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hiroyukikojimaの日記 2010-07-29 ガロアの夢、ぼくの夢
今、来月(8月)の終わり頃に刊行される新刊のゲラのチェックを終えたところだ。これは、ガロア理論の入門書。遂にガロア理論の本を出すんだよ。とても感慨深い。
ガロア理論というのは、「5次以上の方程式には解の公式がない」ということの証明を与えた理論だ。「群」と「体」という二つの数学構造を行ったり来たりすることで証明する画期的な定理だった。
ご存じの通り、エヴァリスト・ガロアは来年が生誕200年になるフランスの数学者。20歳の朝、オンナをめぐって銃で決闘して命を落とした。前夜に論文の余白に遺書を書き、それが後にガロア理論と呼ばれる論文だったわけだ。あまりに格好良すぎる。
もともとこの原稿は、拙著『数学でつまずくのはなぜか』講談社現代新書に入れる予定で書いたものだ。
この本は、「その人が数学を得意としようが苦手としようが、数学はその人個人のパーソナリティと密接な関係を持っている」ということを主張した本で、数学に障害を持った人や落ちこぼれた子どもの話などがふんだんに入っているんだけど、
その一例として、どうしてもガロアのことを入れたかった。
なぜかというと、ガロアの生み出したあまりに画期的な方法論が、不良で学校を退学になったり、革命運動で逮捕されたり、オンナに騙されて愚かな決闘をしたりするガロアの性格と切っても切れない関係にあると思ったからだ。
「理論」というのは、それを生み出した人のものの見方や人生観から生まれてくるものであり、その人のパーソナリティとは不可分だ、という例としてガロアの人生を書きたかったのだ。
でも、その原稿は残念ながら却下された。それは技術上の問題だった。まず、分量が多すぎて、これを収めると新書にならなくなる。それから、他の章と比較にならないほど数式が多いので、縦組みでは無茶だ、というのもあった。
それで泣く泣くカットすることを承諾したのだ。でもぼくは、この原稿を諦めきることができなかった。だから、生まれて初めて、出版社への企画の持ち込みということを試みた。
以下略