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尾原和啓氏(ITジャーナリスト)×松尾豊氏(東京大学大学院准教授)「日本がAIで勝負すべき、AIプラットフォームビジネスの次の次」
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松尾 2018年現在、人工知能分野の技術は、おおよそ予測通りに進展しています。ディープラーニングによる画像認識はかなり進み、アプリケーションが多数出てきています。
次の段階としては機械・ロボット系への応用となりますが、なかなか実用に結びつきにくい状況が続いていました。
しかし、この半年~1年くらいで「World Models」(世界モデル)を構築する研究が出てきています。
今年6月にはDeepMind(英国)から「GQN」(Generative Query Network)が発表されました(注:二次元画像から三次元画像を生成する新技術。
これによりAIは平面的な写真を見て、見えていない部分を想像するかのように、三次元空間を作り出すことができる)。
例えば、ものをつかむ、投げる、たたく、ちぎる、打つ、それぞれに異なる潜在構造があります。
それが仮定なしに学習できる世界モデルができてきて、AIで機械・ロボット系をうまく動かせる状況が整いつつあります。
大規模なシミュレーションと実ロボットによる試行を組み合わせた、四角いキューブを自由にひっくり返せるロボット(Dactyl)が出てくるなど、機械・ロボット系でAIの技術活用が始まる段階となっています。
尾原 これまでは「こんなケースではこうしよう」とケースを仮定して、個別に1対1対応を作らなければいけなかったのですが、これからは状況とゴールを与えれば自動的に最適化が行われる、そういう世界が見えてきたことになりますね。
シリコンバレーでは以前、「Software eats everything」(すべてのビジネスがソフトウェア化していく)と言われていました。例えば、銀行がオンラインバンク化したり、タクシーがUber(アメリカ)に代わっていくといった事例がわかりやすいと思います。
最近は「AI eats software」という言い方をしていますが、これを両方重ねると「AI eats everything」(AIがすべてを飲み込む)となります。これまで論理で言われてきたことが現実味を帯びてきたと言えますね。