21/04/17 01:49:12.94 uqpSiWQ/0.net
本拠地、横浜スタジアムで迎えた巨人戦
先発坂本が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は１００敗だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、今年の新人監督三浦は独りベンチで泣いていた。
1998年に手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の横浜で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」三浦は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、三浦ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってブログ更新しなくちゃな」三浦は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、三浦はふと気付いた
「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」
ベンチから飛び出した三浦が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにベイスターズの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする三浦の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「三浦、投球練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った三浦は目を疑った
「こ・・・駒田コーチ？」 「なんだ番長、かってに駒田さんを引退させやがって」
「す・・・鈴木さん？」
「なんだ三浦、居眠りでもしてたのか？」
「石井さん・・・」 三浦は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
１番：石井琢 ２番：波留 ３番：鈴木尚 ４番：ローズ ５番：駒田 ６番：佐伯 ７番：進藤 ８番：谷繁 ９番：三浦
暫時、唖然としていた三浦だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
中根からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する三浦、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっている三浦が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った