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2016.11.20 22:51
★【天皇陛下ご譲位】皇室制度を考える 大原康男・国学院大名誉教授「陛下が『おられる』だけで共有される安堵感」
そもそも論になりますが、公務を執り行うことができなくなった天皇は、地位を退かなければならないのでしょうか?
私はそうではないと考えます。
思い起こしてみてください。昭和天皇の闘病中、皇居前には人々が記帳のための長い列をなしました。
秋雨の中、何時間も何時間も待ちました。
先の大戦、そして焼け野原からの復興、経済成長…。激動の時代をともに過ごしたという共感を人々が
抱いていたからこそ、1千万もの記帳が集まったのです。
戦後、天皇は「統治権の総攬(そうらん)者」から「象徴」へと位置付けが変わりましたが、精神的、文化的、
社会的統合のシンボルであり続けています。
天皇の「象徴」としての機能は、被災地訪問や行幸などの目に見えるものと、「おられる」だけで国民が
安堵(あんど)感を共有するという性格のもの、大きく二つに分けることができます。「公務をできなくなったら
退かなければならない」というのは、あまりに前者を重視し過ぎた見方ではないでしょうか。天皇の存在は、
無意識のうちに社会の安定につながっているのです。
こうした理由から私は譲位には反対です。皇室典範は精神、身体が重患、また、重大な事故で国事行為を
行うことができない場合に、「摂政」を置くと規定しています。この条件に「高齢」を加えれば、譲位をされなくても
対応できる。これが私の考えです。
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ただ、どうしても譲位の制度を導入するというのなら、一代限りの特別措置法ではなく、皇室典範改正に
よって対処すべきです。特措法では、天皇の恣意的(しいてき)な譲位を認める「前例」を作ってしまうことになる。
仮定の話ではありますが、将来、「この法案がいやだから譲位する」といった事態が起きれば、政治の混乱を招きかねません。
さて、陛下のご公務の負担軽減に関してですが、宮内庁は何年も前から減らそうと努力しています。
しかし実態はそうなっておらず、今上陛下は壮年期と変わらない量をこなされています。
地方から行幸などの要望が多く、しかもご訪問の頻度に不公平が生じてはならないので、
なかなか軽減できないようです。
難しい問題ですが、陛下の名代として他の皇族方に代行していただくことで、
ご公務の量を減らしていくほかないと考えます。
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