いが出てくることになるのだ(後述)。
クンマーがイデアルを導入したのは、整数を複素数に拡張してフェルマー方程式(xのn乗+yのn乗=zのn乗)を通常よりも細かく因数分解したい、という動機からだった。
例えば、ガウスは(整数)+(整数)i(iは虚数単位√(-1)のこと) というタイプの数を「虚数世界の整数」と定義した(ガウス整数と呼ばれる)。
このようなガウス整数の世界では、整数と同じように約数倍数が定義でき、素数も定義できる。しかも、素因数分解が一通り、ということまで成り立ってしまうのだ。
うまいことにこのとき、4次のフェルマー方程式(xの4乗+yの4乗=zの4乗)は、(xの4乗)=(z-y)(z+y)(z-yi)(z+yi)とこなごなに因数分解され、これはガウス整数での掛け算の分解を意味している。
だから、ガウス整数における素因数分解の一意性を使うとxかyかは0でなければいけないことがそれほど大変じゃなく証明でき、フェルマーの最終定理の指数4の場合があっさり解決してしまうのであった。
つづく
416:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 12:25:20.81 yHhmJJ+L.net
>>357 訂正 350→356
つづき
当初は、この方法でフェルマーの最終定理のすべてのケースが解決すると思われてたんだけど、残念ながら、指数nによっては簡単にはいかないことが判明した。
それは、こういう「虚数世界に拡張した整数(1のべき乗根と有理数からなる体の整数環)」では、素因数分解の一意性が成り立たない場合がある、という恐ろしく直観に反するケースが出てきたからだったのだ。
そこで、クンマーは素因数分解の一意性を回復するために、もっと深い分解である「素イデアル分解」というのを編み出したのである。クンマーが導入した「形式的な数」にすぎないイデアルを、集合を使って具体物として成立させたのがデデキントの偉大なる貢献なのであった。
物語的に言うと、我々の日常の中に息吹く「整数」は、「虚数世界の中にもいるんだよ~」とささやきかけてくる。そのような整数の本性を捉えるには、素数ではなく「素イデアル」というものを考えるのが「自然な道筋」ということになるのだ。
つまり、素数という素材の本性はむしろイデアルという形式の中にある、ということだ。
このようにイデアルが数論の中で発展する一方で、代数幾何の中でもイデアルが重要な概念となることがみつかることとなった。これに気がついたのは、19世紀から20世紀にかけての数学者ヒルベルトだった。
当時、多変数の代数方程式たち(例えば、直線の方程式ax+by+c=0とか円の方程式(xの2乗)+(yの2乗)-c=0とか)の共通解の点集合の研究が進められていた。
つまり、高次の連立方程式の解集合が、空間の点集合としてどんな性質を持っているかを探し求めていたのである。例えば、n次方程式とm次方程式の共通解は一般にはmn個になる(ベズーの定理)など。
そこで、「連立方程式を考えるよりイデアルを考えたほうがより適切である」ということにヒルベルトが気付いたのだ。
つづく
417:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 12:27:31.29 yHhmJJ+L.net
>>358
つづき
例えば、f(x, y)=ax+by+cという多項式とg(x, y)=(xの2乗)+(yの2乗)-cという多項式を考えると、f(x, y)=0とg(x, y)=0という連立方程式の解は、(直線と円との交点だから)、
一般には2点{P, Q}となる。でも、f(x, y)とg(x, y)という二つの多項式のそれぞれの倍数の和で作られる多項式のイデアルI(つまり、fとgを含み、上記の(i)(ii)を満たす多項式の集合で最小のもの)を考えると、Iに含まれる多項式の共通の解も同じ{P, Q}となる。
なぜなら、多項式たちの共通の解というのは、和や差や倍数ではそのまま解であり続けるからだ。
ちなみに、高次多項式のイデアルは、整数のときとは異なり、「何かの倍数」だけには限られない。
例えば、1次式f(x, y)=x-1と1次式g(x, y)=y-2を含む最小のイデアルを考えると、それは(fの倍数)+(gの倍数)の集合となるのだけど、これはある多項式hの倍数の集合(h)という形式では書けないから。(だって、hは(x-1)と(y-2)の両方を割り切れなきゃならなくて、それは無理)。
実は、多項式たちのイデアルを考える利点はいくつもあるのだ。例えば、最初の利点として、次のことが挙げられる。
まず、高次の多項式の連立方程式の解の集合(何かのイデアルから定まる零点集合)をWとしよう。そして、逆に「Wの点すべてで零となる多項式の集合」を考える。
実は、この集合は上記の(i)(ii)を満たすから、イデアルを成す。このイデアルをI(W)と書くことにする。するとこのイデアルI(W)の共通の零点集合をとると、それはWに戻るのである。
