16/12/06 16:29:27.30
2016年 12月 6日 16:11 JST
★東京高裁、タイ人少年の控訴棄却 退去処分の取消求めた控訴審
[東京 6日 ロイター] - タイ人のウティナン・ウォンさん(16)が東京入国管理局に対し
退去強制処分の取り消しを求めた控訴審で、東京高裁は6日、控訴を棄却する判決を下した。
ウティナンさんは記者会見で判決を聞いた時の気持ちについて「こんなに簡単に決められてしまうのか。
悔しい。とても悲しかった」と述べた。
判決後の記者会見で支援団体関係者は「大変残念な判決で、落胆している」とし、
今後も支援を続ける方針を示した。
担当の児玉晃一弁護士は「実質3─4ページの薄っぺらい判決で、一審と同じ。
なぜ訴えが認められないのか、今もわからない」と述べた。
最高裁に控訴するかどうかは未定だという。
ウティナンさんとタイ人の母親は、2014年に東京入国管理局から強制退去を通告され、
2015年1月、東京地裁に強制退去処分の取り消しを求めて提訴した。
今年6月、東京地裁は2人の請求を棄却する判決を下した。
ただ、判決では母親が本国に送還されたあと、養育に責任を持つ者がいれば、
子どもの在留特別許可が再検討される余地がある、と付記されていた。
これを受け、母親は9月にタイに帰国し、ウティナンさんのみが7月、地裁の判決を不服として
東京高裁に控訴していた。ウティナンさんは母親を見送りに行った成田国際空港で
ロイターなどに対し、「お母さんは僕が日本にいられるために帰るつもりだ・・・さみしい」と語った。
今回の判決では、母親が帰国したことや、地裁判決での「再検討の余地」との記述については
一切ふれられていない。
URLリンク(jp.reuters.com)
ウティナンくんは2000年、甲府で生まれた。母親は不法滞在のままタイ人男性との間に
ウティナン君をもうけた。その後、母親がタイ人男性と別れたため、母1人・子1人で生活してきた。
小学校にも通えなかったウティナンくんだが、13歳の時、地元の人権団体などの支援により、
中学校に編入することができた。しかし、母親の不法滞在を理由に退去強制処分を言い渡されてしまう。
日本はアメリカやブラジルのように、生まれた場所で国籍が決まる「生地主義」ではなく、
親の国籍によって子供の国籍が決まる「血統主義」を採用している。
そのためウティナンくんは日本で生まれたにも関わらず、日本国籍を持つことができないのだ。
「『君とお母さんはタイに帰りなさい』ときつく言われて、頭の中が真っ白になりました。」
「僕は日本で生まれて育ったので日本のことしか知りません。」
ウティナンくんは一度もタイを訪れたことがなく、タイ語は読み書きさえ出来ない。
去年、母子は処分の取りを求めて提訴するも棄却。しかし判決文には、不法滞在を続けてきた
母親がタイに帰国後、親代わりの人物が現れた場合、ウティナンくんの在留特別許可について
再検討される可能性があるということが書かれていた。
ことし9月、母子はこの可能性にかけた。母親は息子を残しタイに帰国、そしてウティナンくんは
一人で東京高裁に控訴、裁判を続けることを決めたのだ。今、母とは、週に数回LINEなどで
連絡を取り合っているという。
「本当ならお母さんも一緒に、僕と一緒に日本で生活していきたいと思っているはずなんですね。
でも、その気持ちを抑え僕のために帰ったので、僕はお母さんの分も裁判に勝って、
日本にいられるように頑張っていきたいと、改めて心から固く誓いました。」
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)