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★北朝鮮の「慰安婦像」計画、金正恩氏が不許可…「日本を刺激するな」
2017年5月19日 6時40分 デイリーNKジャパン
韓国の市民団体が、ソウルの日本大使館前などに建て注目を集めてきた平和の少女像。
日本軍の従軍慰安婦被害者を象徴するもので、小さいものまで含めると韓国の国内外
50ヶ所以上に立てられている。
北朝鮮でもこれと同様の像を建てようとする動きがあったが、金正恩党委員長が中止させたと、
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が北朝鮮国内からの情報に基づいて伝えている。
■「韓国を孤立させたい」
北朝鮮では昨年6月、朝鮮戦争の開戦記念日に合わせて思想教育の
「中央階級教養館」が開館した。RFAが咸鏡北道(ハムギョンブクト)のメディア
関係者の話として報じたところでは、朝鮮労働党宣伝扇動部は当初、
この施設の入口脇に慰安婦の銅像を建てることを計画。複数の図面を作成して、
金正恩氏の裁可を得ようとした。
ところが、正恩氏はこれを不許可とし、さらには日本軍の行った様々な残虐行為を
示す展示内容を大幅に減らすよう指示したという。
その結果、同施設の展示物は米国を非難する内容のものが大部分を占めることに。
宣伝扇動部の内部では「名前を『階級教養館』から『反米教養館』に変えたほうが
いいのではないか」との声が上がるほどだったという。
正恩氏はなぜ慰安婦像の建設に反対したのだろうか。北朝鮮の国境地域の
司法機関の関係者によると、その理由は次のとおりだ。
実は、前国家保衛相を務めた金元弘(キム・ウォノン)氏も、党宣伝扇動部とは別に、
慰安婦像の設置を金正恩氏に提案していたという。中国よりも先に慰安婦像を
建てるべきではないか、との理由からだ。
中国では昨年10月、上海師範大学が、構内にあった上海慰安婦博物館を拡張
する形で中国慰安婦歴史博物館を開館させ、入口に慰安婦の像を設置している。
ところが正恩氏は「国家保衛相が関与する案件ではない」として金元弘氏の提案を
一蹴し、「国家保衛省は手段を選ばず、日本と南朝鮮(韓国)が国防と技術の
分野で協力できないように仲違いさせよ」と指示した。
さらに正恩氏は「日本との関係を改善し、過去の植民地支配に対する賠償金を得て、
韓国を孤立に追い込みたい。そのためには日本をむやみに刺激することは控えるべきだ」
と述べたとのことだ。
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