21/02/26 06:30:13.93 .net
以前、先輩に10万円を貸した。
貸したときから自分の金じゃないと割り切っていたが、
2年くらい経ったある夜、オレのアパートに全額封筒に入れて返しにきてくれた。
「遅れてゴメン、利息を付けたかったんだけど、とりあえず・・・」というので、
「じゃ、10万と500円で完済でいいや」って冗談のつもりで答えた。
彼は財布から500円分の硬貨を取り出し「ありがとう、ほんとに助かったよ・・・」
といって笑顔でオレに手渡した。
少し話をしてその夜は別れたが、部屋に戻ってからすごく後悔した。
彼の財布の中に札が1枚も無かったのが見えたからだ。
彼の困窮が離婚によるものと子供2人を抱えるの父子家庭であるからだということも
知っていたが、 後悔したのは、500円というお金をまるで無価値のように
彼に話してしまったことだ。
昼食をよく抜いてた彼。営内者に命じてめしあげさせた姿もよく見た。
消耗品を1袋分くすねるのも見た。
あのとき余分に500円さえあれば、パチスロも行けたしストロングゼロも買えただろう。
子供の誕生日にメダリストじゃなくて、ファミチキくらい買ってあげられたのかも知れない。
それでも、10万円という大金を貯めて「ありがとう」といって返しにきてくれた。
彼とはしばらく付き合いがあったが、オレが転属して、結局、詫びる(?)方法も
わからないまま音信不通になった。
あの夜以来、あまり人前でお金の話をすることはなくなったような気がする。