現代数学の系譜11 ガロア理論を読む13at MATH
現代数学の系譜11 ガロア理論を読む13 - 暇つぶし2ch191:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
15/04/25 09:13:55.77 1rI4QMvS.net
>>179
(脱線ついで補足)「(吉田輝義) 保型表現とGalois 表現 |初学者のために|」より
”現在の代数的整数論のもっとも中心的な問題の一つである非可換類体論(Langlands 対応)は,保型表現とGalois 表現の間の対応として定式化されている.
表現論の言葉で書かれるようになった理由は,整数論が非可換な対象を本格的に扱う時代に入ったということである.
代数的整数論を志す学生にとっては,可換環論,代数幾何,ホモロジー代数,位相群上の積分などが学習事項とされてきたが,表現論の重要性は十分に強調されてこなかったように思われる.
筆者自身も,表現論の勉強が足りず自転車操業で勉強している次第だが,初学者の読者を念頭において「なぜ表現論が代数的整数論にとって不可欠なのか」を解説しながら,Langlands 対応の世界への案内を試みたいと思う.
定式化や研究対象の移行ということについて一言書いておく.
Galois 理論以前は,代数学といえば方程式論であり,与えられた一変数あるいは多変数の多項式を四則演算で操作し,未知数を求めるという意味でそれらを「解く」,あるいはさまざまな多項式の間の関係を発見し記述する,という学問であった.
しかし,5 次以上の方程式が根号では解けないことが証明され,根の間の有理的な関係の構造が「方程式の根の生成する拡大体のGalois群」にすべて書き込まれていることがわかると,方程式論は「拡大体とそのGalois 群を理解する」という新しい定式化を獲得した.
とくに,方程式論が基礎体に決定的に依存することが明白になったことは,基礎体に依存する代数学(整数論との自然な統合,および任意のスキーム上の代数幾何)としての数論幾何の夜明けであったとも言える.
この19 世紀の「方程式論→拡大体・Galois 群」という変化と同じ規模のパラダイム・シフトが,20世紀の数論幾何の発展を経て起こった.
それが,「拡大体・Galois 群→ Galois 表現」という定式化・研究対象の移行であり,現在の代数的整数論の中心的な研究対象はGalois 表現である,と言ってしまっても過言ではないと
思われる.この移行について解説するのが本稿の目的の一つである.”


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