15/10/29 05:22:50.56 AIBjVodl.net
>>656
だいたいカーツワイルの議論のおかしさってのはムーアの法則という
半導体技術にのみ当てはまる法則を、半導体以外の自然科学一般や
テクノロジーにまで敷衍して、それで収穫加速の法則、
なんて御大層な妄想で正当化していることなんだよなあ
そもそもテクノロジーが指数関数的に成長していく、というのは
人口が(その増加率を一定とした場合に)指数関数的に成長する
というのと同じで、当たり前の話なので、それ自体は議論にならない
しかし、半導体のように恐るべき速度でテクノロジー一般が
進歩していると、半導体の成長速度を持ち出して比喩的に語るのは
正直かなり詐術的な話法だろう
もし、テクノロジーが半導体並みの速度で進歩しているとするなら
それは経済成長率に実際に反映されるはずだが
先進国経済の成長率はせいぜい二%程度に過ぎず、それを指数的に
乗算していったところで、せいぜい五十年で二倍程度の
豊かさが達成できるに過ぎないので、明らかにテクノロジーは
ムーアの法則なみの速度で成長していなかったことがわかる
同様の理由から、成長率が今後ぐんぐん加速していかない限り
「人類が労働から開放される」という意味でのシンギュラリティも
起こりえないだろう
ちなみにムーアの法則についていえば、同様にポラックの法則
というのもあり、これはトランジスタの密度の平方根が、ちょうど
プロセッサの性能となる、というものだが
つまりムーアの法則に基づいてトランジスタの単位面積当たりの
密度が百倍になっても、その演算能力は十倍にしかならない
ということになる
実際、この十年でインテルのCPUの演算能力は十倍ぐらいにしか
なっていないわけだ