14/04/06 10:09:31.04 HTqjTg0X0
左ヘ左ヘト、旋回スル四発ノ怪物ハ、ボーイング・ビー十七ダッタ。
ソノ旋回ノ内側カラ距離ヲ詰メテ行ク時、探照灯ガ消エタ。
消エタトイウヨリ、高射砲ノ射程外ニ出タノデ、断念シテ目標ヲ
変換シタノデアロウ。
シカシ、下カラスカシテ見タ名月ノ薄明リノ空ニ、
ボーイング・ビー十七ノ巨体ハ、私ノ目カラ消エルコトナク、黒々ト
残ッテイタ。
<千載一遇ノチャンス!>私ノ胸ガオドッタ。
私ハ、左後下方攻撃デ、一連射ヲアビセタ。機銃ガ火ヲ吐イタ。
銃口ノ発射閃光ガ、私ノ網膜ニ、瞬間的ニ目ツブシヲ食ワセ、
連続照準ヲツヅケルコトガデキナイ。操縦桿ヲ右ヘタオシテ
右下方ニ離脱シ、スグニマタ立テナオシタ。遠クヘ
離脱シテシマッテハ、敵機ヲ見失ッテシマウカラデアル。
今度ハ、右後下方カラ、機首ヲ持チ上ゲテ射ッタ。短イ射撃
ヲ区切リナガラ、発射閃光ノ合イ間ニ照準ヲツケナオシタ。
「ドド・ドド・ドド !」一銃アタリ、数発カラ数十発グライノ
点射トイウヤリカタデアル。方向舵ト操縦桿ヲ、強ク使ッテ左ヘ、
マタ滑ルヨウニ離脱シ、三回目ヲ左下カラ射ッテ、右下方ニ出タ。
暗ガリノ中カラ射タレタコトニ、敵ハ驚イタノデアロウ。
爆弾ヲ全部捨テタ。
ソレハ、ラングーン市ノハルカ西ノ、ナニモナイ平原ノ中ニ大キナ
火柱ヲアゲテ炸裂シタ。
イマヤ、敵モ死ニモノ狂イダッタ。西ヘ西ヘ、小刻(コキザミ)
ニ上下左右ニ、ノタウチナガラ、遁走シテユク。
月明カリノ中ノ大型ト小型ノ一騎打チダッタ。
暗イ大空デ、トモスレバ見失イガチナ相手ヲ、シカシ、私ハ
決シテハナサナカッタ。
171:名乗リマセン勝ツマデハ
14/04/06 14:02:04.65 HTqjTg0X0
暗イ大空デ、トモスレバ見失イガチナ相手ヲ、シカシ、私ハ
決シテハナサナカッタ。
ダニノヨウニ食イ下ガッタママ ボーイング・ビー十七カラ
直線距離三百メートル以内ノ距離ヲタモッテイタ。⇒
※ボーイング・ビー十七爆撃機
乗員十名 エンジン[ライト・サイクロン]・空冷星形九気筒
千二百馬力×四 全幅 三十一、六メートル
全長二十二、六メートル 総重量二十五~二十九トン
航続距離 五千八百キロメートル 最大速度 時速四百六十二キロメートル
巡航高度六千~八千メートル実用上昇限度一万メートル
爆弾二、七トン~四、九トン
武装 十二、七ミリ エム弐機関銃十三挺
※ボーイング・ビー十七ノ艤装(装備・装置)ヲ換エタ
ビー四十モ ビー十七爆撃機編隊ノナカニアッタ。コノ戦線デ
使ワレタカドウカハ不明
ビー四十ハ機銃二十四挺ヲモツ名称ハ爆撃機デアリナガラ
長距離戦闘ヲ実際ノ任務トシテイタ。
⇒ソレヨリ遠クナルト、見失ッテシマウオソレガアッタカラダ。
右ヘ左ヘ、自分ノ位置ヲ相手ニハサトラレヌヨウニ、私ハ追撃ヲ
続ケタ。
172:名乗リマセン勝ツマデハ
14/04/08 11:51:29.24 1pxPumug0
右ヘ左ヘ、自分ノ位置ヲ相手ニハサトラレヌヨウニ、私ハ追撃ヲ
