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【コラム】さよなら、リベラル英国-編集主幹ミクルスウェイト
John Micklethwait
2016年7月1日 12:48 JST
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)
彼らからサッチャー首相について質問を受けたが、われわれの知識が乏しいことが分かると、ミルトン
が主役になった。そして、1979年に就任したサッチャー首相がいかに労働組合を解体し、経済を開
放、英国を自由市場のお手本に変えていくかを説明してくれた。
ジョージと私に経済学の知識はなかったが、それでもミルトンの話す内容はばかばかしく聞こえた。
サッチャー政権は既にトラブルまみれに見えたからだ。母国では暴動が起きていた。1913年以降の
英国は緩やかな下り坂にあった。文化面ではミュージシャンのミック・ジャガーやコメディーグループ
のモンティ・パイソンらを生み、英国はイカしていると言えたが、経済は死んだも同然だった。
しかし私が英国に戻ると、ミルトン・フリードマン氏はサッチャー政権の自由市場への取り組み
を支えるエコノミストとして全国的に注目を集めていた。そして同氏らの予想は基本的に正しかっ
た。英国の軌道は変わったのだ。
もちろん、サッチャー首相は必要以上に冷酷だったという指摘は可能だ。実際、今回の国民投
票で欧州連合(EU)離脱支持が過半数となった多くの地域は、大なたを振るわれた北部工業地
帯だ。1979年にたまたま首相になれたとか、82年のフォークランド紛争という「幸運」にめぐまれて再
選できたという見方もあろう。それでも「サッチャーリズム」によって英国の物語は変化した。衰退で
はなく、拡張や実力主義を進めて自信を深める方向にかじが切られたのだ。