16/07/03 21:16:27.83 7jy66QZf.net
>>227
しかし、特に都市部のミレニアル世代の場合、主流派の有識者からは同じく「ポピュリスト的」な不満を
抱えていると一括りにされてしまうものの、彼らにとっての政治は右派ポピュリストとは大違いだ。米国にお
ける「バーニー親衛隊」と、スペインのポデモスやギリシャのシリザといったヨーロッパの急進左派政党を支
持する若者は、右派ポピュリストよりもはるかに容赦なく、金融業界のエリートや政府を糾弾している。
しかし、イギリス独立党やトランプ支持者とは異なり、左派は財政刺激策、労働者の権利、累進課税
など、実際にそれぞれの国の窮状を救う可能性のある政策を幅広く支持している(ただしギリシャでは、
政権獲得以降のシリザは、債権国や銀行によって当初の自分たちの計画の実施を阻まれている)。
さらに、これらの若年層主体の政党や運動は、人種的、民族的な多様性に寛容というだけでなく、
彼ら自身がすでに多様である。だからこそ、移民排斥主義の主張が英国の若年層有権者にアピー
ルする見込みは最初からなかったのだ。
だからこそ、サンダース氏を熱狂的に支持し、まだクリントン氏に投票するなど考えられない状態の若
者(その多くは白人だ)に対して民主党が訴えかけるとすれば、移民や、ラテンアメリカ系や、黒人や
アジア系の若者に、「トランプ大統領」が彼らの生活に与える(多くの場合は、破滅的な)影響につい
て語ってもらうのが最も効果的だろう。
グローバル化した資本主義、西側政府の経済政策、そして都市生活者や若者を中心としたコスモポリタン
主義の拡大から取り残されてしまった、大都市以外の白人の多くが支持する極右ポピュリズムと根深い外
国人嫌悪の論調は、ほとんどすべての西側民主主義国家において一定の勢力を持つようになっている。
これがトランプ氏の立候補の追い風となったのは確かだが、それでも、彼をホワイトハウスに送り込むには、
恐らくまだ信奉者が足りない。
とはいえ、2008年のグローバル金融危機とその深刻な後遺症は、1929年の大恐慌とその後の混乱
同様に、今日の西側諸国の政治を揺るがしている。ブレグジットがその最終章だとはとても思えない。