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2017.7.8 09:00
★【ＷＥＢ編集委員のつぶやき】都民ファ新人大量当選 小池百合子知事の製造責任忘れない 「失われた４年間」にならぬといいが
自民党が東京都議選で「歴史的惨敗」を喫した。過去最低の３８議席を大きく割り込む２３議席だった。
都民の投票行動は「風」や「雰囲気」「気分」に左右される傾向にあるが、
永田町から吹いた風は台風に成長し、根こそぎ吹き飛ばした。
「風」は森友・加計学園問題に加え、テロ等準備罪の国会運営、豊田真由子衆院議員の暴言、
稲田朋美防衛相の発言などに起因すると分析される。国政と都政とは本来、無関係のはずだが、
都議選が安倍晋三政権の信任を問う選挙となってしまった。
有権者の多くは「政府・与党にお灸を据えよう」と一票を投じた。
ところで、今回の都議選の争点は何だったのか。産経新聞が投開票前の６月２４、２５の両日に
実施した世論調査では、都議に取り組んで欲しい政策は多い順に「医療・福祉」「雇用・景気」
「都政改革」「子育て」「豊洲市場移転問題」「東京五輪・パラリンピックの準備」などだった。
選挙戦は、「古い都議会を新しく」を掲げた小池百合子氏の支持勢力と、
最大会派の自民が対決する構図だった。小池都政に対する評価や議会改革、
市場移転問題などが主なテーマとなったが、福祉や雇用は論戦にならなかった。
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さて、自民党を駆逐し、都議選でも主役となった小池百合子知事である。
「望外の結果に驚いている」。小池氏が取材に、思わずこう口にしたほど、
自身が率いる地域政党「都民ファーストの会」は圧勝した。獲得議席数は第１党の４９。
公明の２３と合わせ、小池氏の支持勢力は過半数の７９議席となった。
小池都政がスタートして１年が経とうとしているが、「小池劇場」は最高潮のまま第２幕に入る。
自民党が主導してきた都議会の情勢が一変し、議会改革や施策を加速させることができるようになる。
そのための、舞台の設営も忘れなかった。
「今日付で都民ファーストの会の代表は野田数幹事長に戻す」
投開票翌日の３日、小池知事はあっさりと代表を退いたのだ。知事が第１党の代表を務めることで、
議会が知事の行政運営をチェックする二元代表制が担保されるのかという批判を受けぬようにとの作戦だ。
政治家として、機を見るに敏な動きは、相変わらず鋭い。豊洲市場問題で「決められない知事」などと
批判されていたのがウソのようだ。
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とはいえ、これで小池氏と都民ファーストの会の関係が変わるわけではない。
「小池新党」の実態はなにも変わらない。
小池氏は５日の新人を対象にした研修会で、秘書への強烈なパワハラを働いた豊田真由子
衆院議員を念頭にしたのか、「スタッフをしもべとして扱わないようお願いします」と強調した。
都民ファーストの議員は、自民や民進党から看板を掛け替えた議員ら以外の３９人は新人だ。
自民党で豊田氏は「魔の２回生」と呼ばれているが、今回誕生した「小池チルドレン」からも
同様に週刊誌などを騒がす議員が出ないとは限らない。
代表は辞めたとはいえ、小池氏には彼ら、彼女らを都議にした製造責任があり、
背負い続ける義務を負う。都民はそれを忘れない。
“素人集団”をまとめ上げて、都政をまさに「都民第一」に導けるかどうかは、
小池氏の手腕に委ねられる。「政界渡り鳥」の異名を持つ小池氏だが、
都政が「小池第一」となってしまえば、都民は小池氏とチルドレンにお灸を据えることになるだろう。
私たちには見た目の清新さを求め、「風」とやらに乗って投票した結果、国政を停滞させた経験がある。
都政で「失われた４年間」にならぬことを切に願う。
（ＷＥＢ編集チーム 黒沢通）
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