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★なぜフェミニストたちは無意味なパフォーマンスに走りたがるのか
「国際女性デー」に感じるモヤモヤ
川口 マーン 惠美
■「キッチン奴隷制」も今は昔
少し前の話になるが、3月8日、ドイツ人の知り合いの女性から唐突に、
「国際女性デー、おめでとう!」というメールが届き、びっくりした。
「国際女性デー」など意識したことはなかったし、実際、日本でもドイツでもほとんど話題にはならない。
私の知り合いは、ソ連崩壊の後、旧ソ連邦のある国からドイツに“帰国”した人々の一人だ。
ドイツは血統主義を取っているので、先祖にドイツの血が流れていると証明された人に対しては、
ほぼ無条件に帰化を認めている。連邦政治教育センターの発表では、1950年から2011年までに、
ソ連邦、及び、東欧の国々から帰国した元ドイツ人の数は、450万人にも上るという。
「国際女性デー」は、旧ソ連圏では大きな意味があった。今もロシアでは、1966年以来の
国民の祝日だ(スターリンが決めた)。女性はお花やチョコレートをもらい、皆から感謝される。
母の日や敬老の日と少し似ている。
共産圏では女性の労働力は、とても貴重だった。就労における男女平等は、
共産圏の国々の方が、西側諸国よりも一歩先に進んだ。ソ連共産党は、
1920年代、キッチンのないアパートの建設まで計画していたという。
3度の食事を職場や学校などの食堂でとれば、女性は料理に縛られずに済む。
当時のソ連のポスターには、赤と黒の力強い構図に、「キッチン奴隷制を打倒せよ」というスローガンが踊っている。
ソ連時代のポスター
URLリンク(gendai.ismcdn.jp)
しかし、それから100年、今はどうなのだろう?
私は、西側諸国では、男女同権はすでにほぼ達成されていると思っている。
抑圧されている女性はまだいるだろうが、抑圧されている男性の数よりずっと多いとも思えない。
だからこそ、国際女性デーは意味をなさず、ほとんど無視されているのである……。
■フェミニズムのジレンマ
ところが、どうもその考えは間違っていたらしい。フェミニズム運動は、実は今も烈火のごとく
燃え盛っている。しかも、ほぼ平等なものを、さらに均そうというのだから、運動は先鋭化を免れない。
先月、スウェーデンの貿易担当大臣リンデ氏(女性)が、国内のフェミニストの人たちから
さんざん非難された。イラン訪問の際に、頭にスカーフを付けたからだ。
断っておくが、イランではそれが法律である。したがって女性はこの国では、大臣であろうが、
また、どんな信条を持っていようが、ふわりとでもスカーフを被らないことには、ホテルの部屋
から外に出ることさえできない。
しかし、世界で一番進んだ男女平等の国の一つであるスウェーデンには、その大臣の
スカーフにいちゃもんをつけた人たちがいた。「政府の信条と矛盾する」のだそうだ。
リベラル政党である自由党(FL)の党首いわく、「リンデ大臣は、フェミニンな外交を
目指すスウェーデンの名声を汚した」(2月14日付シュピーゲル・オンライン)。
どうも、自分たちのやりかたが世界中で通用すると思っているらしい。
URLリンク(gendai.ismedia.jp)
実は、その少し前、スウェーデンの外相(女性)が、やはりこのフェミニズムのジレンマに陥った。
サウジアラビアのブロガー、ライフ・バダウィ氏がイスラムを侮辱した罪に問われ、
10年の懲役と1000回の鞭打ち刑を言い渡されたことを批判したところ、
それがサウジとスウェーデンの外交問題にまで発展してしまったのだ。
結局、スウェーデン外相はアラブ連盟の会合で予定していたスピーチもできなくなり、
両国が結んでいた安全保障における協力関係も更新されないことになった。
外交上、かなりの損失である。
それに比べて今回、リンデ氏はスカーフを被り、30億クローナ(約380億円)もの各種商談をまとめた。
両国の会合の写真を見ると、スウェーデン側の15人の外交団のうち12人が女性。
一方、相手のイラン側は全員が男性。スカーフはしていても、スウェーデン女性たちは
正真正銘のウーマンパワーを見せつけている。これこそスウェーデンにとっては、
二重の意味で実りある外交ではないか。(以下リンク先で読んでください)
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