つまり、零点の集合(空間内の図形)Wを定義する最も大きな連立方程式がイデアルI(W)なのである。これは、「飽和方程式系」と呼ばれるとのことである。
イデアルを考える次の利点は、上記で解説した「素イデアル」と「極大イデアル」がものをいうことにある。
つづく
418:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 12:29:31.54 yHhmJJ+L.net
>>359
つづき
まず、極大イデアルのほうの意味。これは、「Wが1点から成る集合であることと、I(W)が極大イデアルであることとが同値」ということに現れる。
つまり、1点を共通の解として持つイデアルのみが極大イデアルだ、いうことなのだ。これはあたりまえ
419:で、WがPとQという2点以上を含むとすれば、 Pだけを共通解とする多項式の集合としてのイデアルJは、明らかにWを共通解とする多項式の集合としてのイデアルI(W)を含んでいるから、I(W)は極大にはなれないからだ。 次に、素イデアルのほう。これは、「Wが図形として既約であることと、I(W)が素イデアルであることが同値」というふうに現れる。Wが既約というのは、Wがイデアルの共通解として定義される図形2つに分解されない、ということをいう。 別の言い方をすれば、WがW1とW2の合併で表されるならW1とW2は一方が他方を含む、ということ。既約じゃないものを可約と言って、可約な例を見るほうが話が早いかもしれない。 例えば、h(x, y)=xyという多項式とすると、h(x, y)=0の解は、xy=0だから、直線x=0と直線y=0を合併したものとなる。これは、多項式h1(x, y)=xの解と、多項式h2(x, y)=yの解をそれぞれ意味するから、h(x, y)=xyの解集合は2つの図形(直線x=0と直線y=0)に分解してしまう。 こういうのは可約であって、既約ではない、ということ。そして、「これ以上、図形が分解しない」ような解集合Wと「素イデアル」が対応する、ということになるのである。これは、まさに整数における素数に対応する性質と考えられるだろう。 ここまでくると、極大イデアルと素イデアルの違い(それは、整数のイデアルでは違いがなかった)がはっきりしてくる。極大イデアルは空間の1点1点に対応するもので、素イデアルは「これ以上、分解しない図形」に対応するもの、ということなのだ。 (1点も「これ以上分解しない図形」なので、当然、極大イデアルは素イデアルの一種となることもわかる)。 つづく
420:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 12:32:01.78 yHhmJJ+L.net
>>360
つづき
このように、高次多項式の連立方程式の解集合を空間内の図形として分析したい、という気持ちがある場合、それは連立方程式としてよりもイデアルとして扱うほうが自然で、「数学様が、そういうふうにイジッて欲しいようとほのめかしている」みたいだ、ということなのである。
こんなふうに言い表すと、「大げさだなあ」と言われてしまうかもしれないが、そうじゃない。グロタンディークという数学者は、この「数学様の欲求」に耳を貸してとんでもない着想を得たのだ。
それは、「極大イデアルが空間の1点と対応しているなら、逆に、極大イデアルの集まりが空間だと見なしてしまえる。だとしたら、一歩進めて、素イデアルの集まりを空間だと見なすこともできるのでないか」と。
そうして、素イデアルの集まりを「空間化」する方法に気がついた。これが、いわゆる「スキーム」というものなのだ。
スキームでは、例えば、素数の集合(=素イデアルの集合)を空間化してしまい、それはあたかも遠近感のある一本の曲線のようになっている、というわけなのだ。(というか、やっとそこまで勉強したところ。笑い。続きを勉強したらまた書くね)。
ブログにこんなに書いてしまって、本にしたとき買ってくれるのか、という心配もあるが、まあ、本にするときはもっと丁寧にわかりやすく説明する(式や図も入れる)から大丈夫だろう、と信じる。(書いてみたらめっちゃ長かった・・・ちかれた)。
まあ、こういう数学の解説が面白いと思うんだったら、以下の新書を読んでみてつかあさい。
数学入門 (ちくま新書)
作者: 小島寛之
出版社/メーカー: 筑摩書房
発売日: 2012/07
メディア: 新書
おわり
421:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 12:39:45.21 yHhmJJ+L.net
>>355-361
さすがの小島節だね
分かり易いし、訴えるものがある
ID:zK+eOO2b くんも、小島の数学入門 (ちくま新書)を買って読んでみなさい
大学の図書館にあれば、見てみなさい
422:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 12:50:57.22 yHhmJJ+L.net
>>362 追加
正確には、クンマーは理想数を考えたと言われる
URLリンク(ja.wikipedia.org)
歴史
クンマーは、x 2 + 1 の分解のためには -1 の平方根を含むより広い領域が必要となるように、R の元が上のように完全に分解されるより広い領域が存在すると考えた。
そしてこの A, B, C, D のような理想的な分解を与える因子を理想(複素)数 (ideale complexe Zahl )
423: あるいは理想因子 (ideal Primfactor ) と名付けて、理想数の理論を築いた。 クンマーの理想数の理論は非常に形式的で、とても難解なものであった。後になってデデキントは理想数の理論を整理することによってイデアルを考案した。 歴史的には、ヒルベルトの『数論報告』の中で、デデキントのイデアル概念が取り上げられたことから、イデアルという名称が採用されることになった。イデアル (Ideal) とは、明らかに理想数に由来する名前である。 理想数の理論の考え方は、現代ではイデアル論の他に p ?進体の理論にも継承されている。
424:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 14:12:40.67 yHhmJJ+L.net
>>362 補足
さすがの小島節、””2.ネット検索してみる(概念的な説明をさがす。あるいは、自分のレベルにあった説明をさがす)”と”3.歴史を知る。なぜそういう概念が必要になったのかなどを知る(これは結構「納得性」に有効。記憶にも残る)”を兼ねた形になっている
ただ、2が成り立つかどうかは、読み手のレベル次第
>>351は、あまり分かっていない人が書いたのだろう。理解が浅い
425:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 14:31:08.32 yHhmJJ+L.net
>>364 補足
>2が成り立つかどうかは、読み手のレベル次第
そこで
URLリンク(hooktail.sub.jp)
イデアルは部分環の一種ですが,とても重要な概念ですので,わざわざ記事を一つ設けました.
[*]イデアルとはなんとも奇妙な名前です.英語では ideal と書きますので,英語式に発音すれば"アイディール"となります.
日本語の用語はドイツ語の Ideal から入って来ていますので,「イデアル」と読むのです.ドイツ語の発音には旧制高校風の趣があり,私はなかなか好きです.
イデアルの定義
環 R の部分環 I が次の性質を満たすとき, I を イデアル と呼びます.
I ⊂ R
環 R の任意の元 x と, I の任意の元 a に対し xa ∈ I がなりたちます.
イデアルは既に部分環なので,加法に関しては環 R の部分群になっています.乗法の条件が,すこぶる変わっています.『環 R に属するどんな元を取って来ても,イデアルの元との積はイデアルに含まれてします』というのですね.
[†]積を取れば何でも自分の元になってしまう,という代数的性質を吸収律と呼びます.そのままの命名ですね.
例2
整数環 Z で,偶数全体からなる集合はイデアルです.偶数同士の和,偶数同士の積は偶数になり,偶数だけで部分環になります.さらに,偶数でも奇数でも,偶数を掛ければ偶数になりますから,イデアルの定義を満たしています.
一般に,整数環 Z で整数 m の倍数の全体 [m] はイデアルになります.
例3
R上の多項式環 R[x] で, x=1 を代入すると 0 になる多項式の全体 I={ f(x)|f(1)=0 \in R[x]} は,イデアルになります.確認してみて下さい.
数の概念を拡張して行けば,素数に相当する『これ以因数上分解できない数』に行き当たるだろうと考えたのです.クンマーはこれを理想数( ideal number )と名づけました.
クンマーの研究自体は当時の数論の延長といったものでしたが,デデキントがクンマーの理想数を抽象的概念にまで拡張しました.その時にイデアルという名前をそのまま継承したのが,この奇妙な名前の由来です.
この脚注で理想数の話題に深入りすることはできませんが,単項イデアルは整数に,単項イデアル以外のイデアルは理想数に対応し,整数の素因数分解の概念はイデアルを素イデアルに分解することに対応した抽象概念です.
426:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 15:54:38.34 yHhmJJ+L.net
>>365 つづき
体のイデアル
体のイデアルは自明なイデアル,つまり { 0} と体自身のみです.
逆に,環が { 0 } と環自身以外にイデアルを持たないとき,この環は体になります.この定理は環が体になる条件として重要です.