続ケタ。
射弾ガ命中シテイタカドウカ、私ニハ確認スル方法ガナカッタ。
私ハ何回目カノ突進ヲ試ミタ。機種ヲビー十七ニ向ケテ
ネライヲツケタトキ、急ニ照準線ノ上デ、
「パパパ・・・・」ト、曳光弾ガ私ノ左前方カラ、黒イ影ノ敵ニ
向カツテ飛ンデユクノガ見エタ。 イソイデ離脱シタ。
<ダレカベツニモウ一機味方ガ近クニキテル> スグニ頭ガハタライタ
曳光弾ハ明ラカニ<隼>ノモノデアル、敵機カラ、コチラニ
向カッテ飛ンデキタモノデナカッタ。
<ダレカガ同時ニビー十七ニムカッテ攻撃シテイル・・・下手ヲスルト
味方同士デ同時攻撃シタラ空中衝突スルカモシレナイ。
ドウスルカ?エエイ、ヤッテシマエ> 味方ガイルトイウコトハ、
強イコトダッタ。私ハ再ビ突進シタ。ソシテ機銃弾ノ手持チ全部
ヲ射チツクシタ。ビー十七ハ前方ノ薄イ層雲ノ中ヘヤット隠レ家ヲ
見付ケタカノヨウニ、気息 エンエントシテ雲ノ中ニ
ワケ入ッテシマッタ。私ハ<タシカニコチラノ弾丸ガアタッテ
イタコトハマチガイナイナ>頭ヲカシゲナガラ、ラングーンニ
帰ッテキタ。接地シテプロペラヲ止メテシマウ前ニ
地上カラ翼ニ上ガッテキテ座席ヲノゾキコンダ山本曹長ニタズネタ。
「誰カマダ降リテコナイ者ガアルカ?」
「安田曹長ガ帰リマセン、ソノ一機ダケデス」私ハ自分ノ顔ガ
青ザメテイクノガワカッタ。
トコロガ、安田曹長ハソノ翌日 アチコチ火傷ヲウケ、トクニ顔ハ
真ッ黒ニ火ニ焼カレテイタガ、ユウユウト帰ッテキタ。
夜空デ赤イ火ノ玉ノアトニ、パラシュートノヨウナモノガ、
白ク浮カンデイタガ、安田曹長デアッタ。
昼過ギ私タチガ攻撃シタボーイング・ビー十七ハ
雲ノ中ニワケ入ッタ地点カラ チョット先デ 力 尽キテ
墜落シテイタ。
173:名乗リマセン勝ツマデハ
14/04/10 16:10:40.67 rTxF4uJR0
夜空デ赤イ火ノ玉ノアトニ、パラシュートノヨウナモノガ、
白ク浮カンデイタガ、安田曹長デアッタ。・・・・
・・・雲ノ中ニワケ入ッタ地点カラ チョット先デ 力 尽キテ
墜落シテイタ。
[ボーイング・ビー四十]
ボーイング・ビー十七ノ艤装(装備・装置)ヲ換エタ ビー四十モ
ビー十七爆撃機編隊ノナカニアッタ。
コノ戦線デ使ワレタカドウカハ不明 、ダガ
真ッ暗闇ノ大空デ安田曹長機ニ命中弾ヲ与エタコトカラ考エルト、
搭載機銃二十四挺ノ、コノビー四十爆撃機ノヨウニ思エルノデアル。
火網ノ中ニ身ヲ晒ストキ
昭和十八年二月 <隼一型>カラ十三ミリ砲二門搭載、ト
時速二十キロメートル以上スピードヲ向上サセタ強化型<隼二型>
ニ機種ヲ改メタ部隊ハ、各中隊ゴトニ、立川カラ台湾、海南島
ヲヘテビルマニ飛ンダ。
一中隊ガ十二機、三中隊デ三十六機ノ部隊デアル。
部隊ハ、海南島ノ三亜海軍飛行場ニ着クト、八木戦隊長ノヒキイル
第二中隊ガ、第一陣トシテ飛ビ立チ、ツヅイテ私(黒江)ノ第三中隊
最後ハ明楽(メイラク)少佐ノヒキイル第一中隊ノ順ニ、
ビルマヘト飛ンダ。