16/12/09 15:29:18.45 ZuAuUhuT.net
(6)日本を代表する数理工学者、合原一幸氏が見るAIの世界
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『ディープラーニングが上手くいっているから騒がれている。だけど、ディープラーニングの基礎になっているオートエンコーダは、私が30年程前に書いた本でも紹介している技術で、
つまり技術的には新しくないのです。さらに、その主要な学習アルゴリズムは、私の恩師の甘利先生が50年くらい前に提唱したものです。それなのに何故今になって面白い結果が出始めたかというと、
学習に使えるビッグデータとそれを使って学習できるだけのコンピュータパワーが手に入ったからです。しかし、より高度なAIを作るにはディープラーニングだけでは駄目です。
有名なグーグルの猫では、顔を認識する人工ニューロンが生成されるのですが、脳にある「顔ニューロン」とは全然異なるのです。ディープラーニングの顔ニューロンが表現する内容は静的ですが、
脳の顔ニューロンは非線形のダイナミクスを使って顔をコードしているのです。猿の脳で実験した結果だと、顔ニューロンが、刺激の後しばらくは人と猿を区別するみたいな大まかな分類をやり、もう少し時間が経つと、より詳細な個を区別したり、
表情を区別したりしだすのです。つまり時間とともに表現する内容が変わっていく。このダイナミクスが脳の本質で、それがない人工ニューラルネットワークは脳とは全然違うものなのです。
こういったことは脳を知っていると明らかで、数理脳科学分野の研究では沢山の知見が蓄積されています。ディープラーニングを用いたAI開発に数理脳科学の研究成果を取り込むことでさらに大きく進展すると思います』