19/11/05 10:24:59 WHba6Tqd.net
>>366
2019/11/04
移民と福祉は二律背反か
USポリティカル・コメンテーター ジャナン・ガネシュ
URLリンク(www.nikkei.com)
米国人は北の国境の向こう側に住む人々の方が見識もあって心が広いと言われるのを嫌がる。
とはいえ事実は事実だ。トルドー首相の続投が確実になった先のカナダの総選挙で、そのことを再認識した。
カナダは外国生まれの国民の割合が約20%と米国より高い。
それでいて国民皆保険制度もジニ係数でドイツ並みの所得分配も実現している。
選挙では有権者の多くが所得再分配を掲げる政党に投票し、最大野党・保守党もあからさまな移民批判は控えた。
カナダのような国籍・民族にとらわれないコスモポリタンな社会民主主義は現実的でないという指摘をよく耳にするようになった。
欧米で近年、左派が憂き目をみているのは移民と福祉が並立しないからだとされる。市民は互いの共通項が減れば、
暮らしを支え合おうとはしなくなるという理屈だ。
経済協力開発機構(OECD)の加盟国中、租税負担率が最も高いのがフランスだ。しかしフランスを閉鎖的だと思う人はいない。
スウェーデンとデンマークは移民の増加で社会保障サービスが以前ほど手厚くなくなったが、福祉国家の旗は降ろしていない。
国民の25%以上が外国生まれのオーストラリアは、米民主党がうらやむような公共サービスを備えている。
米大統領に民主党のエリザベス・ウォーレン氏かバニー・サンダース氏が選ばれれば、多様性と互助が両立不可能ではないことの
何よりの証左となることだろう。彼らが米国史上、特異なのは移民を受入れながら政府の役割を拡大させようとしているからだ。
ルーズベルトのニューディール政策やジョンソンの「偉大な社会」構想など、
歴史に名を残した民主党大統領の経済政策はこれまで、ある程度の排他性を帯びていた。
サンダース氏もウォーレン氏も目指すところはこれとは全く異なる。同じ大きな政府でも偏狭な愛国主義とは無縁だ。
コスモポリタンな社会民主主義と言える。
経済についていえば、米国民は開拓者精神を持った個人主義者だと昔から言われてきたが、実は今や大半が
もっと左派的な考え方をするようになったことがよく知られている。実際、左派の政策の多くが幅広い支持を集める。…