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★独メディアの「トランプ批判」はもはやヘイトスピーチレベル!
シュピーゲル誌表紙のえげつなさ
川口 マーン 惠美作家
■第四の権力とポピュリズム
ドイツの『デア・シュピーゲル』は、1947年創刊のニュース週刊誌で、
緻密で強力な取材と多分に反権力的な主張で定評がある。
いったい戦後、誰がドイツの世論を先導してきたかと考えるなら、シュピーゲル誌の
貢献度は、良きにつけ、悪しきにつけ、かなりの比重を占めるに違いない。
そういう意味で、シュピーゲル誌は過去も現在も、まさに第四の権力の象徴である。
さて、今週発売の同誌が物議を醸している。問題は表紙のイラスト。
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トランプ大統領らしき人物が、左手に血まみれの鉈を持ち、右手に自由の女神の首を
ぶら下げている。自由の女神の首からは血が滴り落ち、イラストの横には、
「アメリカ・ファースト」の文字。
トランプ大統領らしき人物の姿は、イスラム国のテロリストが、掻っ切った生首を
ぶら下げていたネットの映像と綺麗に重なるようになっている。
フランスのシャルリ・エブド紙が、ときにイスラムの預言者ムハンマドを戯画化して茶化すのは、
他国の宗教と信者の心を踏みにじる卑劣な行為だと感じたものだが、シュピーゲル誌のト
ランプ攻撃もえげつない。
もちろん、彼の移民政策は、すでにアメリカの内政を混乱させている。関税問題も、
メキシコの壁騒動も、アメリカ国民のみならず、多くの国の人々を戸惑わせている。
アメリカの世論は二分しており、反トランプデモの盛り上がりは、世界中で報道された。
とはいえ、トランプ氏は一国の元首である。しかも、民主主義国アメリカの国民が
選挙によって選んだ大統領だ。
就任は1月20日だから、大統領となってからこの雑誌が出るまで、まだ16日しか
経っていない。なのに早々にこのような形で挑発し、侮辱することは正しいのか?
疑問符のつく元首は、他にもたくさんいるではないか。
ちなみにこのイラストは、1980年にアメリカに亡命したキューバ人の作品だという。
元キューバ難民なら、アメリカ大統領をテロリストと同一視しても許されると、
シュピーゲル誌は考えているのだろうか。
いずれにしても、私にはこれが表現の自由だとは思えない。
それどころか、これこそ彼らがいつも軽蔑しているポピュリズムに限りなく近いと感じる。
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■「右派ポピュリスト」の反撃
ドイツの反トランプ報道は、たがが外れてすでに久しい。米大統領選挙戦の最中、
シュタインマイヤー外相(当時)はトランプ氏のことを「ヘイトスピーカー」と非難した。
そのシュタインマイヤー氏は、今月12日よりドイツ大統領、つまりドイツの元首となる。
また、その後継者であるガブリエル現外相は、大統領選挙後、あるインタビューで
トランプ氏のことを「新しい独裁主義と国粋主義の国際同盟に先鞭をつける人」と称し、
彼の勝利は「我々にとっての警告」だと述べた。
そのガブリエル氏は2月3日、外相就任後一週間で訪米し、ホワイトハウスでペンス
副大統領とティラーソン国務長官と会談した。しかし、普通なら行われるはずの
共同記者会見は開かれなかった。今、ドイツでは、トランプ氏のせいで米独関係に
黒雲がかかったように言われているが、本当にすべて氏のせいなのだろうか?
さて、問題のシュピーゲル誌の表紙については、様々なコメントが飛び交っている。
ビルト誌の編集長ユリアン・ライヒェルト氏は、「これまで見たものの中で、ずば抜けて不快で、
悪趣味」と言い、ノイエ・チューリヒ新聞は、シュピーゲル誌の「損失は多大である」と手厳しい。
なかでも逸品はAfD党の党首フラウケ・ペトリィ氏のツイート。これがなかなか面白い。
AfDは常に「右派ポピュリスト」として、メディアの槍玉に上がっている党であるが、
ぺトリィ氏は、「シュピーゲル誌は真摯なジャーナリズムに別れを遂げた」と書き込んだうえ、
トランプ氏とメルケル氏を入れ替えた“新シュピーゲル”の表紙を貼り付けた。
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