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米国が韓国新政権への懸念を深める理由
★廬武鉉政権の悪夢が再び?根幹を揺さぶられる米韓関係
2017.6.7(水) 古森 義久
近年の米韓関係を知る人間からみると、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の
登場はどうしても廬武鉉(ノ・ムヒョン)政権の黒い影を思い出さずにいられない。
2003年2月に韓国の大統領となった廬武鉉氏は「反米、親北、反日」の志向を
濃くにじませていた。長年の同盟国である米国とは距離をおき、北朝鮮に接近し、
日本には激しい嫌悪や憎しみをみせるという姿勢が顕著だった。
■廬武鉉政権の態度に怒った米国
廬武鉉大統領は就任演説でも中国などとの「北東アジアの繁栄の共同体」をうたい、
北朝鮮もそこに含みかねない態度をちらつかせた。一方、朝鮮戦争で韓国を救った
同盟相手である米国の名は挙げなかった。
廬大統領は米国に対して、「韓国は北朝鮮や中国との間に立つ『仲介者(バランサー)』
である」と性格づけた。そのくせ有事には米軍に米韓同盟に基づいて韓国を防衛することを求めた。
米国の当時のジョージ・W・ブッシュ政権は強く反発した。政権内部からも議会でも激しい非難が起きた。
共和党ロナルド・レーガン政権で国家安全保障担当の大統領補佐官を務め、
ブッシュ政権にも近かったリチャード・アレン氏は、次のように廬武鉉政権を批判していた。
「廬政権は、北朝鮮の核武装を阻もうとする米国の政策に反対し、米国と北朝鮮の
両方に譲歩を求めています。そんなシニシズム(冷笑的態度)は米韓同盟を侵食します」。
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そして、ブッシュ政権は韓国に抗議と警告を発する具体的な行動に出る。
ドナルド・ラムズフェルド国防長官が、在韓米軍を3万7000人から1万人ほど一方的に
削減したのだ。この時点で米韓同盟は半世紀以上の歴史のなかで最大の危機を迎えることとなった。
一方、廬武鉉大統領は、金大中大統領から継承した「太陽政策」(北朝鮮との融和を図る政策)
で総額1兆円もの巨額の経済支援を北朝鮮に供与した。北朝鮮は、韓国が太陽政策を進める
間に核兵器と弾道ミサイルの開発を飛躍的に前進させた。つまり、間接的とはいえ、韓国からの
資金が明らかに北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルの開発に役立ったのだ。
■廬氏に酷似している文在寅氏の政策
文在寅氏は、その廬武鉉大統領の最側近だった。いまも廬武鉉氏の政策や思想の
忠実な継承者であることを公言する。米国に対して自らを北朝鮮などとの間に立つ
「交渉者(ネゴシエーター)」と特徴づける点も廬氏に酷似している。
文新大統領は、北朝鮮の軍事的脅威に触れることを微妙に避け、米国が朴槿恵前政権
との合意で韓国に導入した高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備にも難色を示す。
北朝鮮との融和を説き、北との開城工業団地事業や北領内の金剛山観光事業の
再開を目指そうとしている。
文政権がこうした政策を進めれば、米国のトランプ政権の北朝鮮政策と激突することは
避けられない。中国も加わる国連主体の北朝鮮への経済制裁ともぶつかることとなる。
まさに廬武鉉時代の悪夢を再現するような、朝鮮半島、米国、日本、そして中国から
国連にまで及ぶ巨大な黒い影が立ち現れるというわけだ。
文氏自身は投票日直前に米紙「ワシントン・ポスト」との会見で「トランプ大統領は
意外に現実的な指導者だ」などと語り、米国との衝突を回避する配慮を示した。
また、トランプ政権の北朝鮮制裁策に同調するような柔軟な言葉も述べた。
だが、米側の専門家たちの間では、文大統領は、北朝鮮との融和を求める
韓国内の情緒的な主張に迎合するだけで、「北朝鮮の核開発や好戦的言動を
実際にどう抑えるかという戦略は皆無に等しい」(プリンストン大学のパトリシア・キム研究員)
という手厳しい批判も少なくない。
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