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★中国・ロシア領土返還交渉 「引き分け」解決の島は
来週の日ロ首脳会談で北方領土問題は進展するのかが注目されていますが、
実は中国とロシアの間では一足先に領土問題が解決しています。
中国の一番東に位置する黒瞎子(ヘイシャーズ)島。ここは1929年から旧ソ連が占領し、
中国側が返還を求めていました。中国とロシアは8年前、この区域を2等分する形で
国境線を引いて、問題を解決しました。まさに「引き分け」といえる解決法です。
このやり方、日ロ間の交渉にも生かすことができるのでしょうか。
「東の空から太陽が昇ってきました。中国の中で最も早く見ることのできる日の出です」(記者)
北京からおよそ1800キロ。黒龍江省にある中国本土最東端の広場です。対岸にロシアの村が
見えるこの広場には、漢字で「東」の形をした巨大モニュメントや、中国風の展望台が設けられ、
夏には多くの観光客でにぎわいます。しかし、ここを訪れる観光客には、もう一つ別の目的が・・・
「後ろに見えるのが黒瞎子島ですが、島の左側には中国の国旗、右側にはロシアの教会が見えます」(記者)
アムール川とウスリー川に浮かぶ中ロ国境の島、黒瞎子(ヘイシャーズ)島です。
この島は、旧ソ連が1929年に武力で占領して以降、ロシア側の実効支配が続き、
中国とロシアの係争地となっていました。しかし、ソ連崩壊後、プーチン政権は中国側と
領土交渉を加速。占領から79年後の2008年、島を東西にほぼ2等分する形で国境線が
引かれ、中ロの領土問題に終止符が打たれました。そして、近年、この島が再び脚光を浴びます。
「我々は妥協点を見つけなければならない。それは引き分けのようなものだ」(プーチン大統領 12年3月)
2013年の日ロ首脳会談。プーチン大統領は安倍総理との会談で、北方領土問題を解決するための
一例として、黒瞎子島に言及。「引き分け」による解決の“先例”として注目を集めたのです。
「国境の近くに塔のようなものが建っています」(記者)
領土返還から8年。中国政府は島の西側の観光地化を急速に進めていました。
島全体を見渡せる高さ81メートルの仏塔や、宿泊施設を相次いで建設。
100億円以上かけて島に渡るための橋をつくったほか、かつてロシアの国境警備隊が
使用していた兵舎を公開し、遊歩道のある自然公園も整備しました。
さらに、4年前には鉄道が開通。翌年には空港もオープンし、北京との定期便が就航しています。
「お疲れさま」(習近平国家主席)
「お気遣い、ありがとうございます」(兵士)
今年5月には、習近平国家主席が島を視察し、政府がこの島を重視している姿勢を強くアピールしました。
「 旅行者が大勢来るようになり、10月の連休は1日に1000~2000人」(島の警備員)
「観光客が増えて、近くの町の発展に貢献しています」(島のガイド)
黒瞎子島から車でおよそ30分、「中国最東端の町」撫遠市です。ロシア貿易の玄関口として
ロシア語が溢れるこの町に、国内外から観光客が押し寄せるようになりました。
「(観光客が)少なくとも倍以上に増えました」(撫遠市民)
「飲食店や宿泊施設に影響があり、需要に応えられないときもあります」(撫遠市民)
市内中心部に去年、オープンした免税店です。中国産より安いロシアの商品が9000種類も
そろっていて、観光シーズンには島を訪れた旅行客が商品を次々と“爆買い”していくといいます。
「(ロシアの商品は)全てが良いね。チョコ、アメ、粉ミルクとか」(客)
「品質が良いから、みんなこの店に来るんですよ」(客)
観光客が増えたことで街の経済は急速に上向き、市民生活の向上にもつながりました。
「(島の返還は)発展につながりましたね。若者が会社を立ち上げ、就職し、良くなりました」(撫遠市民)
URLリンク(news.tbs.co.jp)