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北風と太陽 ( きたかぜとたいよう )
むかしむかしの おはなしです。
きたかぜと たいようは、いつも じまんばかり していました。
「わしの ほうが えらいんじゃ」
きたかぜが いいます。
「わたしの ほうが えらいと おもいますよ」
たいようも まけません。
「それなら、しょうぶしよう」
そこへ、たびびとが やってきました。
たびびとは ぶあつい まんとを きています。
「さきに まんとを ぬがせた ほうが かちじゃ」
きたかぜが まえに でました。
きたかぜは はげしく いきを はきました。
つめたい かぜが びゅうびゅう ふきます。
「さむい、さむい」
たびびとは、りょうてで ぎゅっと まんとを おさえました。
まんとは びくとも しませんでした。
「こんどは わたしの ばんですよ」
たいようが にこにこ わらいました。
あたりに ぎらぎら ひかりが あふれます。
すると、どうでしょう。
「あつい、あつい」
たびびとは、まんとを するりと ぬいだのです。
「この しょうぶ、わたしの かちですね」
たいようが にっこり わらうと、
あたりは ぽかぽか はるの くうきに なりました。
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