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★北朝鮮がICBMを完成させても米国が「忍耐」を続ける理由
2017.07.25 07:00
北朝鮮が7月4日、アメリカ本土も射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の
発射実験に成功したと発表したことで、北朝鮮はついに「レッドライン」を越えたという見方がある。
いよいよトランプ大統領の堪忍袋の緒も切れて、軍事衝突に発展してしまうのか。
朝鮮半島問題研究家の宮田敦司氏がレポートする。
* * *
マティス米国務長官は7月6日の記者会見で、北朝鮮はレッドラインを越えたのではとの質問に、
「レッドラインは引かない」と述べている。この発言は、「レッドライン」を引くに引けないアメリカが
置かれた現実を如実に示している。
アメリカが北朝鮮を攻撃する場合、700か所にのぼる軍事施設が目標となるという見方がある。
この数字が正しいとすれば、攻撃に使用される巡航ミサイル「トマホーク」は膨大な数となる。
2017年4月6日に実行されたシリア攻撃では、1か所の空軍基地(シャイラト空軍基地)を
使用不能にするために59発ものトマホークで攻撃している。このように、ひとつの目標に
対してトマホーク1発というわけにはいかない。
アメリカ軍は北朝鮮軍の反撃を阻止するため、第一波の攻撃(最初の一撃)で、
弾道ミサイル基地、長射程砲陣地、航空基地など、北朝鮮軍が保有する全ての
反撃手段を破壊する必要がある。
したがって、アメリカは海軍が保有している約3000発ともいわれるトマホークをすべて投入する必要がある。
もちろん、空軍が保有する巡航ミサイルや、戦略爆撃機、ステルス戦闘機、無人機などによる攻撃も
行われるだろうが、緒戦の攻撃の主力はトマホークとなるだろう。
アメリカ海軍が保有するすべてのトマホークを投入するためには、大西洋や中東、地中海など
他の海域に配備されているトマホークを搭載した水上艦と潜水艦を、トマホークの射程距離である
3000km以内の海域に移動させる必要がある。しかし、本来の担当海域に戦力の空白が生ずる
ことを考慮すると、投入可能なトマホークの数にも限度があるだろう。
仮にすべてのトマホークを投入できたとしても、トマホークは移動する目標には使用できない。
このため、移動式発射機(輸送起立発射機:TEL)に搭載された弾道ミサイルなどは生き残る
ことになり、これらが日本や韓国に向けて発射されることになる。
アメリカ軍は大規模かつ完璧な奇襲攻撃を成功させる必要がある。このためアメリカ軍は
行動を完全に秘匿しなければならない。したがって、アメリカ政府がマスコミへ事前に攻撃計画を
公表することはない。もし、アメリカ軍の主要艦艇や航空機の動向や攻撃計画がマスコミに
スクープされてしまったら、計画を変更せざるを得なくなるだろう。
URLリンク(www.news-postseven.com)
◆ミサイル防衛の信頼性
海上自衛隊のイージス艦に搭載されている弾道ミサイル迎撃用ミサイルであるSM-3や、
地上に配備されている航空自衛隊のPAC-3は、かなり高い精度で北朝鮮の弾道ミサイルを
破壊することが可能である。
しかし、低い高度を飛行するディプレスト軌道で発射された場合や、一度に大量のミサイルを
発射する飽和攻撃に対応できない可能性があるなど、北朝鮮側がミサイル防衛の盲点を
突いてきた場合は対応できない可能性がある。
SM-3に関しては、海上自衛隊のイージス艦に搭載されているSM-3の数は防衛秘密となっているが、
アメリカ海軍が1隻あたり8発を搭載しているため、海自も同様であると思われる。
海自は6隻のイージス艦を保有しているが、そのうちの4隻にSM-3が搭載されている。
このため、(現実には4隻全てを常時即応体制にすることは困難だが)単純計算で4隻合わせて32発となる。
このように発射可能なSM-3が限定されているため、破壊できなかった弾道ミサイルは
空自のPAC-3で対処することになる。しかし、PAC-3で迎撃可能な範囲は数十キロで
あるうえ配備数も多くはない。このため、防衛できるのは大都市や重要施設に限定される。
もちろん有事となれば、アメリカ海軍のイージス艦も対応することになるため、発射可能な
SM-3の数は32発以上となるだろう。しかし、SM-3やPAC-3の数や能力とは別に、次のような問題がある。
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