17/01/29 19:40:01.03 BRgwloPV.net
トランプの懐刀が描く「米中戦争」の可能性
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本書は、近年の中国の海洋進出にともなって、変化する太平洋地域の戦力バランスを
分析しながら、「米中戦争はあるか」「あるとすれば、どのように防ぐことができるのか」を、
一般読者に向けてわかりやすく論じた優れた地政学の本である。
中国経済は、中東やアフリカから輸入される石油への依存を強めており、その輸送には、
米国の制海権下にあるマラッカ海峡をとおらねばならない。この「マラッカ・ジレンマ」
を緩和することも、中国が尖閣と東シナ海にまたがる海底に存在している石油の確保を
目指す、理由の一つになっている。
本書は、米軍が日本や韓国などアジア地域で運用する基地が固定されているために、
中国のミサイル攻撃に脆弱である旨を指摘している。
本書の中ではもうひとつの戦略思想の転換が提示されている。すなわち空母主体の現在の米海軍の
態勢を改め、潜水艦を主体にし、第一列島線の海峡(チョークポイント)で中国を封鎖するという
「オフショア・コントロール」の考えである。
この潜水艦への戦略移行は、たしかにアメリカにとっては安上がりな解決かもしれないが、
第一列島線上に位置する日本にとっては死活問題になる。これは第一列島線で、石油などの
輸入を阻止することで、中国を干上がらせるという発想だが、そうした事態まで中国を追い込む
には相当の時間がかかる。その間に中国は、封鎖の突破を目指して、本土で無傷のまま温存されて
いるミサイルなどの兵器を用いて、第一列島線に存在する敵の軍事基地や政経中枢への攻撃を行う
ことが想定される。