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★金正恩氏の「海賊海軍」は中国漁民をリンチ…黄海での水産資源争い
デイリーNKジャパン / 2016年10月13日 11時55分
(中略)
中国漁船でさえ「海賊」として恐れをなす対象がある。北朝鮮海軍だ。
朝鮮半島西側の黄海では、ワタリガニ漁を巡り南北の海軍艦艇がぶつかる事件が
過去に起きているが、中朝間でもそれに劣らぬ争いが繰り広げられている。
北朝鮮海軍は外貨稼ぎの一環として、自国海域の漁業権を中国漁船に売り渡す。
その一方で、漁業権を得ていない違法漁船は無慈悲に取り締まる。
名目は取り締まりだが、違法操業の漁船を見つけるや襲撃し、金品を強奪。
時には、長時間にわたって凄惨なリンチを加える。まさに「海賊」そのものだ。
もはや取り締まりとは言えない北朝鮮海軍の横暴な振る舞いだが、
中国側も被害船が違法操業をしていることから強く抗議できないようだ。
その狼藉ぶりはともかく、例え大国・中国であろうと自国の水産資源を脅かす行為に
対して、真っ向から闘う北朝鮮海軍の気概は少しぐらい称えられてもいいかもしれない。
ただし、北朝鮮漁船もロシア海域で傍若無人に振る舞い、ロシア国境警備隊の反感を買っている。
こうした北朝鮮海軍と現場の漁船の荒っぽい姿勢に、北朝鮮政府の意向がどこまで
反映されているのかは不明だ。一つ言えるのは、金正恩党委員長は水産資源に対して
異常と言えるほどの執着ぶりを示していることだ。
昨年、金正恩氏は魚粉飼料工場を現地視察した際、「魚の生臭い匂いがしみた匂いをかぐと
気持ちが爽やかになる。養魚場ごとにウヨウヨしているサカナの群れが、目の前に浮かぶ」
と大喜びした。その反面、スッポン工場を現地指導した際は、管理不行き届きという理由で
工場責任者を処刑。それだけでなく、その直前の激怒した動画まで公開した。
金正恩氏が、水産資源を重要視する姿勢を見せるのは当然だが、その本来の目的は庶民の
食生活を向上させることだ。いくら不備があったからといって、工場責任者を処刑すれば
庶民の食生活がよくなるというものでもない。その辺の道理を、正恩氏はわきまえるべきだ。
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