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★留学生向け予備校、本を丸ごと複製 出版社が損賠請求へ
赤田康和2017年4月27日05時39分
中国人留学生に大学・大学院入試などの指導をする予備校「行知(こうち)学園」
(東京都新宿区)が、市販の本や問題集を丸ごと違法に複製し、学生に配っていた
ことがわかった。出版社側は被害額は数百万円規模にのぼるとみており、
損害賠償を求める方針。
出版社側の調べでは、違法複製されていたのは「マーケティング戦略」(有斐閣)、
「1からの経営学」(碩学舎〈せきがくしゃ〉)などの入門書や、留学生向けのセンター
試験にあたる「日本留学試験」の問題集(凡人社)など約10社の90冊。
出版社側は把握できただけでも違法複製は延べ95万9千ページに及び、
被害額は300万円以上と推計している。
著作権法は、学校の授業や私的利用では著作権者に許可なくコピーすることを
認めているが、同学園のような営利目的の予備校は「学校」には該当しない。
学園によると、講師がメールで依頼すると、事務担当者がハードディスクに保管して
ある電子データを印刷し生徒に配布。「日本留学試験対策問題集」(アスク)を
159部、「日本語総まとめN3読解」(同)を125部、「マーケティング戦略」
(有斐閣)を80部など、1冊まるごと印刷したケースも少なくないという。
違法複製は昨年6月ごろ、内部告発で発覚。出版社は同年8月、
違法複製を直ちにやめ、複製した冊数やページ数などを報告するよう求めた。
学園から謝罪と複製の実態を報告する回答があったが、出版社側は
「数量や期間を過少申告し、一部の関係者に責任を転嫁している」と判断。
同年10月、東京地裁に証拠保全を申し立てた。有斐閣の江草貞治社長は
「組織的になされた違法複製で、著者や出版社の執筆編集の労苦への
タダ乗りは許しがたい」と話す。
学園は2008年創業。関東や関西に学校があり、昨年の学生数は約1400人で、
20校以上ある中国人留学生向け予備校の業界で「シェアは50%で1位」という。
東大や京大、早稲田大や慶応大などへの合格実績があるという。
創業者の楊舸(ようが)代表は朝日新聞の取材に「創業当初、苦学生を助けたい
という思いで始まった複製が暴走してしまった。出版社から指摘を受けてからは一切
していない。弁償にも誠実に対応する」と話している。
URLリンク(www.asahi.com)
内部告発者が出版社に送ってきた、違法複製された教材の一部
URLリンク(www.asahicom.jp)
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