(抜粋引用おわり)
補足
>>365は、”数学で、わからんときの定石 1.具体例を考えてみる(これができる人はレベルが高い。おそらくすぐ分かる場合が多い)”>>350にもなっている優れものだ
おそらく、ID:zK+eOO2b くんは、おそらく書く気が無いか、書けないか
まあ、イデアルは大学で忙しく、大上段に定義から入って行くと、わからんだろう
上記を読んで、>>363で引用したwikipediaを読めば、かなり理解が進
427:むと思われる
428:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 16:10:36.67 yHhmJJ+L.net
>>355 補足
By hiroyukikojima
"19世紀頃を境に数学は大きく変容したと考えられる。それは単純に「抽象化」と呼んでもいいけど、もっと真相を込めていうなら「その数学的素材に内在している本性をより引き出しやすい表現形式が掘り出されるようになった」ということなんだと思う。"
"数学者たちは、そのような数学的素材に「宿る」本性を素直に引き出し、その本性が「こう操作してほしい」とささやく形式を生み出すようになった、と考えられるのだ。
「イデアル」が、そのような「本性」の1つだと言っていい。"
現代数学の定石がいくつかある
1.ある対象Aと別の対象Bとがあって、AとBにきちんと対応がつくとき、Aを考える代わりにBで考える
(「きちんと対応がつく」ということの数学的定義が必要。”Well-defined”URLリンク(ja.wikipedia.org) かが問題)
2.商集合(例えば商群)を考える。ある部分集合を考えて、類別する。代数では演算が保存されることを要請する場合が多い。代表元の取り方に寄らないという要請も。
日常の例では、例えば高校の学年のクラス分けで、代表者に連絡すれば良いとかの類推でも考えて下さい。これも”Well-defined”確認要
3.1や2と関連するけれども、上記に適合する新しい概念を提出する。これも”Well-defined”確認要
「イデアル」は、上記の1~3が凝集された例なんだ
429:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 16:27:35.66 yHhmJJ+L.net
>>367 補足
「イデアル」:フェルマー予想 x^n+y^n=z^n で nが3以上の整数のとき、整数解は存在しない
これを、複素数まで範囲を広げて、因数分解を使って解くことを考えたクンマー先生>>365
理想数を導入した。これ、定石3>>367。が、”Well-defined”になるように、改良したのがデデキント先生
これは、定石1>>367の「きちんと対応がつく」だ。例えば、素数p vs "整数環 Z で素数 p の倍数の全体 [p] ">>365だな
素数pに、"整数環 Z で素数 p の倍数の全体 [p] "という集合が対応する。その類推で、理想数に対応して、イデアルという集合を考えればよかんべよ!と
これが、”Well-defined”かどうか、それは皆さんの宿題だ
そして、「イデアル」さまは、定石2でもあったのだ
>>355で、ひどい回答だねと言ったのはそういうこと。定石2しか言及してないじゃんか!と
430:132人目の素数さん
15/07/26 17:10:11.26 8eHnD6lX.net
はい、次は「イデアルを用いたフェルマー予想の特別な場合の証明」のpdfを
検索して貼ろう
431:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 17:36:07.91 yHhmJJ+L.net
それは趣味じゃないんでね
どうぞ、お願いします
432:132人目の素数さん
15/07/26 17:46:33.61 8eHnD6lX.net
正直すまんかった
433:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/07/26 17:52:36.71 yHhmJJ+L.net
どうも。スレ主です。
クンマー先生の因数分解アプローチがなぜうまくいかなかったのか?
nが正則な場合と、非正則な場合とで、分かれたと記憶しているけれども
フライ先生の楕円曲線アプローチは、奇想天外というかひらめきだよね
因数分解アプローチは、nが無限大の場合までの射程を持ち得なかった。そういうことなだろうと思うけれども、それがなぜなのか? そこの理由がいまいち理解できないんだ
だれか知っている人います?
434:132人目の素数さん
15/07/27 08:29:13.61 7OKG+jU9.net
>>355
>2010/4/417:43:43 イデアルとはなんですか?
