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★日韓対立煽動に利用された『強制連行の神話』(前編)
軍艦島の説明として取り上げられた捏造写真
崔 碩栄 (ジャーナリスト)
「軍艦島」への関心が高まっている。きっかけになったのは、この夏に韓国で公開予定の映画
『軍艦島』である。映画『軍艦島』は日本統治期に長崎県端島(通称:軍艦島。以下軍艦島とする)
に強制連行され、炭鉱労働を強要された、それはもう奴隷のように酷使されたという朝鮮人たちを
描いた物語である。韓国人が日本の炭鉱労働について持っているイメージといえば、強制連行、
飢え、重労働、殴打……など、正に「地獄」のような世界だ。日本側は当時の記録、元軍艦島の
住民の証言をもって「地獄」を否定するが、その声は一般の韓国人の耳には届かず、韓国には
「軍艦島=地獄」という認識が定着している。
■朝鮮人強制連行悲劇のシンボルになった「落書き」
下に示す動画を見て欲しい。韓国の公営教育放送EBSが2014年12月18日に放送した
教養番組「e歴史チャンネル」の1分10秒の部分に登場する場面。番組の導入部分として
登場したこの画面で右下に書いてある『지워지지 않는 상처-강제동원』
(消えない傷―強制動員)というのがこの日のテーマだ。
URLリンク(www.youtube.com)
番組の内容は日本統治期、動員令により軍艦島に強制動員された朝鮮人たちの記録
―危険な作業に従事したにも関わらず給料さえもまともに貰えない状況下で酷使され
続けたり、あるいは、地獄のような島を脱出しようとして命を失った人々も少なくなかったと
いうものである。
導入部に登場したこの白黒写真は炭鉱の朝鮮人寮の壁に残されたという朝鮮人の
落書きであるが、「お母さんに会いたい」「お腹すいたよ」「故郷に帰りたい」と書かれている。
番組の内容を圧縮したような強力なメッセージである。この番組を見た韓国人の多くが
日本に対して怒りの感情を抱いたことは間違いないだろう。だが、ここには見逃しては
ならない大きな問題がある。それはこの写真資料が「捏造」されたものだという問題である。
実は、この写真は韓国ではよく知られた「写真資料」だ。ずいぶん前から書籍、新聞、
TVなどを通じて紹介されているもので、最近でも軍艦島の強制連行についての話を
するときには頻繁に持ち出されているものだ。つまり、この話で韓国人が日本に対する
反感を抱くようになるために一役買っている「写真資料」なのである。
尚、この写真は日本でも日本の植民地政策についての写真資料として大手メディアに
よって紹介されてきた。例えば、毎日新聞社が発行した書籍の中で、朝鮮人に対する
日本の過酷な虐待の例として紹介されている。『別冊1億人の昭和史 日本植民地史①朝鮮』。
だが、この写真資料は、いつ、どのようにして誕生したものなのか。その事実は伏せられたまま、
写真だけが独り歩きしているのだ。
URLリンク(wedge.ismedia.jp)
実はこの落書きの写真が撮影された場所は軍艦島ではない。福岡県の筑豊炭鉱である。
しかし、場所の問題よりももっと大きな問題は、落書き自体が「捏造」であるという点だ。
この写真が最初に登場したのは1965年。在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)傘下の
在日本朝鮮文学芸術家同盟が制作した映画『乙巳年の売国奴』(原題:을사년의매국노)
という映画だ。筑豊炭鉱で朝鮮人労働者の痕跡を辿って撮影されたこの映画の中で
労働者宿所の壁に書かれていた文字として紹介されたのが、この「落書き」が世に出た契機である。
その後、この落書きの写真は韓国に渡り、日本の残忍性を示す資料として幾度となく
マスコミにより拡散され、韓国全国民の記憶の中に刻まれるに至った。韓国育ちの
韓国人であれば一度は見たことのある写真であるといっても過言ではない。
この写真が捏造だということが明らかになったのは2000年。西日本新聞が報じた1月3日の
社会面に大きく掲載された記事には、1965年に映画を撮影していた現場にいたスタッフの
「告白」が掲載されている。「告白」によると、撮影時に監督の指示で壁に韓国語で落書きが
書かれたのだという。
(以下リンク先で読んでください)
URLリンク(wedge.ismedia.jp)