17/05/04 14:33:49.83
★北朝鮮有事で日本が「難民問題」に直面する日
「難民の人権」と「治安」のバランスが問題だ
山脇 康嗣 :弁護士
(中略)
今回はこれまでのケースとはまったく異なる。
なぜかというと、数人レベルではなく、数万人レベルの大量の難民が
一気に押し寄せることが想定され、しかも、その中に、いわゆる武装難民や
特殊工作員が紛れ込むおそれを否定できないからだ。
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現実的に、特殊工作員などをはじき出す精緻な審査を短期間で行うことは不可能である。
いったん一時庇護上陸の許可を出してしまえば、その後は適法に上陸したものとして扱われる。
そうなると、許可後に特殊工作員であることなどが判明しても、速やかに強制収容したり、
退去強制することができなくなってしまう。
入管法の条文上は、テロ行為やテロを容易にする行為などを行うおそれがあると法務大臣が
認定した場合には、退去強制できることとなっている。が、この対象にあたると認定するためには、
外務大臣、警察庁長官、公安調査庁長官および海上保安庁長官の意見聴取や協議
などが手続上必要であり、機動的な対応は現実的には無理である。
■特殊工作員が難民を偽装する可能性もある
そして、現時点では、テロ等準備罪(共謀罪)も成立していない。その前提で考えると、
難民を偽装した特殊工作員がテロ等を計画していても、準備の段階では、刑事手続きで
逮捕することも困難である。このような事情を考えて、仮に今回は基本的に、一時庇護
上陸の許可までは認めないこととしたとしても、カゲ人や病人、子どもに対しては適切な
配慮をする必要がある。また、1959年から1984年の帰還事業で北朝鮮に渡った、
いわゆる日本人妻とその家族も、受け入れなければならない。
もし、中国や韓国などの他国政府が、北朝鮮難民を限定的にしか受け入れないことを表明し、
難民自身も日本での生活を希望した場合には、どうなるか。本国が内戦状態にある
シリア難民などについてのこれまでの扱いに従えば、日本政府は、北朝鮮難民についても、
「難民条約上の難民」として認定はしないものの、最終的には人道配慮に基づき、
日本での在留を特別に認める可能性がある。
しかし、その際の「特定活動」という在留資格では、政府の定住支援(日本語教育、
就労支援など)の対象外となる。まったく異なる社会的価値観で生活してきた北朝鮮の
人々が、言葉も通じない日本で自活して定着するのは、非常に困難である。
前述したように、不法入国者だとして一律に強制収容するような考えは人道に反するし、
国際社会からの非難を受ける可能性も高い。そうなると、日本社会に受け入れるためには、
法改正も視野に入れて、大規模な予算措置を講じ、生活保護や定住支援の対象とする
覚悟が国民に求められるかもしれない。
ただし、北朝鮮からの難民が実際に発生するような事態を迎えた場合には、
日本にも何らかの形で被害が生じていることも十分考えられる。
その場合には、北朝鮮からの難民を広く受け入れることに対して、
国民からの強い反発が生じる可能性もある。
いずれにしても極めて難しい局面になることだけは間違いない。
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