18/08/31 13:29:55.11 LgIN95Hz0.net
赤肉による大腸がんリスク上昇のメカニズムは、動物性脂肪の消化における二次胆汁酸、ヘム鉄による酸化作用、内因性ニトロソ化合物の腸内における生成、
調理の過程で生成される焦げた部分に含まれるヘテロサイクリックアミン(発がん物質)等の作用が指摘されてきました。
これらの作用は、牛・豚肉といった赤肉に限らず、肉類全体の摂取を通してももたらされる共通のものとして捉えることができます。
今回の結果では、赤肉摂取による直接的な大腸がん発生リスク上昇は男性において観察されませんでしたが、
牛肉・豚肉は肉摂取量全体の85%程度を占めることから、男性でも赤肉摂取による結腸がんリスク上昇の可能性は否定できないでしょう。
つまり、肉類全体の摂取量と結腸がんリスク上昇の関連が見られる以上は、牛肉や豚肉も含めて食べ過ぎないようにする必要があると考えられます。
2007年に、世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による報告書「食物・栄養・身体活動とがん予防」が、10年ぶりに改訂されました 。
その中で、世界中で行われた研究結果を取りまとめ、赤肉(獣肉:牛・豚・羊など)・加工肉(ハム・ソーセージ)摂取は大腸がんに対して「確実なリスク」と評価しています。
もともと肉類の摂取量が欧米より少ない日本においても同様にリスクであるのかは、まだ十分にわかっていませんでした。
平均的に欧米より依然少ないとはいえ、アジアでの肉類の摂取量は増えています。
また、日本でも大腸がんの発生率は、戦後、欧米並みに増加しました。
報告書では、赤肉の摂取を週に500g未満とするよう推奨しています。今回の研究で赤肉を最も多く摂取する群は、比較可能な状態に換算*するとおよそ週に400~450g以上でした。
病気になる前の食生活で牛や豚といった肉類をたくさん摂取していた人々が、その後の大腸がん発生リスクが高いことが観察されたことは、私たち日本人の食生活での肉類の過剰な摂取に対しては、改めて警鐘を鳴らすものと言えます。