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<名古屋入管>「ネパール治安改善」で難民判決の2人不認定
6/13(火) 22:10配信 毎日新聞
昨年名古屋高裁で国の難民不認定処分を取り消す判決が確定した
ネパール国籍の男性2人に対し、法務省は治安状況が改善し迫害の
恐れはなくなったとして、改めて難民と認めない処分を決め、
13日に名古屋入国管理局を通じて伝えた。判決結果とは異なる処分に対し、
難民支援の弁護士は「司法判断を骨抜きにする決定」と批判し、
識者からも疑問の声が上がっている。
2人はいずれも愛知県内に住む40代と60代の男性。ネパール共産党
毛沢東主義派(マオイスト)から迫害を受ける恐れがあるとして難民申請し、
2011年に退けられた。処分取り消しを求めて提訴し、1審の名古屋地裁で
敗訴したが、40代男性は昨年7月、60代男性は同9月、「難民に該当する」
と逆転勝訴し確定した。
今回の不認定処分で法務省は確定判決の判断内容を「前提とする」としながら、
迫害を受ける恐れがあるとされた11年当時に比べ「12年にはマオイスト人民
解放軍が完全に解体され、警察が犯罪を積極的に取り締まっている」などと指摘。
「本国の治安状況は大きく改善されている」として、2人を難民と認めなかった。
名古屋難民弁護団事務局長の川口直也弁護士は「法務省は15年に(別の)
ネパール人を難民認定し、一定の危険性が続いていることを認めている。
難民認定の枠を広げた判決に従うべきだ」と話す。
名古屋大学大学院の稲葉一将教授(行政法)は、高裁で「11年より後の
治安状況の改善」が審理されていなかったと指摘。「訴訟で審理されなかった
理由でもう一度認定を拒否することは信義則に反する。(在留外国人の生活に
直結する)難民認定には迅速さが求められ、争いを1回で解決するよう行政も
協力するべきだ」と述べた。
それぞれの代理人の弁護士によると、法務省は難民認定しない代わりに、
就労制限のない1年間の在留特別許可を認めた。しかし、国の定住支援プログラムを
受けられず海外渡航に制約があるなど、難民認定と比べて地位は不安定になる。
2人は今回の処分に不満だが、異議申し立てはしない考えという。
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