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2017.2.13 17:00
★【三井美奈の国際情報ファイル】トランプ政権の移民入国禁止令 なぜかイスラム圏アラブ諸国が擁護 そのワケは?
トランプ米政権による中東・アフリカ7カ国からの入国禁止措置が世界中を混乱に陥れている。
「イスラム教徒への差別」の批判が高まる中、アラブ圏諸国は「テロ対策なら大いに結構」と
擁護している。背景には何があるのか。
1月29日、トランプ大統領と電話会談したサウジアラビアのサルマン国王は国王は入国禁止に
抗議するどころか、側面支援した。国営サウジ通信によると、2人は「テロや過激派対策などで
必要な措置をとることで意見が一致」し、入国禁止への言及は一切なし。
さらに、2人は「外国に干渉し、地域の安全保障を脅かす存在には立ち向かうこと」でも合意したという。
「外国」がサウジのライバル、イスラム教シーア派盟主のイランを指すのは明らかだ。
イランはイエメンやシリア内戦介入を通じて覇権を広げている。
アラブ首長国連合(UAE)のアブドラ外相は今月1日の記者会見で「特定の宗教を標的にした
措置ではない」と述べ、入国禁止を擁護した。2001年の米中枢同時テロの実行犯19人のうち、
サウジ出身者は15人、UAEは2人。まさに「テロリストを拡散した国」だが、いずれも入国禁止対象から除外された。
URLリンク(www.sankei.com)
トランプ政権は3日、サルマン国王に応えるように、イランの弾道ミサイル発射実験に
対する追加制裁を発表した。これは、2015年にイランと核合意を結び、
対話路線をとったオバマ前政権からの転換を意味する。米国内での資産凍結・取引
禁止の対象に25個人・企業を加えた。トランプ氏はツイッターに「イランは火遊びしている。
『親切』なオバマ大統領に感謝しなかったようだ。私は違う」と書き込み、これからも強硬姿勢で迫ると宣言した。
入国禁止自体、イラン封じの性格が濃厚だ。7カ国にはイランのほか、イランの影響力が強い
シリア、イエメン、イラクの3カ国が含まれる。テロリストを生んだ「実績のある国」である以上に、
イランとその関係国が標的とされた。そもそも米国内で近年、シーア派教徒がテロを起こしたことはない。
トランプ氏の「石油産業重視」も湾岸アラブを喜ばせている。就任4日後、
オバマ前政権が環境保護派への配慮から凍結した石油パイプライン建設の推進を決めた。
サウジのファリハ・石油鉱物資源相は英BBCのインタビューで「化石燃料を過度に敵視する
非現実的政策からの脱却だ。我々は対米投資を増やす用意がある」と述べ、手放しで歓迎した。
URLリンク(www.sankei.com)
エジプトも入国禁止に反対するどころか、率先して従う姿勢を見せた。大統領令が出た直後、
国営エジプト航空はイラク人乗客の米国行き便搭乗を差し止め、イラクに送還した。
エジプトは中枢同時テロの主犯格モハメド・アタ容疑者の出身国だが、サウジ同様に入国禁止の対象外だ。
エジプトのシーシー大統領の「トランプびいき」は際立っている。トランプ大統領就任の3日後、
アラブ圏首脳として最初に電話会談した。エジプト政府報道官は、トランプ氏が「テロと戦う
エジプトの姿勢」を評価したと発表した。シーシー氏にとって、「テロリスト」はムスリム同胞団と同義語だ。
シーシー氏は軍部を率いて、同胞団出身のモルシ前大統領をクーデターで放逐。
同胞団を「テロ組織」に指定して弾圧した。人権重視のオバマ前大統領は、武器供与や
対外支援を差し止めた。シーシー氏がトランプ政権に関係改善の期待をかけるのも無理はない。
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サウジ紙「アラブ・ニュース」は論説記事で、米欧報道が入国禁止を「イスラム教徒への差別」
とみなし、米国とアラブ同盟国との関係悪化につながると指摘したのを「偽善的。まったく事実と
異なる」とこきおろした。「古くからの同盟重視」を掲げるトランプ政権誕生は、サウジやエジプト
にとって願ってもない追い風だ。「イスラム教徒の連帯よりも、国益優先」というホンネが出た。
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