17/02/17 11:51:17.07
★トランプの「メキシコの壁」をドイツは絶対に批判しない
目下の課題は「難民のEU上陸」阻止
川口 マーン 惠美
■「壁」は世界中に存在する
トランプ大統領のイスラム敵視の言動を、ドイツが激しく非難している。
反民主的だ、人種差別的だ、アメリカらしくない等々。
ドイツ政府は一昨年、メルケル首相の鶴の一声で、中東難民を無制限に入国させ、
自らの人道的態度を世界に誇った。そして、それを褒め称えたのがドイツメディアだったから、
今、トランプ批判には、両者ともヒステリックなほど力がこもる。
ところが、メキシコ国境に壁を作る話の方はほとんど無視。
何といってもドイツは、「壁」にかけては前科がある。下手に口を出すのは得策ではないのだろう。
ちなみにドイツの壁といえばベルリンだけが有名だが、忘れてはいけないのはそれ以外の場所だ。
当時、東西ドイツの国境は1378kmに及んだ。しかし、その全長にベルリンのような壁が
立っていたわけではなく、国境は石ころさえない広大な立ち入り禁止の無人地帯で、
そこに130万個の地雷が埋められ、しかもあちこちに、動くものはすべて撃ち抜く自動
射撃装置が配備された。東ドイツはこの施設を、「世界で一番優れた安全システム」と誇った。
それに比べて、メキシコの壁はそこまで殺人的ではないだろう。抜ける方法はいろいろありそうだが、
おそらくトランプ大統領もそんなことは百も承知で、壁の建設自体を景気刺激策として捉えているに違いない。
かつてイギリスの経済学者ケインズは、「失業者をそのままにして失業手当を払うより、
その分の紙幣を瓶に詰め、失業者の半分を雇って穴を掘って埋めさせ、残りの半分に
それを掘り出させる方が、景気対策として有効である」と主張したというが、メキシコの壁と聞くと、
その話を思い出す。セメント業界や建設業界では、ニューディール政策の再来かという期待感さえ高まっている。
そもそも壁やら柵は、経済格差のあるところには付き物だ。
80年代、私はベルリンだけでなく、香港と中国(深圳)の国境の柵も見た。
東ドイツでは自国民が逃げないよう、香港では中国からの侵入者を防ぐため、
どちらも自動小銃を抱えた兵隊が見張っていた。
また今でも、アフリカ北部のスペインの飛び地、セウタとメリリャには、見るも恐ろしいような柵がある。
EUに入りたい一心、アフリカ人がその柵を命をかけて越えようとしている様子は、
インターネットで見ることができる。震えの来る映像だ。
また、その他にもEUにはすでにあちこちに柵やら塀がある。
URLリンク(gendai.ismedia.jp)
■「アメリカ・ファースト」は反民主主義か
アメリカとメキシコの国境の砂漠地帯にも、もちろんすでに延々と柵がある。
メキシコが怒っているのは、これからアメリカが建設するという壁の費用の負担を迫られたからだが、
おそらく怒りの根はもっと深い。
実は、今の国境地域は、元はと言えば、メキシコの土地だった。ことの始まりは1830年代。
当時のメキシコ合衆国がアメリカ人の入植を認めたら、10年余りでテキサスもカリフォルニアも
すべてアメリカに取られてしまったのだ。
その挙句、今では柵の向こう側は世界で有数の豊かな国で、こちら側は麻薬ギャング達に
警察や政治家までが牛耳られ、治安はないに等しい経済破綻国。恨みは募るが、
とはいえ基本的にアメリカ依存をやめられるわけでもない。
端的に言うなら、このように強権的な“民主主義”大国(!)の隣にいるメキシコ人は、
運が悪かったのである。
ただ、トランプ大統領の唱える「アメリカ・ファースト」政策が、それほど極端なものかというと、
それも違う気がする。
政治家は、国益のためと思うからこそ、他国と協力したり、妥協したり、取引したり、
戦争したりする。もちろん、相手が弱ければそんな面倒なことはせず、脅して言うことを聞かせる。
「自国ファースト」は、言うなれば、政治家の自国民に対する義務でもある。
(以下リンク先で呼んでください)
URLリンク(gendai.ismedia.jp)
関連スレ
【国際】衝撃の結果、欧州10カ国で移民に「ノー」 移民の受け入れを「停止すべき」はポーランドで71% [02/16]
スレリンク(newsplus板)