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2017.7.2 13:35
★【新聞に喝！】一関係者として切望する 文書問題は些末、ゆがめられた高等教育全体こそ報じよ 京大霊長類研教授・正高信男
人間には自分の気持ちを安定させるため、自らの行動を都合よく解釈するという能力が備わっている。
心理学者が認知的整合化とよぶ現象だ。前文部科学省事務次官、前川喜平氏による加計
（かけ）学園の獣医学部新設をめぐる「総理のご意向」文書の暴露にもこの現象が働いたかもしれない。
前川氏は天下り問題で引責辞任した人物である。役人の多くは天下りを悪いこととは考えていないから、
氏にとってこの責任で職場を去るのは極めて不本意なことであったと推測する。だから、文科行政が今後、
「不当にゆがめられる」ことのないよう一身を捨てたつもりなのだろう。「告発」が大騒動に発展したことで、
彼なりの達成感を味わったに違いない。
だが、加計学園や獣医学部の問題のみに焦点を当てた報道には疑問を感じざるを得ない。
文科省はこれまで雨後のたけのこの如（ごと）く大学や学部に新設を認めてきた。
大学に身を置いて状況を見てきた私は、どうにも納得できない気持ちを抱いている。
大学の学部というと、かつては文、法、経、理と相場が決まっていたが、今や名前だけでは
何を学ぶのか判然としなかったり、一度や二度聞いただけでは覚えられない名称の学部があふれている。
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