>wikiがややこしすぎるので感覚だけつかめるような説明をお願いします。
という>>351の問いに対しての回答は、分かった人間が書いてる。引用した
>いろいろな見方があります。
>たとえば環を体の一般化と捉えたときがもっとも簡単でしょう。
>体上のベクトル空間を考えるとき、その部分空間はとても大切な概念でした。
>環上のベクトル空間のことを加群といいますが、環自信を加群と見ることができます。
>このときの部分加群のことをイデアルというわけです。
の回答は不正確ではあるが、簡単にするため標数0の条件を加えて
>いろいろな見方があります。
>たとえば環を体の一般化と捉えたときがもっとも簡単でしょう。
>(標数0の)体上の線型空間を考えるとき、その部分空間はとても大切な概念でした。
>単位元を持つ(標数0の)環R上の線型空間Vは、左(右)R加群でVは加群の例になり、
>Vは加群といえますが、更に環R自信を加群と見ることができます。
>このときのRの部分加群Vのことをイデアルというわけです。
とエスパーして読むと、回答として適切になる。
普通は標数が0でない体Kや単位元を持つ環R上の線型空間Vを考えるときは
Vのベクトルの成分が属する環或いは体は、Rの部分環かR自身を部分環に持つ環、
或いはKの部分体か拡大体として、これらの標数は0でないとする。
KやRがVに左(右)から作用したとき、左(右)K(R)加群Vのベクトルは
再びVのベクトルになるから、そうしないとベクトルの計算が出来ない。
435:132人目の素数さん
15/07/27 08:46:58.12 7OKG+jU9.net
>>355
訂正:>>37
436:3の(>>351に書いた)回答やエスパーした部分の「自信」は「自身」の間違い。 何か>>351を書いた人間は漢字間違いしてるみたいだ。漢字間違いまでは確認しなかったわ。 私が書いたときは「じしん」を漢字変換すると「自身」になったんだが。
437:132人目の素数さん
15/07/27 09:16:46.00 Ci6CVm4I.net
エスパーしすぎで何言ってんのか全然わかんないわ
「環自信を加群と見ることができます」って
環R自身を左(あるいは右)R加群と見るってことだろ
そのときの部分R加群がちょうどRの左(あるいは右)イデアルになるってことでしょうに
「環上のベクトル空間のことを加群といいますが」は
環上の加群は体上のベクトル空間の一般化だって言いたかったんじゃないの
直すなら「環上のベクトル空間”のようなもの”のことを加群といいますが」かな
438:132人目の素数さん
15/07/27 09:18:52.56 7OKG+jU9.net
>>355
まあ、>>373の下の「普通は…」以降の部分も
>普通は「標数p>0」の体Kや単位元を持つ環R上の線型空間Vを考えるときは
>Vのベクトルの成分が属する環或いは体は、Rの部分環かR自身を部分環に持つ環、
>或いはKの部分体か拡大体として、これらの「標数もp」とする。
>KやRがVに左(右)から作用したとき、左(右)K(R)加群Vのベクトルは
>再びVのベクトルになるから、そうしないとベクトルの計算が出来ない。
と手直しした方がいいわな。「標数が0でない」だと何か不正確だ。
439:132人目の素数さん
15/07/27 10:03:42.07 7OKG+jU9.net
>>375
そうだね。>>373は
>このときのRの部分R加群Vのことをイデアルというわけです
と訂正して読んでも、dimV=1を仮定して読んでもいいけど。
イデアルの定義上、後者の読み方の方が適切だろうね。
440:132人目の素数さん
15/07/27 13:22:54.64 7OKG+jU9.net
>>372
クンマーの手法というか、フェルマー予想の証明の詳細は知らんが、
フェルマー予想は或るn≧3なる自然数nに対して(x/z)^n+(y/z)^n=1
なる自然数x,y,zの組(x,y,z)∈N^3は存在するか?
と定式化出来て、そうして考えると、>>365のサイトの
>当初は、この方法でフェルマーの最終定理のすべてのケースが解決する
>と思われてたんだけど、残念ながら、指数nによっては簡単にはいかない
>ことが判明した。それは、こういう「虚数世界に拡張した整数(1のべき乗根
>と有理数からなる体の整数環)」では、素因数分解の一意性が成り立たない
>場合がある、という恐ろしく直観に反するケースが出てきたからだったのだ。
という部分を読む限りでは、文脈上は、クンマーの手法に従うと、有理整数環Zに虚数単位iを添加した
ガウス整数全体からなる環Z[i]上で指数が何れもnの3つの有理整数x^n、y^n、z^nの何れかを一意に
素因数分解する手法を取るのだから、Z[i]の商体、つまり有理数体Qにiを添加した体Q(i)上で1を一意に
素因数分解して考えることが出来るようになるが、この手法で1を体Q(i)上で一意に素因数分解しようとしても、
1=((3/5)+(4/5)i)((3/5)-(4/5)i)=((5/13)+(11/13)i)((5/13)-(11/13)i)
の例からも分かるように、1は体Q(i)上で一意に素因数分解出来ないから、
体Q(i)上で1を一意に素因数分解する手法は通用しないことになる。
なので、元の、環Z[i]上でx^n、y^n、z^nの何れかを一意に素因数分解するという手法も通用しないことになる。