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★北朝鮮問題を任せるには頼りなさすぎる習近平の「鈍い反射神経」
ボケた言葉で誤魔化している場合か
長谷川 幸洋
■米中会談、習主席の「失態」
朝鮮半島はどうなるのか。
いま苦しい立場にあるのは中国だ。習近平国家主席は先の米中首脳会談で
トランプ大統領から米国に協力するのか否か、二者択一を迫られた。
トランプ政権の「力による平和」路線が具体的な姿を現しつつある。
米中首脳会談は夕食会の最中にトランプ大統領がシリア空爆を習主席に
告げる劇的な展開になった。習主席はよほど当惑したに違いない。
「子どもたちが殺されている時にこうした対応は必要と理解する」と語ってしまった。
これではロシアのプーチン大統領は面目丸つぶれである。プーチン大統領はシリアの
アサド大統領に肩入れする一方、中国とは盟友関係を築いてきたのに、よりによって
トランプ大統領の面前で習主席からあからさまに批判された格好になってしまった。
それだけではない。
北朝鮮の金正恩・最高指導者にとっても「裏切り」同然の発言だった。
ティラーソン米国務長官が「(シリア空爆は)いかなる国も国際規範や国際合意に
反して他国の脅威になるなら対抗措置がとられるというメッセージ」と語ったように、
空爆は北朝鮮に対する威嚇でもあったからだ。
習主席はどうして、こんな発言をしたのか。
ロシアとの盟友関係や、いろいろ不満はあれ、中国こそが北朝鮮の後ろ盾になってきた
関係を踏まえるなら、ここでロシアや北朝鮮を怒らせるような発言は控えなければならなかったはずだ。
たとえば、大統領に「一方的な措置は支持できない」くらいは言い返しても当然である。
ところが、まったく逆に「こうした対応は必要」で「理解する」とまで踏み込んでしまった。
この習発言を聞いて「これじゃ習主席は北京に帰ったら王毅外相からとっちめられるだろうな」
と言った日本政府関係者もいるくらいである。
■露呈した「弱点」
習主席を叱ることができる人間がどれほど北京にいるかは知らないが(笑)、
私はこの発言に習主席の未熟さ、政治センスのなさが如実に表れていると思う。
予想外の出来事が目の前で起きると、どう対応していいか分からず、思わず足を踏み外してしまう。
一言で言えば、反射神経が鈍い。事前に決めた型通りの対応しかできない。そんなタイプの人間なのだ。
これは中国に限らず、左翼に共通する特性でもある。ひたすら共産主義イデオロギーと自分たちが
丸暗記した教義を唱える訓練ばかりしているから、現実が大きく動くと、まるで事態に対応できない。
今回の発言はそれがモロに出た。これが1点。
加えて、習主席にとって首脳会談の目標はひたすら「米中関係の安定維持」にあった点を見逃せない。
なにしろ、トランプ大統領はつい最近まで「『1つの中国』原則に縛られない」と公言していたのだ。
これは後で軌道修正したが、いつまた大統領が中国に厳しく出てくるか分からない。
とりわけ最近は北朝鮮と通商問題をめぐって緊張が高まっていた。秋に中国共産党大会を
控えたタイミングを考えれば「自分こそが米国を上手に扱える」と国内に見せつける必要もあった。
だから大統領と激しく口論したり、批判されたりするのは避けたかった。それが頭にあるから、
まったく予想外のシリア空爆を通告されて動揺してしまった。それで、つい「お追従」のような
言葉まで発してしまった。私はそう見る。
それが証拠に、習主席は4月12日になって突然、トランプ大統領に電話し「北朝鮮情勢は
平和的な解決を望む」「シリア問題は国連安全保障理事会の結束維持が重要」と訴えた。
その問題はつい5日前の首脳会談で話題になったばかりというのに、である。
「平和的解決」とか「安保理の結束維持」程度のことを言いたいなら、会談で直接、
言えばよかったのに言いそびれてしまったから、後から電話で取り繕った格好だ。
みっともないと知ってはいるが、きっと王毅外相に言われて付け足さざるを得なくなったのだろう(笑)。
付け足して修正したのはいいが、それでも原則的な型通りの建前しか言えなかった。
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