13/07/04 NY:AN:NY.AN .net
やはりこの手の議論はアスペリティの定義を明確にしないと,お互いがどこまでをアスペリティモデルと考えているのか,
どこまでを認めていて,どこからが問題があると考えているか,食い違ったまま話が平行線をたどってしまう。
井出さんらが問題にしたのもここで,"アスペリティ"という言葉だけが独り歩きしてしまっていたというのが一番の主張。
だから,ここにいる人も,井出さんのモデルはアスペリティモデルではないと言ったり,いやあれもアスペリティモデルと言ったり,ごちゃごちゃになる。
従来用いられてきたアスペリティの定義の例
①周囲が常時滑っている中で上盤と下盤がマクロのスケールで固着している領域のこと。Das and Kostrov などのアスペリティ
②R-S則で言う所のa-bが負(さらに言えば条件付きではない場所)すなわち不安定滑りを起こし,固着-破壊のstick-slipを起こす場所。
③地震時に特にすべり量が大きな領域。(ストレスドロップが大きな領域)←これは非常にあいまいな定義
など
その上でアスペリティモデルをどこまで認めていて,どこから問題があると考えているかを明示したうえで発言しないと答えようがない。
井出さんをはじめ,地震学会ではアスペリティという単語は誤解や混乱を招くので使うのに慎重になっている。
ただ言葉を変えても理論が同じであればそれは同じものにすぎず,そこに惑わされてはいけない。