15/07/19 00:02:37.52 tMoEEhL+.net
>>235
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対称性と可積分系
運動方程式は、ラグランジュ形式においては一般化座標と一般化速度とを用いて、2階の常微分方程式系(オイラー・ラグランジュ方程式)として記述された。
それに対して、ハミルトン形式においては、一般化座標と一般化運動量とを用い、1階の常微分方程式系(ハミルトンの正準方程式)により運動が記述された。
しかし、ハミルトン形式において最も特徴的なことは、方程式が対称的であり、かつ、一般化座標と一般化運動量の2つが独立に扱われることである。
この事実は、系の対称性や可積分性を調べるにはハミルトン系のほうが都合がよいことを意味する。
なぜなら、ラグランジュ形式は配位空間上の対称性しか扱わないのに対して、ハミルトン形式は相空間(=配位空間の余接バンドル)上の対称性をも扱うからである。
つまり、ハミルトン形式の方がより多くの変換が許容される。
運動方程式を求積するには第一積分(保存量)が必要である。(ハミルトニアンとは独立な)第一積分の数だけ方程式の自由度を落とすことができるからである。
第一積分を使って、方程式の自由度を削減する方法を一般に簡約化という。
第一積分を見つけることは系における対称性を見つけることに等しい。系が対称性をもてば、その対称性に対応する保存量を見付けられるからである。
例えば、並進対称性があれば運動量が保存し、回転対称性をもてば角運動量が保存する。
このように、系の対称性と第一積分の存在との関係を一般的な状況下で研究したのは、ネーターが最初であるとされる。
彼女は現在ネーターの定理と呼ばれる次の定理を示した。
以下略