16/04/01 14:20:43.89 WJQBc5ts.net
ケンヘル・ケプシャフ氏は今から3200年前のエジプト文明中期に生活していた人で、
多くの手紙や会計簿や教科書や日記を残した人だ。
ケプチャフ氏は幼児期から父親から生きるための極意を教えられ、
それを忠実に守ってきた。
「いいか、ぼうず。勉強をするんだ。そうしたら書記になれる。
俺たち庶民がいい生活をするためには書記になるのが一番だ」
古代エジプトでの書記とは公務員のことである。
トップにはファラオ、そして次の階層は貴族だったが、
その下に古代エジプト政府を支える公務員の集団がいた。
ケプシャフ氏の職場はルクソールにあった王家の谷の陵墓の建設主任だったようだ。
上司は口うるさく部下はちっとも言うことを聞かず、ケプチャフ氏は不眠症に
なるほどストレスをためていたことがパピルスに記載してある。
「上司の命令には逆らうまい。時にはためになることも言っているのだから・・・」
「コンスのやつ、誕生日だとか言って2日間も欠勤するとは、なんてやつだ。
陵墓の建設がはかどらないじゃないか。それにさそりに刺されたとか、
二日酔いだとかで欠勤するやつもいて、俺はどうしたらいいんだ・・・・」
ケプチャフ氏はこうして中間管理職の苦悩を背負いながら、最後はかなりの
地位まで上り詰めて60歳代後半に他界した。
今から3200年前の公務員の悩みと人生がこんなに明確に分かるのは驚きだ。
勉強をすれば公務員になって中産階級になれるし、そうならなかった庶民は
労働者だが適当に理由を付けて仕事をサボることができた。
「恋愛し結婚し子供を作るのが人生よ」そんな生活を謳歌していたみたいだ。