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★日テレ炎上!レディー・ガガ発言を「超訳」してしまう業界構造
窪田順生 [ノンフィクションライター]
■日テレの「意訳」が
■ネットで炎上
米大統領選でトランプ氏の勝利をうけて、マスコミも蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた
11月9日夕方、奇妙な報道があった。
日本テレビの「news every.」が「速報」として、トランプ氏が住むトランプタワー前に、人気歌手の
レディー・ガガ氏が車であらわれ、「Love trumps hate.」(愛は憎しみに勝る)というプラカードを
掲げた映像を紹介、このようなナレーションを流した。
「手に持ったプラカードに書かれていたのは、『トランプは嫌い』のメッセージ」
さらに、このプラカードと同じことをガガ氏が叫んだところで、画面上にも「トランプは嫌い」のテロップを表示したのだ。
これを受け、ネット上では「ひどすぎる誤訳」という指摘が相次いだ。ガガ氏はインスタグラムでも同じプラカードを
掲げた写真を公開し、「Love trumps hate.」というメッセージに続いて、「Let’s take care now of each other」と、
対立をしないように呼びかけていたからだ。
ただ、その一方で、「意訳の範囲だろ」と擁護する声もあがっている。実はこの「Love trumps hate.」は、
ガガ氏が支持を公言していたヒラリー・クリントン氏が選挙キャンペーンで使用したフレーズ。
「〜に勝つ」という動詞・trumpと、差別的発言を繰り返す人物・Trumpをかけた皮肉。
それを踏まえて「視聴者にわかりやすく、字幕翻訳家の戸田奈津子さんばりの『意訳』をしたのではないか」というわけだ。
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■外国語を「意訳」して
■情報操作をする
では、日本テレビの真意はどのようなものなのか。「トランプ嫌い」は「誤訳」なのか「意訳」なのか、
広報に聞いたところ、以下のような回答が帰ってきた。
《ご指摘の訳は、その後のニュースでは、「愛は憎しみに勝つ」として放送しています》
そんな重箱の隅をつつくような質問はやめてください、という感じが行間から伝わってきて、
こちらとしても大変心苦しいのだが、やはり第一報であのようなテロップを出したという事実に、
どうしても引っかかってしまう。
近年、テレビ業界では、外国人の発言をテロップで「意訳」して、印象操作をしたのではないかと
指摘されるようなケースが続々と露呈しているからだ。
たとえば、先月TBSで放送された「メイドインJAPAN★日本を誇りに思えるSP」という番組があった。
イランと日本のハーフの11歳少女が、まだ一度も会ったことがないイランで暮らす祖父に、
日本製のウォシュレットなどの「メイド・イン・ジャパン製品」を届けにいくという内容なのだが、
そのなかで、イランに到着した少女がジュースバーで、親指を立てておいしいことを表現したところ、
店主がいきなり怒り出すというシーンがあった。
イランではサムズアップは欧米における中指を立てる行為と同じく、侮蔑のジェスチャーになるが、
少女は日本で生まれ育ったので、ペルシャ語も話せない。激しく苛立つイラン人店主に、戸惑う少女。
そこで表示されたテロップはこんな感じだった。
「どういう意味だ お嬢ちゃん!? 飲んでおいて ふざけるんじゃねーぞ 何が言いたいんだ この野郎!
バカにしてるのか!? さっさと目の前から消えてくれ!」
これは「意訳がすぎる」と朝日新聞テヘラン支局長の神田大介氏がSNSで指摘。ペルシャ語に堪能な
神田氏によると、映像のなかでイラン人店主は、「どういう意味だ? おいしいものを飲んだのに、
今のはいったいなんだ。さあ、行った行った」というニュアンスの言葉を話しており、しかも最後は英語で
いうところの「please」を繰り返していたという。
異国で戸惑うかわいそうな少女をより強調させるには、名もないイランの市井の方には「意訳」のマジックで
ちょいと悪役になっていただこうという「演出」である。
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